犬にキシリトールを与えてはいけない理由とは
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キシリトールとは人工の甘味料のことで、砂糖と同じ甘さがありながらカロリーが抑えられるということで砂糖の代わりとしてよく使用されることがあります。キシリトールは虫歯の原因となる菌を抑制する働きもすることから、歯科用の製品にも使用されています。
キシリトールが使用されている具体的な製品としては、キシリトールガムやキャンディー、のど飴やタブレット、チョコレート、クッキー、歯磨き粉などが挙げられます。
犬にキシリトールを絶対に与えてはいけない理由は、キシリトールを摂取するとすい臓からインスリンの分泌が強く刺激され、急激な低血糖を起こしてしまうからです。それに伴い、急性の肝障害も起こしてしまう恐れがあります。
最悪の場合死に至るケースも報告されているため、犬がほんの少しでもキシリトールを摂取してしまうことがないように細心の注意を払うことが大切です。
犬がキシリトールを食べてしまった時の症状
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犬がキシリトールを摂取してしまった場合、具体的にどんな症状が見られることがあるのでしょうか。キシリトール中毒の症状として以下のようなものが挙げられます。
- 意識の低下
- 脱力
- 昏睡状態
- けいれん
- ぐったりしている
- 元気がない
- 嘔吐や下痢
- 運動障害
- 黄疸(おうだん)など
キシリトール製品が近くに置いてあって愛犬にこうした症状が見られる場合は、犬がキシリトールを摂取してしまった可能性があるかもしれません。
キシリトールによる中毒症状は摂取してから30分から1時間の間に見られる場合がほとんどのようですが、中には半日以上経ってから遅れて低血糖の症状が見られたという報告もあります。
犬に危険が及ぶ摂取量
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キシリトールの中毒量は犬によって個体差があるようです。ごく少量のキシリトールを摂取しただけでも中毒症状が現れた犬もいれば、同じ量を口にしても反応が見られなかったという犬もいます。
2007年から2012年の間にキシリトールを摂取した犬192例の調査を行ったアメリカの報告によれば、中毒量は犬により個体差があるものの、体重1kgの犬で0.1g以上の摂取は危険であるという数字が出ています。
この数字を基に、犬の体重や大きさ別にどれくらいのキシリトールが中毒量となり得るのかを取りあげてみたいと思います。しかしあくまでも報告に基づく数字であって、実際にどれくらいの量が危険になるかは個々の犬によって異なることを覚えておいてください。あくまでも参考程度にしておくことをおすすめします。
超小型犬の場合
超小型犬とはチワワやトイプードル、ポメラニアン、豆柴、マルチーズといった、体重が4kg未満の犬種を指しています。
体重1kgの犬で0.1gを中毒量とすると、超小型犬(体重1~3kg)はキシリトール0.1g~0.3gが危険量となり得ます。歯科用ガムに含まれるキシリトール含有率は1粒あたり約0.5gです。ということは、超小型犬がキシリトールガム1粒の半分食べただけでも危険!ということになります。
小型犬の場合
小型犬とは体重が10kg以下の犬のことをいいます。例えばパグやボストンテリア、シーズー、ミニチュアダックスフンド、柴犬といった犬種が小型犬に含まれます。
小型犬(体重5~10kg)がキシリトール中毒になり得る量の目安は約0.5g~1g前後です。キシリトールガム1粒食べただけでも危険であることが分かります。
中型犬の場合
中型犬に含まれるのはビーグルやパセンジー、ボーダーコリー、フレンチブルドッグや日本スピッツなど、体重が25kg以下の犬種です。
体重10~25kgの中型犬が危険量となり得るキシリトール摂取の目安は約1g~2.5gです。キシリトールガム2,3粒口にしただけでも、あるいはそれより少ない量でも危険です。
大型犬の場合
大型犬とは体重が25kg以上の犬のことで、レトリーバーやドーベルマン、セントバーナード、ボクサー、ラフコリーなどが含まれます。大型犬は約2.5g前後の範囲でキシリトール中毒になる危険が高まるといえます。
子犬の場合はさらに要注意
子犬は体重に関わらず、ごく少量口にしただけでも危険であると考えましょう。子犬は消化器官がまだ発達していません。ちょっとしたことで下痢や嘔吐などの消化不良を起こしてしまいますし、中毒症状にもなりやすいので細心の注意を払うようにしてください。
犬がキシリトールを食べてしまった場合の対処法
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犬が誤飲誤食しないよう気を付けることがいちばん大切ではありますが、万が一キシリトールを口にしたことが分かったならすぐにかかりつけの獣医師に連絡を取り、指示を仰ぐようにしてください。
キシリトールを摂取しても特に症状は出ていない場合もあるかもしれません。それでも自己判断で大丈夫と決めつけるのは危険です。ほとんどは30分程度で症状が現れるものの、半日から数日経ってから中毒症状が出たケースもあります。
「ほんのちょっと食べただけだから大丈夫」などと考えず、まずは獣医師に相談してください。その際に「いつどれくらいの量を口にしたか」「現在の症状はどうか」などを詳しく伝えることが大切です。その時の症状に合わせて、獣医師が応急処置のやり方や診察の有無などを教えてくれることでしょう。
チョコレートやブドウも与えてはダメ
犬に絶対に与えてはいけないと言われる危険度高の食品には、他にチョコレートやココアなどカカオが入ったものやブドウやレーズン、ネギ科の植物などがあります。これらはすべてキシリトールと同じように犬が摂取すると死亡する恐れがある危険な食材に分類されているので、ごく少量でも決して与えてはいけません。