犬は記憶力があまり発達していない代わりに、優れた嗅覚と聴覚を持っているといわれています。
飼い主さんを認識することや、怖かった出来事をにおいに結びつけて記憶しているのです。このように、嗅覚を使って少し足りない記憶力を補っているのでしょう。
犬が道を覚える方法とは?
季節の変化などで見た目が変化していく散歩のコースを、愛犬はどのように覚えていくのでしょうか。それにはいくつかのポイントがあるといわれています。
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嗅いだ臭いや聞いた音と結びつけている!!
犬は人間には聞こえない周波数の音を聞いています。ですから、私たちには分からない音を聞いて周りの状況を判断しているのです。散歩中にいつも聞こえてくる音をキャッチして、道と結びつけて覚えています。
散歩中にあちらこちらのにおいを嗅いでいる愛犬の姿をよく目にしませんか?こうやって周囲の状況をチェックしているのです。においと結びつけて散歩コースを覚えるのでしょう。もしかしたら、飼い主さんが散歩コースを間違えていないかチェックしているのかもしれませんよ。
起きた出来事と結びつけている!!
犬はドックランで楽しく遊んだ時に通った道や、動物病院に行って注射されて嫌な思いをした時に通った道など、起きた出来事に結びつけて道を覚えています。
ですから、散歩だと思ってお出かけした時は嬉しそうに歩いていたのに、動物病院の方に近づいていくと歩かなくなってしまうのは道を覚えているからといえますね。動物病院に行くときは定期的に行くルートを変えてあげるなら、愛犬のストレスを軽減できるかもしれません。
地磁気を感知している!!
犬には磁気を感知する能力があるといわれており、その磁気で方向を理解しているのかもしれません。
そのほかにも、太陽や星の位置を目印にして道を覚えているともいわれています。自然界の本能は本当によくできていますね。
賢い犬は車の危険も覚える!
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散歩コースは安全なルートを選んでも、何ヵ所かどうしても車通りの多い場所を通る必要がありかもしれません。
賢い犬は、車が危険なことも覚えるといわれています。そんな時に犬は車が止まるか、いなくなるまで道を渡ろうとしなかったり、歩くときも意識的に一列になって歩こうとしたりします。
愛犬は飼い主さんの行動を見て学習します。車が多く通る道で飼い主さんがどのような行動を取るかを見て覚えるのです。
散歩の時に愛犬をよく観察してみてください。実は飼い主さんと同じ行動を取っていることに気づくかもしれません。こうやって愛犬に危険なものが何かを教えてあげられますね。
愛犬に自宅の場所を教えよう
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飼い主さんがどんなに気をつけていても、不注意で愛犬が脱走してしまう可能性はあります。そのような時のために自宅の場所を教えておくなら、愛犬は自分で帰ってこれます。
覚えさせるポイントは「散歩コースを1つに絞らない」ことです。こうすることで、自宅に戻るためのルートのバリエーションは増えますし、愛犬が知っている場所も増えることでしょう。
散歩コースのバリエーションが増えれば愛犬の好奇心も満たされ、散歩がいっそう楽しい時間になります。それに加えて迷子対策にもなるのでおすすめの方法です。
脱走しないように注意することが大切
愛犬が道を覚えられるといって、リードをつけないで散歩に行かないでください。公道では車も走るので犬にはとても危険ですし、逆に愛犬が見知らぬ人に危害を加えてしまう可能性もあります。ですから、飼い主さんにはきちんと脱走しないように対策する責任があります。
好奇心から、愛犬が道を覚えているか試そうとしないでください。愛犬にとってもストレスですし、トラブルの原因になるでしょう。最悪の場合、愛犬と二度と会えないかもしれません。
こうした悲しい事態を避けるためにも、散歩は飼い主さんの管理の下できちんと行うようにしてください。
まとめ
犬は人間と全く違う感覚で道を覚えています。その能力を存分に伸ばしてあげることで、より一層お散歩が楽しくなることでしょう。
犬は嫌な記憶も鮮明に覚えています。ですから、怖い思いした場所を散歩のルートから外してあげるなら、愛犬が散歩嫌いになることを避けられます。
脱走してしまった時の対策をするためにも、愛犬に自宅の場所を覚えてもらいましょう。そうすることで、万が一の時にも再会できるかもしれません。
犬にとって公道は危険が伴うので、その危険を学んでもらえるように飼い主さんが手本になってあげれば、それを見て愛犬も車などの危険を学習してくれるはずです。