なぜ髪の毛を噛むことがあるのか
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犬は噛むことで、自分の気持ちを表現して相手とスキンシップをとります。この髪の毛を噛むという行動は、特にかまって貰いたい子犬に多いです。まだまだ感情表現の方法が未熟なので、自分に注意を引くために飼い主さんの色々な部位を舐めたり噛んだりします。その1つが髪の毛を噛むことです。
髪の毛を噛んでいる時の犬の心理
犬が飼い主さんや他の人の髪の毛を噛んでいる時の気持ちは様々です。このような行動をなぜ取るのかを理解して接してあげることで、より一層犬の気持ちに寄り添った対応をすることができるでしょう。
伝えようとしている気持ちを理解しつつ訓練するなら、より高い効果を期待することができます。では、犬が髪の毛を噛んでしまう時の気持ちを4つ取り上げてみましょう。
飼い主を下に見ている
もし、犬が子供の髪の毛だけを噛むのであれば、相手を下に見ていることが考えられます。犬は本来リーダーの下で群れになって行動する動物です。ゆえに、家族の中でランク付けをする傾向があります。
基本は飼い主さんをリーダーと考えるでしょう。でも、家族のメンバーが何人もいる場合は、家族が各メンバーをどう扱うかを観察して、自分の位置を確認します。この時に、自分を子供より上の位置だと勘違いする犬は多いです。そのために、自分より下だと思っている子供の髪の毛を噛んでしまうことがあるのです。
犬に、きちんと家族での位置や順位を教えてあげる事は大切です。そうしないなら、下に見ている人の言うことを聞かなくなってしまいます。
遊びと勘違いしてる
髪の毛を噛まれた時のリアクションを見て、喜んでいると勘違いする犬もいます。一緒に遊んでもらっていると思って、ますます髪の毛を噛むこともあるでしょう。
飼い主さんがかまってあげる時間が少ない場合に、かまって欲しくて髪の毛を噛むこともあります。いずれにせよ相手のリアクションを楽しんでいるのです。この行動は特に子犬に多いので、小さいうちからしつけを始めることが大切です。
噛む癖がある
噛む癖がある犬は、相手を噛むことで気持ちを伝えようとします。その部位が、色々な場所から飼い主さんの髪の毛に変わっていって、髪の毛を噛むようになるわけです。
噛む癖がある場合は、相手を選ばず噛んでしまう可能性がすあります。怪我をさせる危険を避けるためにも、早めに噛む癖が直るように訓練してあげることが必要です。
助けようとしている
これは水の中限定の行動です。飼い主さんがプールなどで泳いでいる時に、溺れていると勘違いして、髪の毛を噛んで岸に連れて行こうとする場合があります。必死に髪の毛を引っ張って泳ごうとするでしょう。大好きな人を助けたい健気な気持ちからくる行動といえます。
犬が髪の毛を噛むのをやめさせるには?
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髪の毛を噛まれても特に痛いわけではないから、噛んできても問題ないと思う方もいるかもしれません。
もちろん、これは飼い主さんの自由です。しかし、飼い犬に髪の毛を噛む癖をつけてしまうと、そこから噛み癖がついてしまい色々な部位を噛んでしまう可能性もあります。そうなると、他の人に危害を加えてしまうことにつながってしまう危険もあることを覚えておくようにしましょう。
ゆえに、犬と長く楽しい生活を送るためにも、噛み癖がつかないようにしてあげることは大切だといえます。では、犬が髪の毛を噛むのをやめさせるにはどうしたら良いでしょうか。
過剰に反応しない
犬は相手が大きなリアクションをすると、喜んでいると勘違いします。大きな声で「やめて!」などと叫ぶと、喜んでくれていると思って、もっとやろうとするかもしれません。
ゆえに、犬が髪の毛を噛んできたら、無視してクールダウンさせることが大切です。あまりひどい場合は、ゲージに一旦入れることもできます。落ち着いたらきちんと褒めてかまってあげてください。おもちゃで遊んであげたり、おやつをあげたりすることもできます。
音を立てる
他にも、髪の毛を噛み始めた時に柔らかいものを上から落とすのも効きます。犬は音などに驚いて、噛むのをやめることでしょう。何回も同じことが続くと、髪の毛を噛むと嫌なことがあると学んで髪の毛を噛まなくなります。
どの訓練も根気が必要です。短期間では成果がでないかもしれませんが、自分と犬のために根気強く訓練してあげましょう。
犬との時間をきちんと取る
髪の毛を噛むという行動は、飼い主さんに寂しさを訴えていることの一つです。お留守番が多い犬は特に、飼い主さんに忙しくてかまってもらえないと、気を引こうとして髪の毛を噛んでしまうかもしれません。
犬を飼ったら責任を持って一緒に過ごす時間を作ってあげましょう。少しでもストレスを減らすことで、犬も安心して髪の毛を噛まなくなることでしょう。