親しい友達やパートナーにしたい人の特徴は、知能が高いことや仕事ができることよりも、嬉しい時に一緒に喜んでくれたり、悲しい時には慰めてくれたりなど、気持ちを共有できることではないでしょうか。
気持ちが通じあい、お互いの感情を尊重し合える相手といると居心地が良いだけでなく、さまざまなことを共有できるので人生がより豊かになりますよね。
人間と言葉を話さない犬がそこまでの関係になれることを疑う方もいらっしゃると思いますが…愛犬のことを「子供や恋人のよう」と表現される方が多いことからも、犬と人間は心の通いあった親密な関係を築けることがわかります。
この記事では、犬と人間がパートナーと呼べるほどの深い関係になれる根拠ともいえる、3つの共通点をご紹介します。
家族を認識する
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「あなたにとって一番大切なものはなんですか?」と聞くと、多くの方は「家族」と答えます。世の中のお父さんは家族のために一生懸命働き、お母さんは家族のために自分を犠牲にしてまでも尽くします。
「家族を守るためならなんだってする」という方も多いですよね。それほど家族は大切で、他の何とも比べようがないかけがえのない存在ですが、犬も家族という概念を持ち、自分の家族をとても大切にします。
野生の犬は群れ(つまり家族)を作って生活し、父親・母親・子供・兄弟・叔父・叔母・いとこなどの関係がはっきりしており、それぞれが役割を果たして群れがうまく機能するように協力し合います。
狩りを一緒にして食物を確保したり、縄張りを守るために一緒に戦ったり、助け合って子育てをしたりと、人間の家族と同じように衣食住をともにし、感情的にも強い繋がりで結ばれてお互いを気遣いあいます。
人間と暮らす現代の犬は、飼い主さんとその家族を自分の家族と思って生活しています。犬の群れに抱くのと同じ深い愛情を飼い主さんに抱き、大切にしていることをさまざまな機会に示してくれます。
感情を表情で表す
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人間の場合、人の表情を見ると大抵その人がどんな気持ちか読み取れますが、犬も人間と同じように喜怒哀楽の感情を表情で表します。もちろん、尻尾を振ったり、飛び跳ねたり、吠えたりして感情を表すこともありますが、犬の表情の豊かさは人間に負けていません。
かなり発達した表情筋が備わっているので、口角をあげて笑顔を作ったり、目を細めて心配そうな顔をしたり、鼻や眉間にシワを寄せて不満を表したりと、人間の喜怒哀楽の表情と共通の表現をするので、私たちは犬の表情を見れば犬の気持ちを理解できます。犬も、人間の表情を見てどんな気持ちなのか、何を考えているのかを推測できます。
2017年に発表された実験によると、犬は顔の表情を使って人間とコミニケーションを取ろうとすることと、反射的ではなく意識的に表情筋を動かして表情を作り出していることが明らかになりました。
カミンスキー博士の実験
英国ポーツマス大学の心理学者ジュリアン・カミンスキー博士とそのグループは、犬の前に人が立つ4つの状況を作り、その時々に見せる犬の表情の変化をビデオカメラで撮影し、犬は自らの意思や感情で表情を作れるのかを実験しました。
以下が4つの状況です。
- 1.食べ物を持って、犬に顔を向けて立つ
- 2.食べ物を持たずに、犬に顔を向けてたつ
- 3.食べ物を持って、背を向けて立つ
- 4.食べ物を持たずに、背を向けて立つ
- 実験に参加した犬:26頭
- 年齢:1歳〜11歳
- 犬種:ゴールデンレトリバー・ボクサー・ダルメシアン・雑種など
観察の結果、人が食べ物を持っているかどうかではなく、人の顔が犬に向いているかどうかで犬の表情に変化が見られることや、犬は人間が自分の顔に注目していることがわかると、活発に表情筋を動かし、表情を変化させて人間とコミニケーションを図ろうとすることが判明しました。
つまり、犬は自らの意志や感情で表情を作り、しかも人間に向けてそうしているということです。
共感する
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犬を飼われている方なら、落ち込んでいる時に飼い犬が寄ってきて優しく体をくっつけたり、心配そうな顔で見つめたりしてくれた経験が何度もあると思います。
また、笑顔を向けたら笑顔で返してくれたり、眠くてあくびをしたら犬もあくびをしたりと「もしかして以心伝心!?」とびっくりされたこともあるでしょう。
これらは全て、犬がもつ共感力の結果です。私たちが大切な友達や家族の感情に共感し、慰めたり励ましたりするように、犬も飼い主さんの感情に共感し、気持ちを察していることが伝わる態度をとります。
これはすごい共通点ではないでしょうか。犬と人間も種族を超えて以心伝心ができるのです!!
このように、犬は飼い主さんのことを家族と思い大切にし、表情を使ってコミニケーションをとり、気持ちに共感して寄り添ってくれるわけですから、人間にとって良きパートナーとなるのも納得です。