出産の兆候とお産の流れ

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犬の交尾はメス犬の発情期に合わせておこなわれます。
メス犬の発情期は6カ月おき、1年に2度あるのが一般的です。
季節的には春と秋の2回で、日照時間や飼育環境の違いによって室内犬と室外犬では多少サイクルが異なる場合もあります。
犬の妊娠期間は、受胎が確認されてから約63日(約2ヶ月)です。
受胎してから約3週間ほどは、安定期に入るまで流産しやすい時期が続きます。
なるべく安静に過ごすことを心掛け、激しい運動をおこなったり、シャンプーなど母体に負荷がかける行動は控えさせるように気を付けましょう。
「妊娠前期」の妊娠1~3週目は、母犬につわりのような症状が出やすく、食欲不振や嘔吐などの症状が数日間続くことが多いようです。
ほかには食べ物の好みが変わって、今までのドッグフードが食べれなくなったりすることもあります。
固形物を食べるのが難しい場合は、水分多めのふやかしたドッグフードを与えたり、犬用ミルクなどで、出産に向けて栄養をしっかり取れるように管理してあげると良いでしょう。
「妊娠中期」の妊娠4~6週目になると、出産に向けて体に変化が表れてきます。
授乳に向けて乳腺が張ってきたり、お腹も少しずつふくらんでくるでしょう。
徐々にお腹が重くなって活動的に動かなくなくなりますが、つわりの症状が落ち着き、逆に食欲旺盛になって体重が増えていきます。
「妊娠後期」の妊娠7~9週目には、お腹はパンパンにふくらんで、母犬は動くのが大変になってくるようになります。
短足の犬種だと、大きく膨らんだお腹が地面スレスレなんてこともあります。
8週目を過ぎたあたりからはお腹にいる子犬の動きも活発になるので、しっかり胎動を感じられるようになります。
この時期になると、お腹にいる子犬の大きさや何匹いるのかなど、レントゲンなどで確認することができるようになります。
犬の出産の約1週間~10日ほど前には、母犬を出産場所に移動させましょう。
警戒心が高まる時期なので人があまり通らない静かな場所が良いとされていますが、飼い主さんの気配を感じられる方が安心できる犬もいるので、母犬のタイプに合わせた清潔で温かい場所を準備してあげてください。
いよいよ9週目を迎えると、いつ出産を迎えてもおかしくないので母犬から目を離さないようにしましょう。
トイレが近くなったり、母犬が床を掘るようなしぐさを見せ、出産に向けて巣作りのようなしぐさを見せる「営巣行動」という行動をおこないだしたら、間もなく出産が始まります。
妊娠中の母犬は1週間刻みでどんどんに変化していき、あっという間にお腹がふくらんでくるのでそのスピードにびっくりしてしまうかもしれませんが、万全の態勢で愛犬の出産を迎えられるように飼い主さんも出産準備を進めて、全力でサポートしてあげましょう。
お産のために前もって準備しておきたいもの

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愛犬の出産時期が近づいてきたら、しっかりサポートできるか飼い主さんも緊張してくると思います。
出産準備で忙しくなる前に、愛犬の出産に使用する道具がすべてそろっているかチェックしておきましょう。
〈必ず準備したいもの〉
・出産スペース
出産時はナーバスになる母犬が多いので、外からの視線が気にならないよう中があまり見えないようにして、お気に入りの毛布や安心できる匂いのついたタオルなどを入れて、母犬が安心できるような環境を準備します。
高さの目安は、母犬が自由に出入りできて、子犬が逃げていかないくらいがよいでしょう。
寒い季節ならペットヒーターや湯たんぽなども用意して、母犬も生まれた子犬も体温が奪われないようにしてあげるといいですよ。
・たこ糸と消毒したハサミ
子犬のへその緒を母犬が噛み切らなかったときに、たこ糸で縛ってから切るために使います。
・新聞紙やトイレ用ペットシーツ
母犬は出産前に頻尿や軟便になりがちです。
トイレをしたらすぐに取り換えられるので、出産スペースを清潔に保つことができます。
また破水で汚れたり、出血や出産時に床が濡れてもすぐに取り換えられるので、多めに準備しておきましょう。
・やわらかいガーゼ、またはタオル
母犬が子犬の羊膜を破らなかった場合や汚れた体を拭くときに使います。
ほかにも呼吸が弱い子犬を包んで擦ったりするときにも必要なので、できるだけ肌触りが柔らかく清潔なものが良いでしょう。
多めに用意しておくと安心です。
・犬に安全な消毒剤
はさみや糸を消毒したり、出血箇所に使用することがあります。
・子犬を産湯に入れるためのお湯と洗面器、ドライヤー
産まれてすぐに子犬をキレイにしてあげるのに使用します。
子犬の頭数によって、洗面器のサイズや使用済みのお湯を捨てるバケツも準備したほうがよいでしょう。
子犬を産湯に入れた後は、産まれたての子犬の体が冷えてしまわないように、速やかにドライヤーで乾かしてあげましょう。
・はかり
産まれた子犬の体重を計るのに使います。
キッチン用などの2キロくらいまで計れるもので十分です。
はかりに乗せる時に、子犬を入れるための安定するカゴなどがあっても良いかもしれません。
使う前に消毒をして、清潔な状態で使用しましょう。
・子犬用粉ミルク、子犬用哺乳瓶かスポイト
母犬が授乳を嫌がったり、すぐに初乳が出ない場合もあるので用意しましょう。
母犬の母乳が足りない時の補助にもなりますので、用意しておくと安心です。
・掛かりつけの動物病院の電話番号
万が一の場合、気が動転していてもすぐに連絡できるように目立つ場所に書いておきましょう。
家族にも場所を共有しておくと安心ですよ。
また緊急時には、動物病院まで〈誰が・どうやって連れていくのか〉ご家族でよく相談しておくといいでしょう。
出産までの経過や気になる点をあらかじめノートにまとめておくと、いざという時に慌てないで獣医さんに伝えられますよ。
今は犬用の健康手帳やアプリなどもあるそうなので、利用してみてもいいですね。
このほかには必要に応じて、出産の兆候を調べるために母犬の体温をはかる体温計、産まれたての子犬への衛生面を考えて使い捨て手袋などを準備する方もいるそうです。
掛かりつけの獣医さんと相談して、このほかに必要なものがないかどうか確認しておくと安心でしょう。
犬の出産の兆候

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愛犬が寝床のタオルをしきりに掘りかえすような「営巣行動」を頻繁におこなったり、ご飯も食べずに部屋のなかをうろうろ歩きまわったりしたら、出産がいよいよ間近いサインです。
いつもより甘えてくる犬もいれば、神経質になりゆっくり座っていられない様子を見せる犬もいますが、直腸温度が37℃まで下がってくると、約8~10時間で出産が始まるといわれています。
母犬の体温の低下が出産が始まる目安になるので、予定日の少し前から体温を計測し、母犬の平熱を知っておくと出産のタイミングを掴みやすくなります。
出産の前には少し軟便になったり、頻繁におしっこをするようになり、いつになく落ち着かない様子を見せるでしょう。
「ハァ、ハァ」と少し苦しそうな呼吸(パンティング)をするようになり、陣痛によって震えが見られたり、場合によっては吐いてしまう母犬もいます。
このような兆候が見られたらもう分娩が近い証拠ですので、飼い主さんは母犬が安心して出産を始められるように、特に注意しつつ静かに母犬を観察しましょう。
犬のお産

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犬も人間と同じように、胎児を包んでいる外側の膜が破れることで破水することがあり、透明な液体が出てきたらお産が始まる合図です。
しかし破水だというはっきりとした兆候が確認できない場合もありますが問題はないので安心してくださいね。
破水の兆候が見られたら母犬の陣痛が始まって、いよいよ出産が始まります。
子犬が産道へ降りだすと、だいたい30分以内には産まれると思ってください。
始めは陣痛の痛みも弱く、痛む時間も長くありませんが、だんだん出産が近づくにつれて痛みが強く、痛みの強い時間も長くなっていくため、母犬も普段と違う鳴き声を出すようになります。
陣痛の間隔も狭まり痛みが強くなると、母犬は排便の時のようないきみやすい姿勢をとります。
小型犬の場合は、横になった姿勢で出産するのが一般的だそうです。
陣痛の間痛みが来たらいきみ、弱まったら少し休むのを繰り返して、子犬は徐々に産道に降りていき、母犬がいきんだタイミングで最後は一気に押し出されて子犬が誕生します。
羊膜が破れて産まれてくる子犬と、羊膜の袋をかぶったまま出てくる子がいますが、母犬が子犬を舐めて羊膜やへその緒などを取り除いてキレイにし、子犬はすぐに母乳を求めて吸い付きます。
母犬が子犬を舐めるこの刺激で健康な子犬はかわいい産声をあげるので、この時に飼い主さんはやっと一安心できるでしょう。
子犬が産まれた後には緩やかな陣痛が起こって胎盤がでてきます。
母犬が胎盤を食べようとすることがあり、昔は母乳の出がよくなるので食べさせた方が良いといわれてきました。
しかし最近では胎盤を食べると母犬が嘔吐下痢をする原因になることがあるため、母犬が食べる前にすぐに片付けてしまう方がいいとされています。
しかし今だに胎盤は子宮の収縮にいい物質が含まれているので食べさせたほうがいい、という意見もあるため、掛かりつけの獣医さんと相談してどうするか決めておくと良いでしょう。
1匹目の胎盤が出てきた後、まだお腹に赤ちゃんがいる場合は、10分~30分の休憩を挟んで、再度陣痛が始まり、出産を繰り返します。
母犬がいきむときに子犬が踏まれたりしないように、次の陣痛がきたら産まれた子犬は温かく、母犬から見えるスペースに保護しましょう。
その時は母犬が不安にならないように、やさしく声をかけながら子犬を見やすい場所においてあげてくださいね。
助産の方法

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母犬が自分で出来るようなら自然に任せて、飼い主さんは基本的には見守りましょう。
ただ母犬が産まれた子犬へ適切な処置をしない場合は、人間が直ちに助産する必要があります。
産まれてすぐの子犬の処置を母犬がしない場合は、まず羊膜を破って子犬を取り出し自発呼吸ができるようにします。
顔が羊水で濡れているので、口を塞いでいないか確認しながら、柔らかいガーゼでふき取ります。
子犬が産声をあげて、すぐに動き出せば良いですが、もし動かなかったり産声をあげないのは仮死状態になっている場合があります。
気管内の羊水を吐かせるように、背中を強めにタオルで擦ったり、背中を軽くたたいて、子犬が産声があげるまでマッサージし続けます。
もし羊水が子犬の鼻の中に詰まっているようなら、人間が口で吸いだして呼吸しやすくしてあげます。
無事に子犬が産声をあげたら、自発呼吸がきちんとできていますので、ひとまず安心でしょう。
子犬が声を出すのを確認したら、次はへその緒を切ります。
子犬のお腹から1センチ位のところをたこ糸できつく縛って止血し、結び目より胎盤側の5ミリ~1センチ位のところを、消毒したハサミでカットします。
次にぬるま湯(36~37度くらい)の産湯を準備し、子犬の頭以外をやさしく手早く洗って、素早くタオルで拭いて、ドライヤーで乾かします。
その後、温かくしたスペース(36~37度くらい)にいる母犬の側に戻して、親子の様子を見ましょう。
子犬の産声を聞いて母犬が興味を示し、自分で舐めてお世話を始めるかもしれません。
授乳すると母犬に母性本能が出てきますので、母犬のおっぱいに子犬をくっつけて授乳させてみましょう。
それでも母犬が授乳も嫌がるようなら、いったん飼い主さんが授乳を手助けしてみて、母犬が積極的に子犬のお世話をするようになるまでよく見守ってください。
子犬の健やかな成長のため、初乳を飲ませましょう

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「初乳」というのは子犬が産まれて初めて口にするが母乳のことで、栄養が豊富で免疫力を高める抗体を多く含んでいます。
そのため産まれてすぐに母犬から免疫抗体をもらって、初期免疫を作ることは子犬が元気に成長していくためにとても大切です!
子犬は産まれたばかりでまだ目が見えていないので、母犬が子犬をおっぱいまで誘導し初乳をあげます。
何匹も生まれた場合は、すべての子犬が大事な初乳を十分に飲めているか、飼い主さんもチェックしてあげてください。
母犬によっては、出産後すぐ初乳が出る場合と、しばらくたってから初乳が出る場合があり、子犬は生後48時間に初乳からの抗体をもられないと免疫が弱くなってしまいます。
母犬がなかなか初乳を出せない場合は、特異的免疫グロブリン源を配合した市販の粉ミルクなどを飲ませましょう。
「初乳ミルク」や「特異的免疫グロブリン源ミルク」と検索すると、すぐ購入サイトが出てきますよ。
出産後、母犬の母乳の出が悪い原因として、もともと母乳が出にくい体質であるほかに、妊娠中の栄養状態やストレスが影響することがあるといわれています。
つわりで食べられない母犬にも工夫しながら妊娠中の栄養バランスに気を配り、母犬が妊娠中から心穏やかに過ごせるようにサポートしてあげましょう。
こんな時はすぐに動物病院に連絡しよう!

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昔から犬は安産の象徴ともされていますが、出産は母犬にとっても産まれてくる子犬にとっても命がけです。
想定外の事態に備えておくに越したことはありません!
事前に掛かりつけの獣医さんと相談しておくと、万が一の場合もスムーズに対応してもらえます。
どんな時にすぐ病院に連れてきたらよいのか聞いておくと、パニックにならず冷静に行動する助けになるでしょう。
妊娠56日頃(8週目ごろ)に分娩が始まってしまうことを早産といい、胎児の発達具合によっては新生子管理が必要な場合もあります。
分娩後に適正な新生子管理がであればそのまま健康に育つので、子犬の様子が安定するまでは獣医さんに診てもらっていたほうが良いでしょう。
逆に出産時期(9週目)を過ぎて、65日以降になっても分娩が始まらない場合は、遅産といい、母犬の子宮の中で大きくなり過ぎて難産になることもある危険性がありますので、掛かりつけの獣医さんに相談してください。
また正常な出産予定日に陣痛が来たとしても、緑色や黒色の異常なオリモノが出たり、破水してから2時間経っても子犬が産まれてこないようであれば、掛かりつけの獣医さんの指示を仰いだほうがいいでしょう。
お産が始まったのになかなか産まれず、時間がかかるほど母体にも赤ちゃんにも負担がかかり、危険が高まっていきます。
無事に産まれた後も、産まれた子犬の数と胎盤の数が合うか必ず確認してください。
もし数が合わない場合は、子宮内に胎盤だけが残ってしまって、胎児がもういないのに陣痛が続く状態になってしまうことがあります。
また胎盤が出ないままにしておくと、のちに子宮蓄膿症などの病気の原因となることがありますので、すぐに獣医さんの診断を受ける必要があります。
犬の出産適齢期とは?

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犬の成熟は犬種によって差があり、小型犬の最初の発情期は早ければ9カ月頃から、中型犬や大型犬は12カ月頃に始まります。
しかし1回目の発情期ではまだ生殖器が十分に成熟しきっていないので、この時期に妊娠すると母体に大きな負担がかかり、母犬が体を壊したり、子犬も十分に成長できず死産してししまうことが多いそうです。
母犬と子犬の両方にとって、安全に出産するためには母犬の骨格や生殖器が完全に成熟するのを待ってから交配するようにしてください。
一般的に成熟の目安とされている年齢をあげていますが、犬種や体格によっても成熟のスピードが異なりますので、参考の一つにしてみてください。
・小型犬:1歳半~6歳くらいまで
・中型犬:3歳~5歳半くらいまで
・大型犬:2歳~5歳くらいまで
どのサイズの犬種も安全な出産がしやすいのは、人間でいうと40歳程度の年齢です。
出産は、胎児を育てるために母体に大きな負荷がかかります。
母犬には妊娠期から出産までかなりの体力が必要になりますので、高齢になってからの出産は加齢による体力低下からくるリスクが高まり、母子ともに安全な出産が難しくなってきますのでオススメできません。
愛犬に出産させたいと思っているならば、犬の体が十分に成長し、体力のあるうちに出産できるよう計画しましょう。
難産の兆候と原因は?
一般的に母犬の陣痛が始まってから胎児が産まれるまで、約30分~1時間ほどだといわれています。
しかし不規則で弱い陣痛が3時間以上続いたり、破水して陣痛が始まって最初の胎児が頭まで出てきたけれど途中で止まってしまって3時間以上経っても産まれなかったり、強い陣痛が30分以上続くのも順調な出産だとは言えません。
異常な色のオリモノ(緑色、黒色など)や陰部からの出血が多かったり、腐敗臭がしている場合、また母犬がけいれんを起こしたり、嘔吐したりするなど、苦しそうにしているのも危険な状態です。
また始めの赤ちゃんが順調に産まれても、残りの赤ちゃんが産まれるまでに2時間以上経っても出てこないのもよくありません。
いずれの場合もすみやかに掛かりつけの動物病院に連絡し、どうしたらよいか対応を聞いてください。
難産になってしまう原因として考えられるのは、胎盤剥離や産道狭窄、子宮捻転が起こって胎児が出てこれない場合があります。
また難産は小型犬に多い傾向があり、そのほとんどは「子宮頸管無力症」によるものだそうです。
「子宮頸管無力症」とは、何らかの理由で本来はまだ開かないはずの子宮口が妊娠中期の段階で開いてしまったり、妊娠中期の段階で破水してしまい、早産や流産に対するリスクが高くなってしまいます。
ほかには胎児の頭数が多いと十分な栄養が行き渡らず、栄養不足などが原因で死産する場合もあります。
病院の場合の妊娠・出産にかかる費用は?

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安心な出産をさせてあげるために、出産前に必要な検査や診察を受けさせ、出産の費用ともしものための手術費もしっかり備えておきたいところですね
しかし犬の妊娠・出産には一体いくら準備したらいいのでしょうか?
自然分娩を考えていても、緊急で帝王切開での出産になることもありますが、基本的にペット保険に加入していても保険適用外になってしまうことが多いそうです。
飼い始める段階で出産を考えているなら、あらかじめ出産の費用も保険でカバーしてくれる会社に加入しておくと安心ですね。
まず妊娠しているか確認するところから費用が掛かってきます。
妊娠していたら母体の状態確認のために、エコー検査やレントゲン検査を受けると思います。
病院によって検査費が多少異なってくると思いますが、診察代とエコー代を合わせてだいたい5,000円前後だと思います。
さらに妊娠週が進むと、レントゲン検査を受けて胎児の頭数や大きさを確認し、母犬の骨盤や子宮の状態を確認します。
診察代とレントゲン検査も5,000円前後になるでしょう。
あらかじめ獣医さんに立ち合い出産をお願いする場合、50,000円~100,000円くらいといわれています。
軽度な難産の場合は、カルシウムやオキシトシンなどの陣痛促進剤を投与してもらうので、投薬代も加算されますが、数万円増えると思っておくとよいでしょう。
しかし重度の難産の場合は、帝王切開で出産してリスクを最小限に抑えることになるでしょう。
手術費用に加えて、血液検査やレントゲンなどの検査料、麻酔費用、術後の経過を診るために、たいてい入院が必要になります。
そのため100,000円は掛かると思っていたほうがいいでしょう。
病院によって入院費なども異なりますので、もし手術になった場合の費用も妊娠段階で聞いておいてもいいかもしれませんね。
愛犬の出産において頼りになるのは、やっぱり信頼できる獣医さんです。
飼い主さんも母犬も安心して出産に臨めるように、心配なことを何でも相談できる獣医さんを早く見つけておきたいですね。
小型犬の出産は危険!?
体が小さな犬の場合、難産になることが多く、帝王切開での出産も多いといわれています。
それはなぜなのでしょうか?
実は、小型犬と中型犬から産まれてくる子犬の大きさはそれほど違いがないからなんです。
例をあげると、10キロの中型犬から産まれてくる子犬が500グラムくらいだとすると、5キロの小型犬から産まれてくる子犬は300グラムくらいということです。
小型犬は、小さい母犬が大きめの赤ちゃんを産むということになります。
小型犬の中には成犬になっても4キロない個体も多いので、より母犬にかかる負担は大きく、そのため出産が難しくなります。
母体が小さいと出産時に子犬が産道に引っかかってしまい、上手に出てこれない可能性が高くなります。
子犬の頭やお尻などが掴めるぐらいまで出てきていると、人間が手で引っ張り出すこともできますが、無理に引っ張りだせば繊細な母犬の産道や弱い赤ちゃんを傷つけてしまうリスクもあるので危険だといえます。
また犬の帝王切開は全身麻酔が一般的なので、体の小さな小型犬には負担が大きく、子犬は仮死状態で産まれてくるため、無事に産まれるのが難しくなってしまうとのことです。
小さな犬種の出産の場合、何があっても対応できるようなバックアップ体制を作り、獣医さんとも出産にあたっての対応を聞いておきましょう。
出産時に難産だとわかったら、すぐに獣医さんに連絡を取って、焦らずに適切な対応をもらってくださいね。
犬のお産がよくわかる動画
大切な愛犬の出産に向けて、飼い主さんも緊張が高まってくるでしょう。
無事に愛犬の妊娠と出産を終えた飼い主さんと愛犬の動画から、出産までの過ごし方やサポートのヒントをもらうのはどうですか?
愛犬の変化を丁寧に残している方が多いので、ぜひ参考にしてくださいね。
赤ちゃん産まれたよ トイプードルのロージー
小さなロージーちゃんが小さな小さな赤ちゃんを出産して、お母さんになる感動シーンが詰まった動画です。
信頼する飼い主さんとの二人三脚で、2匹の赤ちゃんが無事に産まれました。
ついつい手に汗握りながら見てしまうと思いますが、愛犬の出産を控えている方から妊娠を検討中の方まで大変参考になると思います。
この動画以外にも妊娠から出産まで丁寧に妊娠期のロージーちゃんの様子をまとめてくださっています。
出産を終えて、やさしくやさし生まれたばかりの赤ちゃんを舐めるロージーは、すっかりお母さんの顔でした。
ダックスの赤ちゃんの胎動が見えるよ
妊娠後期に入ると、かなりはっきりと赤ちゃんが動いてきます。
お腹がパンパンのお母さんはちょっとしんどそうですが、ぴくぴく動いて元気な胎動を見ると安心しますね。
母犬が万全の体調で出産に臨めるように、頑張る愛犬とお腹の赤ちゃんにやさしく話しかけてあげたら、しんどくても少し安心してくれるかもしれないですね。
まとめ

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犬と言えば安産と思われる飼い主さんも多いかも知れませんが、犬種的な特徴により難産になりやすい傾向の犬もいます。
小さく改良されてきたチワワやトイプードルなどの小型犬、パグやブルドックなど頭の大きい短頭種、若すぎる出産で母犬の体格が未発達だったり胎児の大きさに対して骨盤が狭すぎたり、分娩自体が難しい場合もあります。
そうすると最初から、もしくは緊急での帝王切開手術となり、母犬に負担をかけたり危険を伴うこともあります。
帝王切開手術の費用は病院や犬の大きさにより異なり、およそ10万円は掛かるでしょう。
陣痛促進剤を使用したり術後の経過観察が必要だったり、母犬や子犬の状態により入院が思ったより長引く場合もあります。
しかし出産は犬にとって命がけです。
飼い主さんは愛犬の出産を見守るとともに、念のために助産の用意を整え、動物病院と連携をとりながら、安全な出産を迎えられるように準備しましょう!