まず、おさえておくべき点として猫は肉食動物だということです。ゆえに、ある日突然他の動物と一緒に飼育し始めることは危険です。それは、小動物が猫にとっては獲物という認識になってしまう恐れがあるからです。準備が整っていない状態や、それぞれの動物の知識を持たない状態での共存はお勧めしません。
とはいえ、条件が整っていれば、あるいはペットの性格の相性によっては一緒に飼育することも可能です。飼育環境をきちんと整えるなら、それぞれのペットのストレスを軽減することもできます。
重要な鍵は「社会化」
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猫は生後2ヶ月までに母猫から色々なことを学びます。その時期に吸収して身についたことは、成猫になった時まで覚えています。それゆえに、生後早い段階で他の動物と接して慣れている場合は、すんなりと他の動物と共存が可能です。
猫の基本的な習性の一つは「単独行動を好む」ということです。そのため、他の動物と仲良くする姿をイメージするのは難しいですが、この習性も幼少期の経験でかなり変化します。それは猫は環境に順応できる動物だからです。
この点を考えると、他の動物と同時に飼育することを考えている場合は子猫の時から準備することが重要だということが分かります。
犬との共存は可能?
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結論からいうと、猫と犬との共存は幾つかの点に気を付けるなら可能です。猫と犬はお互いに性質が違うので、存在は認識し合っていても無視できる関係を保てるといわれています。
ここからは、猫と犬が共存する時のポイントを幾つかご紹介していきます。
慣れるまでは目を離さない
お互いの信頼関係が築けるようになるまでは、飼い主さんの監視の元で接触させてください。猫の鋭い爪や犬の犬歯で相手を傷つけてしまうことがあり得ます。お互いはじゃれ合っているつもりだとしても、加減が分からず怪我させてしまうので注意が必要です。
互いに専用スペースを用意しよう
猫は夜行性の動物ですが、犬は夜に睡眠を取ります。そのため、一緒の部屋で寝かせると犬が十分な睡眠が取れずストレスを溜めてしまうことがあります。逆に猫は一人になりたい動物なので、プライベートスペースを確保することが大切です。
留守中に部屋を分けよう
どんなに仲良しであっても、どちらかがケガを負わせてしまうことは起こり得ます。飼い主さんがいない間に悲劇が起きることを避ける為にも、ケージなどに入れるか部屋を完全に分けておくことは大切です。
共存できる他の動物は?
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猫と一緒に飼育できる、犬以外の動物も存在します。ただし、仲良くなれるかは別問題です。共存できるペット=仲良くなれるということではありません。
そのことを踏まえた上で、ここからは猫と一緒に飼育できるペットを幾つかご紹介します。
ウサギ
ウサギは繊細でストレスを抱えやすい動物です。それに加えて臆病な一面があり、一緒に飼育をすることは難しいという意見もあります。とはいえ、実際にウサギが猫と一緒に飼育されているケースもあるので、絶対に無理とはいえません。
猫にとってウサギは捕食対象になる存在です。でも、性格や慣れ方によっては仲良くできることもあるので、試してみる価値はあります。
フェレット
比較的猫と相性が良い動物はフェレットです。猫と似ている部分を多く持っていて、夜行性で寝るのが好きという傾向が似ています。それゆえに、一緒に飼育しやすい動物といえます。
注意が必要な点は、快適に感じる気温に違いがあるということです。特に、フェレットは温度管理をしてあげないと体調を崩してしまいます。一方、猫が快適に感じる気温はフェレットより2℃高めなため、必要に応じて過ごす部屋を分けるようにしてください。
鳥
基本的に鳥は猫にとって捕食対象です。それゆえに、一緒に飼育するのは難しいといわれています。たとえ高い場所にあるカゴに入れて飼育しても、ジャンプして簡単にアタックすることができます。
しかしながら、猫も鳥も生後間もない時にお迎えした場合は、一緒に飼育することができる場合もあります。それはお互い社会化期から生活を共にしているからです。お互いがいることが当たり前という認識ができているので、スムーズに共存できます。
ハムスター
ハムスターはネズミ科の動物です。ゆえに、猫にとってハムスターは格好の獲物になってしまいます。反対に、ハムスターにとって猫は天敵です。
このことを考えると、ハムスターと猫は一緒に飼育することがたとえできたとしても、仲良くなることは難しいといえます。一緒に飼育したい場合は、部屋を分けるなどの対策が必要です。猫が開けることができないケージを用意してください。
金魚や両生類
水槽などのケースから出ない生き物なら、一緒に飼育することができます。猫は基本的に水が苦手なので、水槽の魚には近寄らないことが多いです。しかし、まれに獲物の為なら苦手な水にも勇敢に立ち向かう猫もいます。飼い主さんは出かける際には部屋を分けるなどの対策をしてください。
両生類も猫の獲物になる可能性があります。一緒に飼育する時には猫がちょっかいを出させないように注意してください。
このようなタイプの生き物は、一緒に飼育することができても仲良く寄り添うことを期待することはできません。