愛犬にとって良質な睡眠をとることは、健康状態を保つために不可欠です。人間も寝不足になると体調不良を起こしますが、それは犬も同じです。飼い主さんが犬の睡眠のメカニズムを知り、愛犬にとって快適な睡眠環境を用意することは大切です。
この記事では、犬の睡眠の特徴を解説していきます。また理想的な睡眠環境を作るためにできることをご紹介します。
犬がすぐに起きるのはどうして?
pixabay.com
犬が自分の横でスヤスヤ寝ていたのに、ちょっとした騒音で起きてしまうのを観察したことはありませんか?犬がすぐに眠りから目を覚ますことには、犬の習性と睡眠のメカニズムが関係しています。それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
野生の名残からくる習性
野生で暮らしていたとき、犬は群れを作って生活していました。そのときには、いつ敵に襲われるかわからなかったので、常に神経を張り巡らして警戒することが不可欠でした。飼い犬になった現在でも、周りの動きを常に気にしています。それゆえ、睡眠中であっても周囲の状況に気を遣っているのです。
犬の睡眠のメカニズム
睡眠には「レム睡眠」といわれる浅い眠りと、「ノンレム睡眠」といわれる深い眠りの2種類があります。私たち人間の場合、睡眠の75パーセントが「ノンレム睡眠」なのに対して、犬の睡眠は80パーセントが「レム睡眠」と考えられています。つまり、犬は浅い睡眠を長く取っているのです。このことからも、すぐに起きてしまう理由が理解できます。
犬はどれくらいの睡眠が必要?
pixabay.com
犬が体力を回復させるには、ノンレム睡眠も欠かせません。ノンレム睡眠を十分に取るには、睡眠時間を長く取ることが大切です。必要な睡眠時間は犬種や年齢によって異なるといわれています。
また一般的に大型犬の方がエネルギーの消費が多いので、小型犬よりも長い睡眠が不可欠でしょう。年齢別では、以下の睡眠時間がそれぞれ必要と考えられます。
- 子犬:18時間から19時間
- 成犬:12時間から15時間
- 老犬:18時間から19時間
成長期にある子犬と、回復に時間がかかる老犬の睡眠時間は、成犬と比較して長めです。
犬にとって快適な睡眠環境は?
pixabay.com
愛犬がぐっすり眠るためには、飼い主さんが快適な環境を整える必要があります。どのような環境が、愛犬にとって最適かを解説します。
暗くて狭い場所を用意してあげる
犬は野生だったときに、巣穴を見つけてそこを寝床にしていました。このことから、広くて明るい場所よりは、暗くて狭い場所の方が睡眠の質が上がると考えられます。
「クレート」を用意するなら、巣穴に居る気分を味わえ、安心して眠れるでしょう。「クレート」を選ぶ時には大きさに注意し、愛犬が中で1周回れる程度の余裕があるようにしてください。
ベッドは落ちつける場所に設置する
人の行き来が多い場所やテレビの近く、エアコンや扇風機の風が当たる場所などでは落ち着いて寝ることができません。家の中でもとりわけ静かで落ち着ける場所にベッドを設置するようにしましょう。
トイレと寝床は分ける
犬はきれい好きな動物です。ですからトイレとベッドとを同じ場所に設置するのは良くありません。トイレのしつけが終わったら、寝床とトイレは分けるようにしましょう。
玄関や廊下など孤独を感じる場所は避ける
群れで生活していた犬にとって、飼い主さんの気配を全く感じられない場所では、孤独を感じ、ストレスを抱えることがあります。静かで落ち着ける場所にベッドを置くのは良いことですが、あまりに飼い主さんとの距離が離れているのは問題です。バランスの良い場所を見つけて寝床を用意してください。
愛犬の睡眠環境で気をつけること
pixabay.com
犬は人より長い時間睡眠を取りますが、夜はしっかり寝る必要があります。そのためには、昼間に日の光を浴び、適度な運動をすることが不可欠です。散歩や遊びでしっかり運動させて、エネルギーを日中にしっかり発散させてください。
飼い犬は生活サイクルを飼い主さんに合わせて、睡眠時間を調節する傾向があります。飼い主さんの生活スタイルが夜型なら、クレートやゲージに布をかけて暗い場所を作ってあげましょう。そうするなら、愛犬のタイミングでゆっくり眠れます。
犬の睡眠は全体的に浅いです。とはいえノンレム睡眠も欠かせません。そのため、飼い主さんが愛犬にとってより良い睡眠環境を作ってあげることが大切です。良質な睡眠を取れるように工夫するなら、愛犬が健康を保ち、長生きするのに寄与できます。