猫に桃を与えても問題ない?
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桃の果肉には水分が豊富に含まれています。私たちにとっても身近なフルーツの一つといえます。
暑い時期にはみずみずしい果物で水分を補給することで人間も癒されます。桃は、猫と一緒に楽しむことのできるフルーツの一つです。消化もとても良く、フルーツや野菜などを消化することを得意としない猫にとっても優しいフルーツといえます。
もちろん、与え方や与える量などに気をつける必要はありますが、猫と飼い主のコミュニケーションの材料として桃を一緒に食べることで、お互いの絆を強めることにもつながります。
猫に桃を与えてもいい量
猫に与えてもいい桃の量は、猫の年齢や体重によって異なります。それは、年齢によって消化器官の発達や老化の具合が異なるからです。また、年や体重によって必要な摂取カロリー量も異なります。ここでは、年齢別に猫に桃を与えてもいい量をご紹介します。
子猫の場合
年齢が12ヶ月未満の子猫の場合は消化器官があまり発達していない為、与えてもいい桃の量はほんの少しといえます。桃はとても糖分の多い果物です。子猫のうちからあまり糖分を取りすぎると、成長した時に肥満になりやすくなります。注意してください。
成猫の場合
年齢が12ヶ月から7歳までの成猫の場合は、大さじ1くらいの桃の果実が適量といえます。こちらも糖分には気をつけて与えてください。もし、基礎疾患を抱えているようなら与える量を減らしてください。
老猫の場合
年齢が7歳以上の老猫の場合は消化器官が既に衰えています。もともと肉食の猫は野菜や果物を消化する酵素をあまり持っていないので、老猫に桃を与える場合はほんの少しにとどめてください。老猫は糖尿病などを患っていることがあります。そのような猫には桃の糖分に注意して、量を調節して与えてください。
猫に桃を与えることで期待できる効果
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桃にはビタミンEが含まれており、抗酸化作用を期待できます。このビタミンEが不足すると、猫の場合は脂肪症や心筋炎のリスクが高くなるといわれています。桃を与えることによってビタミンEを補給することができます。
ビタミンCも多く含まれており、抗酸化成分として加齢や運動による酸化ストレスや、関節炎などに関連する病気の予防および治療に役立ちます。
他にも、桃に含まれるカリウムには身体の中の不要なナトリウムを排出する働きがあります。しかし、このカリウムは摂取しすぎるとカリウム中毒になることがあるので注意も必要です。
お茶で有名なカテキンが桃には多く含まれています。カテキンはポリフェノールの一種です。動脈硬化や心臓病、抗がん作用、糖尿病、アンチエイジングなどに効果があるといわれています。
また、桃は食物繊維が多く含まれていて整腸効果を期待できるので、便秘の解消にも役立ちます。
猫に桃を与える時の注意点
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桃の果実は猫にとって無害ですが、皮や種の部分には猫にとって有害な成分が含まれています。
桃はとても傷みやすい果物です。ですから、桃の皮の部分には防腐剤や農薬などが付着しています。これらは、水で洗ってもなかなか落とすことは難しいです。また、桃の皮は硬く消化にも悪いので、猫には桃の皮の部分は絶対に与えないでください。
桃の種には「アミグダリン」と呼ばれる化学物質が含まれています。アミグダリンはシアン配糖体の代表格であり、消化酵素などにより分解されると有毒の青酸塩が生じます。特に、子猫には注意が必要です。また、桃の種は大きく消化も悪いので、胃や腸に残って嘔吐や下痢、腸閉塞などを起こす可能性もあるので注意が必要です。桃の種の部分は絶対に与えないでください。
桃はとても糖分の多い果物です。桃を猫に与えすぎると糖分やリンの取りすぎになり、肥満や腎臓病になる可能性があります。
どんな猫にとっても安全な食べ物はありません。猫の中には桃にアレルギー反応を起こす猫もいます。初めて桃を与える時には少量を与えて、体調に変化がないかを見てください。少しでも嘔吐や下痢などの体調の変化や不調が見られた場合は、桃を与えるのをやめて、すぐに獣医師の診察を受けてください。
桃の缶詰や桃ジュースは与えても問題ない?
桃の缶詰やジュースなどの加工品には、砂糖や食品添加物、保存料などが多く含まれているので、猫には与えないでください。どうしても猫に桃ジュースを与えたい場合は、自家製のものなら与えることができます。その場合も砂糖や香料などを加えずに、自然のままのジュースを与えてください。