猫にあんこを与えても問題ない?
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あんこは、小豆などを砂糖で甘く煮詰めて練ったもののことで、主に和菓子に使用されます。あんこといっても、加工方法や製造方法、砂糖の使用量によって種類は様々です。主に小豆で作られたあんこが一般的ですが、他にも枝豆で作った「ずんだ」やグリンピースで作った「うぐいすあん」、白いんげん豆で作った「白あん」などがあります。
あんこの主な原材料である小豆には、猫にとって中毒となる成分は含まれていないので、基本的に猫に与えても問題ありません。小豆には、猫の健康をサポートする上でも欠かせない栄養素がたくさん含まれています。
しかし、猫に食べさせていいのは「無糖・無塩・無添加」のあんこだけです。また、与え方や与える量によっては、体調不良を起こす可能性があるので注意が必要です。
猫にあんこを与えてもいい量
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高い栄養価をもつ小豆ですが、体に良いからといって猫に与え過ぎるのはよくありません。猫にあんこを与える場合は、少量だけにしてください。
特に、小豆にはミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。しかし、これらの成分を過剰に摂取してしまうと、腎不全や尿結石、消化不良、下痢などを引き起こす可能性があるので、与える量には注意が必要です。
子猫の場合
生後12カ月未満で、体重が1kg未満の子猫の場合、消化器官機能が未発達なので特に注意が必要です。
ミネラルを多く含む食べ物を子猫に与えるのは、腎臓に障害を起こすリスクを高める可能性があります。ゆえに、わざわざ子猫にあんこを食べさせる必要はありません。
成猫の場合
生後12カ月~7歳、体重が3~5kgの成猫にあんこを与える場合も、与え過ぎには気をつけましょう。
健康な成猫でも、ミネラルや食物繊維を過剰摂取すると体調不良を起こす可能性があるので、毎日与える必要はありません。成猫にあんこを与えるときは、ごくたまに、ご褒美程度に少量与えるだけにしてください。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合も、子猫同様、消化器官機能が弱っている可能性があるので注意が必要です。
腎臓に疾患を抱えていたり、腎臓機能が弱っている老猫にあんこを大量に与えてしまうと、ミネラルの過剰摂取により症状を悪化させてしまう可能性があります。リスクを軽減させるためにも、老猫にあんこを与えることはやめた方が良いでしょう。
猫にあんこを与えることで期待できる効果
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あんこの原材料である小豆には、様々な栄養素が含まれています。例えば、小豆の皮に含まれている「サポニン」という成分は、血液をサラサラにする働きがあるので、動脈硬化の予防に効果があります。他にも、肥満予防やガン予防、むくみ解消、腎機能の改善などにも効果的です。
また、小豆には「ビタミンB1」や「ビタミンB2」などのビタミンB群も豊富です。ビタミンB群には、エネルギーを効率よく作り出す働きがあるので、疲労回復の効果が期待できます。
さらに、小豆は「食物繊維」も豊富で、その量はごぼうの3倍とも言われています。食物繊維は、腸内環境を整えてくれるので、猫の便秘解消に効果があります。
猫にあんこを与えるときの注意点
どうしても猫にあんこを与えたい場合は、小豆を柔らかく茹でただけのものか、市販のものであれば「砂糖不使用・無添加」の煮小豆を少量与えるだけにしてください。砂糖がたっぷり使用された人間用のあんこを猫に与えるのは、猫の糖尿病や肥満の原因となる可能性があるのでNGです。
また、小豆の皮部分は硬く、消化しづらいため、できれば皮部分を取り除いた「こしあん」を与えるようにしましょう。粒あんしか用意できない場合は、柔らかく茹でた小豆を細かく刻むか、すりつぶしてから猫に与えるようにしてください。
さらに、先ほども述べたように、小豆にはカリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。ミネラル類は、猫にとっても健康を維持するために必要な栄養素ですが、摂取し過ぎると腎不全や尿結石を引き起こす可能性があります。繰り返しになりますが、与える量には注意が必要です。
猫の中には、特定の食べ物にアレルギーを持つ子もいます。あんこを食べた後に、下痢や嘔吐などのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院に連絡し獣医師の指示に従ってください。
大福や羊羹は与えても問題ない?
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大福や羊羹など、あんこを使ったお菓子は猫に与えても大丈夫なのでしょうか。
猫に大福は与えるべきではありません。特にあんこを包んでいる餅生地は、のどに詰まりやすくとても危険です。また、大福に使われるあんこには、砂糖がたくさん含まれています。糖分の過剰摂取にもなるので、猫に大福は与えないでください。
羊羹にも砂糖が多く含まれているので、猫には与えないでください。猫が糖分を大量に摂取すると、肥満や糖尿病の原因となりかねません。猫の健康に悪影響を及ぼすことになるので、少量でも与えないようにしてください。