犬に菜の花を与えても問題ない?
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菜の花は、2月~3月にかけて旬を迎える春の食材です。食用の菜の花には、在来種と西洋種があるほか、コウサイタイなど中国野菜由来の新品種も栽培されるようになっています。
菜の花には様々な栄養素が含まれています。主な栄養素は、「βカロテン」「ビタミンB群」「鉄分」「カリウム」「リン」などです。
基本的に、犬に菜の花を与えても問題ありません。しかし、犬に菜の花を与えるときは、与え方や与える量に注意する必要があります。
犬に菜の花を与えてもいい量
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どんなに健康に良い食材であっても、与え過ぎは逆効果をもたらします。栄養素を上手に取り入れるためにも、「適量」をきちんと守って与えるようにしてください。
犬に菜の花を与える場合は、ドッグフードのトッピングや手作りごはんに少量混ぜて与えることができるでしょう。
犬に与えていい菜の花の量は、犬の体重や体の大きさによっても異なります。では、それぞれ体重別に「適量」を見てみましょう。
超小型犬の場合
超小型犬とは、体重が4kg未満の犬のことです。トイプードルやマルチーズ、ヨークシャテリア、豆柴といった犬種が人気です。
超小型犬に菜の花を与える場合は、1日15g~20g程度を目安にすることができます。愛犬の体重に合わせて量を増減してください。
小型犬の場合
小型犬とは、体重が10kg以下の犬のことをいいます。代表的な犬種として、ミニチュアダックスフンドやミニチュアシュナウザー、シーズー、パグなどがいます。
体重10kg以下の小型犬の場合、1日30g~60gが目安量となります。愛犬に初めて菜の花を食べさせる場合などは、この半分の量で良いかもしれません。
中型犬の場合
中型犬には、体重25kg以下の犬が含まれます。中型犬には、ウェルシュコーギーやボーダーコリー、ジャーマンピンシャー、フレンチブルドッグなどがいます。中型犬の場合は、70g~120g程度の量の菜の花を与えることができます。
大型犬の場合
体重が25kg以上の犬は大型犬の中に含まれます。シベリアンハスキーや秋田犬、セントバーナード、ドーベルマンなどを挙げることができます。
愛犬の体重が30kgの場合は130g~140g程度、体重40kgの犬には170g~180g程度を目安としましょう。
子犬の場合は注意が必要
子犬に菜の花を与える場合は特に注意が必要です。子犬は消化器官機能が未発達なので、子犬に菜の花を大量に与えてしまうと、消化しきれずに下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。子犬に菜の花を与えても問題ありませんが、与える場合は少量だけにしておきましょう。
犬に菜の花を与えることで期待できる効果
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菜の花には、「βカロテン」が豊富に含まれています。強い抗酸化作用があるβカロテンは、ガン予防や老化防止に効果があります。また、βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持、視力維持、そして喉や肺などの呼吸器を守る働きがあるとされています。
さらに、菜の花には「鉄分」が多く含まれています。鉄分は、全身に酸素を供給する働きをするので、貧血予防に効果的です。
加えて、「ビタミンB1」や「ビタミンB2」などのビタミンB群が菜の花には含まれています。ビタミンB群は、エネルギーの代謝を促進する働きをします。ビタミンB群が不足すると、体内の代謝がスムーズに行なわれないため、疲れやすくなります。特に運動量の多い犬には、積極的に摂取させたい栄養素の一つです。
犬に菜の花を与えるときの注意点
菜の花には、結石症の原因にもなる「シュウ酸」が含まれています。リスクを抱えないためにも、前に尿路結石になったことのある犬や、現在結石症を患っている犬には、菜の花は食べさせないでください。また健康な犬であっても、シュウ酸を摂取するのは体によくありません。シュウ酸の量を減らすために、犬に菜の花を与えるときは、生ではなく、必ず茹でたものを与えるようにしてください。
さらに、菜の花には「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。この成分は、甲状腺ホルモンを作る上で欠かせない「ヨウ素」の吸収を妨げてしまう性質があります。健康な犬であればあまり心配する必要はありませんが、甲状腺に疾患のある犬には菜の花は与えないでください。
犬によっては、菜の花にアレルギーを持つ子もいます。少しでも異常が見られる場合は、すぐに動物病院に連絡し獣医師に相談するようにしてください。
チンゲン菜や小松菜は与えても問題ない?
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菜の花以外にもアブラナ科の野菜は他にもあります。例えば、チンゲン菜や小松菜などは犬に与えても問題ないのでしょうか。
基本的には、少量であればどちらも犬に与えて大丈夫です。ただし、チンゲン菜や小松菜にも「シュウ酸」が含まれているので、生のまま与えることは避けてください。必ず茹でて「アク抜き」をしたものを、細かく切って与えるようにしましょう。加えて、醤油などで味付けすると塩分の過剰摂取になってしまうので、味付けして犬に与えるのはNGです。
また、上で述べた「ゴイトロゲン」の成分は、チンゲン菜や小松菜などにも含まれます。ゆえに、甲状腺に疾患がある犬には与えないでください。