猫が日向ぼっこが好きなのは必然?!
一日の大半をゴロゴロと寝て過ごすことの多い猫ですが、寝ていた場所に日が入らなくなると、ムクっと立ち上がり、太陽の傾きを追いかけるように場所を移動して日光浴を続けます。
猫がそれほどまでに、一生懸命太陽の光を浴びようとするのはなぜでしょうか。実は日向ぼっこが心身の健康に役立つことを知っているからです。
人間でも日向ぼっこをしていると緊張がほぐれたり、体が軽くなったり、よく寝られたりしますよね。同じように日向ぼっこは猫にもたくさんのメリットがあります。
1.体温を維持できる
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猫は人間と同じように恒温動物なので、体温を一定に保とうとします。寒い時期はどうしても体が冷えてくるので、体を動かしたり、内臓を活動させたり、自分の体をフル稼働させて体温を上げる必要があります。
しかし、それらの方法はエネルギーを消費するので疲れます。飼い猫といえどもハンター気質は健在ですから、体が疲れた状態というのは好ましくありません。常にエネルギー満タンで、いつでもキレッキレに動ける状態でいたいのです。
そこで、一番手っ取り早く体温を維持する方法が日向ぼっこです。日向に陣取って日を浴び続けることによって体温の低下を防ぐことができますし、なんらかの理由で体が冷えてしまった場合でも体を効率よく温めることができます。日向ぼっこは、ハンター気質が残る猫にとって最適な体温維持方というわけです。
適切な体温を保つことによって血流がよくなり、栄養が身体中に生き巡り、老廃物の排出もスムーズになります。さらに、体が暖かい状態だと免疫力の働きもよくなるので、病気にもかかりにくくなります。そのことを本能的に知っている猫は、暖かい場所、日が入る心地よい場所を上手に見つけて休みます。
2.精神状態が整う
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自然光には、人口の光や暖房器具が絶対に敵わない癒しの効果があります。太陽を浴びると単に体が暖まるだけではなく、「セロトニン」と呼ばれるハッピーホルモンが分泌されるので精神状態が整います。
よく「太陽光を浴びない日が続くと鬱になりやすく、逆に太陽光を程よく浴びている人はポジティブな考え方ができるようになる」といわれますよね。
猫も人と同じように、太陽の光を浴びるとセロトニンが自動的に分泌されます。この物質が分泌されると、落ち込んでいる時に前向きになったり、緊張する時にリラックスしたり、興奮している時に落ち着いたりと情緒が安定します。
猫が自分の精神状態を認識しているかは不明ですが、日向ぼっこをすることによって「気持ちいい」「落ち着く」と感じることは間違いありません。
3.体内時計を調整
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猫は、日照時間の変化をキャッチして季節の移り変わりや時間の経過を認識しています。猫には季節に合わせた被毛に生え変わるための換毛期がありますが、日照時間が長くなると夏用の涼しい毛に生え変わります。一方、日照時間が短くなってくると、これからどんどん寒くなることを悟って冬用の毛になっていきます。
ですから、猫にとって時の流れを意識しておくことはとても大切です。窓から差し込むわずかな日差しであっても、体内時計を調整したり、季節の移り変わりを感じ取ったりと、猫にとってはとても大きな意味を持ちます。
4.体を乾かせる
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洗濯物や布団を日に当てるとふんわりと柔らかくなるのと同じように、猫の被毛も日向ぼっこをするとふんわりとした美しい被毛になります。
太陽の光によって、毛や皮膚の水分が蒸発して体を乾かすことができるからです。猫は体が濡れることを嫌います。室内外の猫は雨に打たれることはほぼありませんが、室内に充満している湿気やお風呂や流しなどの水回り・トイレの失敗・水の飲みこぼしなど、猫の体が濡れる要素は意外と多いです。
それらの水分を、日向ぼっこをすることによって気持ちよく飛ばすことができるのです。
5.殺菌効果がある
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太陽光には殺菌作用もあります。さきほどの、日向ぼっこをして体を乾かすことも殺菌作用と関係があります。細菌は湿った状態だと繁殖しやすいですが、カラッとした状態だと増えにくくなります。
また、日を浴びるということは紫外線を浴びるということになりますが、皮膚に常駐しているブドウ球菌は、紫外線によって繁殖を抑えることができます。ですから、日向ぼっこをすると皮膚病になりにくくなるというメリットがあります。
猫の体には、細菌だけでなくウィルスやダニ・ノミなどの寄生虫がいますが、紫外線や太陽光の熱を浴びることによって繁殖を抑えることができるともいわれています。