犬は嬉しい時や遊んでほしい時、興奮している時などに飛びついてきます。愛犬が飛びついてくる時、飼い主さんは愛おしく思うに違いありません。しかし、誰彼構わず飛びつく癖があるなら、人に怪我をさせる危険もあるので注意が必要です。
犬の飛びつきをコントロールすることは、飼い主さんに求められる大切なスキルです。愛犬の気持ちを理解し、正しく対処するなら飛びつく癖を止めさせることができます。
この記事ではまず、犬が飛びついてくる理由を5つ取り上げ、興奮状態になっている犬を落ち着かせる方法もご紹介します。
犬が飛びついてくる理由
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感情豊かな犬は、飛びつくことによって自分の気持ちを人や他の動物に伝えようとします。つまり、犬が飛びついてくるのは「感情表現の一つ」です。
ここでは、犬が飛びついてくる時の心理状態を5つご紹介します。
甘えたい
飼い主さんに甘えたい時に犬は飛びついてきます。例えば、飼い主さんがソファに座っている時など、飼い主さんの足にピョンピョンと犬が飛びついてくる場合は、「抱っこして」と甘えている状態です。
また、飼い主さんが帰宅した時に犬が頭をぶつけるようにしてくる場合は、「寂しかったよ~撫でて」と甘えています。
「飼い主さんに飛びついたら抱っこしてもらった、撫でてもらった」という経験があると、犬は「飛びつけば甘えさせてくれる」と学習し、同じ行動を繰り返し行うようになります。
甘えたい時は、ウルウルした目で見つめてきたり、ク~ンと甘えたように鳴きながら飛びついてくることが多いです。特に子犬や甘えん坊な性格の子が多い小型犬に多く見られます。
嬉しい
飼い主さんが帰宅したなど、犬にとって嬉しいことがあった時にも飛びついてきます。お留守番がルーティン化している犬でも、飼い主さんが帰ってくる瞬間は嬉しいものです。ゆえに、全身で再会の嬉しさを表現してくれます。
また、お客さんが来た時にテンションが上がり、飛びついてしまう子もいます。人がいることが単純に嬉しかったり、お客さんに褒められたり、かまってもらうことが嬉しくて興奮してしまうのです。
嬉しくて飛びつく場合、尻尾をブンブン振りながら、突撃するかのように飛びついてくることが多いです。
遊んでほしい
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遊んでほしい時にも犬は飛びついてきます。飛びつくことによって、有無をいわさず飼い主さんを遊びに巻き込もうとします。
また、普段は落ち着いた犬でも、遊びに夢中になって興奮してしまい、思わず飛びついてしまうこともあります。
飼い主さんと遊んでいる時や他の犬と遊んでいる時に、愛犬の息が浅くなったり、落ち着きなくジャンプし始めたら、それ以上興奮しないように遊びを中止してあげてください。
食べ物がほしい
犬は嗅覚が優れているので、飼い主さんのポケットにあるおやつの匂いに引き寄せられて飛びつくことがあります。
また、トレーニングの際に飼い主さんがいつもポケットからご褒美をあげていると、それを覚えていて「ちょうだい」という意味を込めて飛びつく犬もいます。
自分の力を示している
群れで生活していた犬は、群れのメンバーをランク付けし、上下関係を築いていました。現代の飼い犬も、飼い主さんや同居している家族をランク付けし、自分の立ち位置を決めているとされています。
そして、自分より下とみなしている相手に対して、自分の力を示すため、自分の方が優位だと主張するために飛びつくことがあります。その場合、高圧的で危険な飛びつき方をするので注意が必要です。
犬を落ち着かせる方法
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犬が飛びついてくる時、いかなる理由であれ犬は興奮状態にあります。そのため、まずは犬を落ち着かせてあげてください。
ここでは、興奮している犬を落ち着かせる3つのステップをご紹介します。
無視する
興奮している犬を落ち着かせる有効な方法は、飛びつかれても「無視する」ことです。飛びついてきた犬に声をかけたり、撫でたり、大きな声で怒ったりなど何かしらの方法で反応してしまうと、犬は飼い主さんの注意を引けたと勘違いしてしまいます。犬が落ち着くまで、とにかく無視するのが一番です。
コマンドを使う
「おすわり」のコマンドを使うのも犬を落ち着かせるのに有効です。興奮してジャンプしている犬や走り回っている犬の動きを文字通り止め、落ち着かせることができます。
明確な指示を与えることによって、たかぶった犬の気持ちを抑え、飼い主さんがコントロールできる状態に引き戻すことができます。
飛びつきそうになっている時も「おすわり」のコマンドによって、衝動を押さえ込むことができるので、他の人に迷惑をかけることもありません。
「おすわり」は、犬を冷静な状態に戻せる一番便利なコマンドなので、家に迎えた時からしっかりと教え込むようにしてください。
褒める
犬が落ち着いた状態になったらしっかり褒めてあげてください。また、可能なら抱っこしてあげたり、遊んであげたりして犬の気持ちを満たしてあげるようにしましょう。
そうすることによって、「飼い主さんのコマンドに従ったらいいことがあった」という成功体験が記憶され、飼い主さんとの健全な上下関係や信頼関係を築いていくことができます。
この方法を繰り返していくなら、危険な飛びつきや飛びつき癖はなくなります。また、飼い主さんも愛犬を上手にコントロールできるようになるでしょう。