柴犬にあらわれるM字眉
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眉部分にM字の模様がある犬を見たことはありませんか。「M字眉毛」と呼ばれており、特に柴犬に多く見られます。
見た目はとてもキュートでファニーなM字眉毛ですが、突然愛犬にM字眉があらわれたらビックリしてしまいますよね。
そこで今回は、M字眉毛があらわれる原因は何なのか、すべての柴犬にM字眉はあらわれるのか、M字眉は消えるのか、という疑問についてお答えしたいと思います。
M字眉毛があらわれる原因は柴犬の被毛にある
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柴犬にM字眉毛があらわれる原因の一つとして、「換毛期」や「毛の生え変わり」による影響が関係しているようです。では柴犬の被毛にはどのような特徴があるのでしょうか。
柴犬の被毛
柴犬の被毛は、「トップコート(外側に生えている硬い上毛)」と、「アンダーコート(内側に生えているやわらかい下毛)」の二重構造になっています。このような構造を「ダブルコート」といいます。
ダブルコートの柴犬は、年に2回春と秋の換毛期に毛が生え変わります。換毛期にアンダーコートがたくさん抜け落ちると、トップコートのみが残されます。このトップコートは、毛先と毛の真ん中部分、根元で色が異なります。毛先は赤、真ん中部分は黒(中黒)、根元は白の3色で分かれています
そのため、換毛期でアンダーコートが抜け落ちると、残されたトップコートの黒い部分(中黒)が浮き上がるように目立って見えます。これが、M字眉があらわれる原因です。
また、子犬の被毛から成犬の被毛へ生え変わる時期など、成長による毛の生え変わりでM字眉毛が突然あらわれる柴犬もいます。
眉毛以外にも黒い毛があらわれる部分
上で述べた黒い毛は、眉以外にも体のあらゆる部分に存在しています。そのため、換毛期には背中やおしり、しっぽの裏側にも黒い毛があらわれることがあるようです。
M字眉毛はあらわれなくても、他の部分に面白い模様があらわれている可能性があります。換毛期に愛犬の体をよく観察してみると新たな発見があるかもしれません。
どの柴犬にもM字眉はあらわれるの?
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柴犬の毛色は主に「赤色」「黒色」「白色」「胡麻色」の4種類です。しかし、すべての柴犬にM字眉毛があらわれるわけではありません。
M字眉毛があらわれるのは、柴犬で最も多いとされる「赤柴」と、赤・白・黒が混ざった珍しい被毛を持つ「胡麻柴」だけのようです。赤柴と胡麻柴は中黒の毛が出やすいためといわれています。ただし、赤柴でも、中には全く中黒の毛がないことがあります。その場合、M字眉はあらわれないようです。
黒柴はもともと黒い被毛で覆われているため、M字眉が描かれていたとしても、あまり目立ちません。黒柴はM字眉よりも「麻呂眉」があらわれることの方が多いようです。麻呂眉とは、両目の上にある茶色または白い斑点模様のことです。「まろ」や「四つ目」とも呼ばれており、黒柴の大きな特徴の一つとなっています。赤柴の中にも麻呂眉を持っている子がいます。
M字眉は消えるの?
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柴犬にM字眉があらわれたとしても、ずっと残るわけではありません。このM字眉毛は被毛の生え変わりが繰り返されたり、アンダーコートが生え揃うと、だんだん目立たなくなっていきます。
M字眉が消えるタイミングに関しては、個体差があるためはっきりとしたことは分かりません。また、幼犬期にはM字眉があったのに、成犬になると消えてしまったというケースもあります。
さらに、M字眉があらわれる柴犬でも、毎回同じ模様のM字眉があらわれるとは限りません。なぜなら、換毛の状況や気候などによって、模様のあらわれかたは異なるからです。
まとめ
柴犬にあらわれる「M字眉」についてご紹介しましたが、いかがでしたか。ダブルコートの柴犬は、換毛期になるとアンダーコートがたくさん抜けます。アンダーコートが抜けることで、残されたトップコートの黒い部分が浮き上がるように目立って見えるということが分かりました。
もし、換毛期や成長による毛の生え変わり時期に、愛犬の額にM字眉が突然あらわれたとしても心配しなくて大丈夫です。毛の生え変わりが繰り返されると、M字眉は次第に目立たなくなってきます。
M字眉毛はすべての柴犬にあらわれるわけではないので、もし愛犬にM字眉毛がある場合はラッキーかもしれませんね。
柴犬は抜け毛が多い犬種です。換毛期にはブラッシングを定期的にして、被毛ケアをしっかり行ってあげてください。