飼い主さんが座っていると、愛犬が歩いてきて膝の上に手を乗せてくることがあるのではないでしょうか。
様子を伺っていると、膝の上に座りたくて一歩を踏み出したわけでもないと分かります。なぜか片足だけ乗せてくるのです。犬のこのような行動にはどのような意味があるのでしょうか?
また、似た行動に「お手」があります。手を乗せることとお手との関連性も簡単に解説していきます。
お手を教えていないのに、犬が手を乗せてくるのはどうして?
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「お手」は犬のしつけとして非常に一般的なものです。ごはんやおやつを与える前にお手をさせる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬は、お手に慣れご褒美がもらえることを学ぶと、飼い主さんが指示しなくてもお手をすることがあります。
しかし、中にはお手を教えていないのにお手に近い動作をする犬もいます。お手を知らないのに手を乗せてくる理由とはいったい何でしょうか。
子犬でも行う
実は、前足を乗せてくるのは子犬のころから見られる行為です。当然、しつけなどはされていない時期なので、飼い主さんから教わったわけではなさそうです。
犬は人間と接する中で自然と学んでいく事柄も多くあります。しかし、子犬という生まれて間もない時期でもその行為が見られるということは、人間とのコミュニケーションで生まれる「学び」でもないと分かります。
つまり、前足を相手に乗せるという行為は犬が本能的に行っているものなのです。
コミュニケーションの手段だった
相手に前足を乗せる行為は犬の本能的なコミュニケーションです。
犬は誰かに教わらなくても、相手を甘噛みしたり頭を押し付けたりしてじゃれ合うことがあります。それと同じで、相手に手を乗せることで相手とコミュニケーションしているのです。
人間も、相手とコミュニケーションを取りたいときには自然と笑顔になります。もっと親密な関係であれば、身体をもたれさせることもあるでしょう。
犬も同じような感覚で、コミュニケーションを取りたい相手に手を置いているのです。
愛犬が飼い主さんに手を乗せてくる時の気持ち
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では次に、犬が飼い主さんに手を乗せてくるときの気持ちをご紹介します。
手を置くことは犬のコミュニケーションなので、愛犬に何らかの意思があると考えてあげましょう。
遊んでほしい
遊んでほしい場合が多いでしょう。暇なので飼い主さんと遊びたいのです。愛犬がウズウズしているようであれば、おもちゃで一緒に遊んであげましょう。
信頼を込めて「遊ぼう」と提案してくれているので、忙しくなければ相手してあげてください。
ごはんやおやつが欲しい
要求を相手に知らせる行為として手を乗せてくる場合があります。
例えば、いつも決まったごはんの時間が過ぎている場合には、愛犬も「あれ?ごはんじゃないの?」と気付かせるように手を置いてくるでしょう。
また、ちょっと小腹が空いたり美味しそうなニオイがしたりすると、「なんだかお腹空いてきた。おやつちょうだい!」と手を置いておねだりしてくることもあります。
あいさつ
飼い主さんに手を置いて、その後すぐに何もなかったように去っていく場合は、単純なあいさつだと考えられます。飼い主さんが起きた時や外出から帰宅したときなどに、こちらに歩いてきて手を乗せてくる場合です。
あいさつをしてくれているので、飼い主さんも撫でるなどして返答してあげましょう。ぜひ日々のコミュニケーションは大切にしてあげてください。
散歩に行きたい
こちらも要求の一つで、散歩好き、また運動好きな犬に多い心理といえます。飼い主さんに気づいてもらえるように手を乗せて、「そろそろ散歩の時間じゃないの?」といってくるのです。
散歩に行きたくて吠えてしまう犬がいることを考えると、かなり優しい要求だといえますね。
手を乗せる習性を利用したのが「お手」
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「手を乗せる」という犬の本能的なコミュニケーションを利用したのが、しつけの「お手」になります。
よく考えてみると「手を乗せる」というしつけは独特ですが、犬にとっては1つのコミュニケーションだったのです。
お手は比較的簡単に覚えてくれるしつけ
お手は本能に刻まれた習性を利用したしつけです。そのため、犬は比較的簡単に覚えることができます。
お手自体は犬が普段から行っている動作なので、後はその行為とタイミングや目的を関連付けるだけでしつけとして成立するでしょう。
犬が「飼い主さんの指示があったら手を乗せる」「手を乗せたらご褒美がもらえる」と考えられるようになれば、お手が自然とできるようになります。
信頼関係を深めるのにも役立つ
手を乗せる行為はそもそも犬のコミュニケーション手段なので、お手によって信頼関係を深めることもできます。
「愛犬がお手をして、飼い主さんがたくさん褒める」を繰り返してあげるなら、信頼関係はさらに深まり、深まった信頼関係を維持するのにも役立つでしょう。
ぜひ愛犬が小さい時から訓練してあげて、親密なコミュニケーションを楽しんでください。