犬に貝を与えてはいけない理由とは

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犬はもともと貝類をうまく消化できる酵素機能を持っていません。それで、貝類を食べると嘔吐や下痢などの消化不良を起こしてしまうことがあります。
特に加熱していない生の貝類は毒を持っていることもあり危険です。また、生の貝には神経機能を保つ「ビタミンB1(チアミン)」を分解させてしまう「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。一度に大量に摂取したり摂取し続けたりするとビタミンB1欠乏症になり、食欲低下や運動困難、昏睡状態などの神経に影響を与えてしまう恐れがあります。
犬が特に食べてはいけないと言われている貝類には以下のようなものがあります。
- ツブ貝、バイ貝―中毒成分が含まれる
- かき、赤貝など―内臓の部分に貝毒が含まれるので、加熱しても危険
- あわび、サザエ貝、トコブシ、トリ貝など―貝類の中でも特に高い毒性を持つと言われる
アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)では、アワビはアルコールやカフェインと同じ「危険度中レベル」(摂取量や状況によっては危険度が高まる食材)に含まれており、その他の貝類もナッツ類や生卵などと同じ「危険度低レベル」(適量であれば問題ないが、過剰に摂取すると危険な食材)に指定されています。
貝ひもや貝柱を使用した犬用のおやつを適量与える分には、タウリンなど必要な栄養素を摂取できることにもつながり問題はありませんが、与え過ぎないように注意が必要です。
アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)犬が貝を食べてしまった時の症状

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犬が貝を大量に食べてしまった場合、あるいは貝の毒により中毒を起こした場合、以下のような症状が見られることがあります。
- 下痢や嘔吐
- 腫れやかゆみ
- 光線過敏症
- 脱毛
- 皮膚が荒れる
- 食欲不振
- けいれん
- 昏睡状態
貝が近くに置いてあってこれらの症状が見られる場合は、犬が貝を食べた可能性があるかもしれません。
犬に危険が及ぶ摂取量

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貝類のほとんどは食べてはいけない食材に分類されているものの、ちょっとの量を口にしてすぐに中毒症状を起こしてしまう危険があるわけではありません。食べ過ぎや過剰摂取すると危険な食材に分類されているので、適量であれば問題はありません。
ではどれくらいが危険なのかということになりますが、犬に危険が及ぶ貝類の摂取量は明確には定められていません。犬の体重や体の大きさ、犬種や年齢に関係なく注意する必要があります。つまり、大量の貝類を食べても何の異常も見られない犬もいれば、ほんの少しの貝類を口にしただけで下痢や嘔吐など何らかの体調の異常が見られる犬もいるということです。
ですから犬の大きさや体重に関わらず、一度にたくさんの貝類を与えたり、日常的に与え続けたりすることはしないように注意しましょう。特に、貝類の中でも危険ランクに含まれている種類は与えないでください。
貝を誤って口にしてしまった事例や口コミ
飼っている犬がほっき貝を食べてしまいました。調べてみると、犬が食べてはいけないものに貝も入っているみたいです。今は特に吐いたりせずにいつも通りの様子で症状のようなものはでていません。出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1248024877?query=
この犬は1年前に玉ねぎを食べてしまって血液の透析をした経験があるので胃は弱くなっていると思います。明日の朝様子を見ますが、元気でも念のために病院で診てもらったほうがいいでしょうか。
子犬の場合はさらに要注意
子犬を飼っている場合は特に、子犬が貝類を誤って口にしてしまわないよう注意が必要です。子犬は消化器官がまだきちんと発達していないので、ちょっとの量でも下痢や嘔吐などの消化不良を起こしてしまう恐れがあります。たとえ少しなら与えて問題ない貝類であったとしても、子犬にわざわざ与える必要はないと言えるでしょう。
犬が貝を食べてしまった場合の対処法

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犬が一度にたくさんの貝類を食べてしまったとか、ちょっと目を離したすきに飼い主が食べようと思って置いていた貝類を犬が食べてしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。
貝類を少し食べただけでは上記で取り上げたような中毒症状を起こす危険は低いので、焦って行動しないようにしましょう。特に無理に吐かせようとするのは、胃腸を傷つけたり、愛犬に余分のストレスを与えてしまったりしかねないのでやってはいけません。
まずはかかりつけの獣医師に連絡を取り、指示を仰ぐようになさってください。「いつ」「どれくらい」の量の貝類を食べたのか、どの種類の貝を食べたのか、食べた後の愛犬の健康状態、年齢や犬種、病歴などより詳しく伝えるようにします。そうすれば早めの処置につながることでしょう。
犬によっては貝類にアレルギーを持っている場合もあります。愛犬が貝アレルギーの場合は、食べた量や種類に関わらずすぐに獣医師に相談するようにしてください。
イカやタコも与えてはダメ
イカやタコにも犬にとって危険成分となり得る「チアミナーゼ」が含まれています。イカやタコも貝類と同じように過剰に摂取すると危険な食材に含まれているので、与えない方が良いでしょう。
チアミナーゼは加熱すれば活性化しなくなると言われていますが、だからといって加熱すれば与えていいわけではありません。犬は貝類と同じようにイカやタコを消化するのが得意ではないので、たとえ加熱したものでも与えない方が良いといえます。