犬にグレープフルーツを与えても問題ない?
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ビタミンが豊富で水分補給にも最適なグレープフルーツは、日本では1年中手にすることができる手軽なフルーツとして人気があります。美容や免疫力を高める目的で、日ごろから積極的に取り入れている方も多いことでしょう。
犬はグレープフルーツも含め柑橘類が苦手だといわれてはいますが、時には食べたがる犬もいます。もしご家庭の愛犬が健康体で、何か特定の薬を飲んでいるのでない限り、グレープフルーツを与えても問題はないでしょう。
しかし投薬中の犬には注意が必要です。なぜなら、グレープフルーツはいくつかの薬剤の作用に影響を与えてしまうことがあるからです。その点を踏まえた上で、犬にグレープフルーツを与える場合にどんな点に注意すると良いのか、与えることでどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
犬にグレープフルーツを与えてもいい量
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犬に与えていいグレープフルーツの「適量」はどれくらいなのでしょうか。まず基本的な点として、どんな食材であっても与える時はおやつやドッグフードのトッピング程度の量にすべきであることを覚えておきましょう。
なぜなら、犬は基本的な栄養素はドッグフードだけでまかなうことができるからです。特にグレープフルーツは糖質も多く含まれているので、与え過ぎは肥満の原因にもつながります。
一般に副食を与える際の目安は、1日の摂取量の10~20%以内と言われています。これをもとに、犬にとってのグレープフルーツの適量はどれくらいなのか、犬の体重別に見ていきましょう。
超小型犬の場合
超小型犬とは体重が4kg未満の犬を指します。例えばチワワやトイプードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどがその中に含まれます。
体重が4kgの成犬とした場合、1日の給与量が100~120g前後なので、この20%以内となるとグレープフルーツの適正量はだいたい20g前後ということになります。
小型犬の場合
小型犬は体重が10kg以下の犬が含まれます。パグやパピヨン、マルチーズ、ミニチュアダックスフンドなどを挙げることができます。
体重が10kgの成犬の場合、1日の給与量がだいたい200~240g前後になるので、与えることができるグレープフルーツは40g前後になります。
中型犬の場合
中型犬とは体重が25kg以下の犬のことをいいます。ウェルシュコーギーやフレンチブルドッグ、ボーダーコリー、スタンダードシュナウザーなどが中型犬の代表犬種として挙げられます。
中型犬の給与量の目安は体重が22kgの犬で350~430g程度です。ですから与えていいグレープフルーツの量は70~80g前後と覚えておけます。
大型犬の場合
大型犬とは体重が25kg以上の犬のことです。ラブラドルレトリバーやゴールデンレトリバー、シェパード、ドーベルマンなどを代表的な犬種として挙げることができます。
体重が28kgの大型犬で、1日の給与量は430~520g程度です。その20%以内なので80~100g前後のグレープフルーツを与えることができます。
しかしグレープフルーツは糖質が多いので、どの体重の犬種も「適正量」よりももっと少ない量で十分といえるかもしれません。
子犬の場合は注意が必要
子犬にグレープフルーツを与えてはいけないということはありませんが、子犬に食べさせる場合は特に注意が必要です。なぜなら、子犬は消化器官がまだ完全に発達していないため、ちょっとしたことで下痢や嘔吐といった消化不良を起こしやすいからです。
グレープフルーツは少量与える分にはもちろん問題はありませんが、アレルギーや消化不良につながるリスクもある食べ物です。そのことを考えると、わざわざ子犬に食べさせなくてもよいと言えるでしょう。
犬にグレープフルーツを与えることで期待できる効果
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では、犬にグレープフルーツを与えた場合のメリットについても考えてみましょう。少量を正しい仕方で食べさせれば、さまざまな効果を期待することができます。グレープフルーツにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
ビタミンC
グレープフルーツといえば、やはりビタミンCが挙げられます。グレープフルーツには100gあたり36mgのビタミンCが含まれています。
犬は体内でビタミンCを生成できるので、必ずしも必要な栄養成分なわけではありませんが、激しい運動をした後やストレスを感じている時はビタミンCが減ってしまうこともあるので補うことができます。免疫力アップや抗ストレス効果を期待できます。
ペクチン
ペクチンには食物繊維の消化を補う働きがあります。それで、便秘気味な犬にグレープフルーツを他の食材と一緒に与えると良いでしょう。
リモネン
リモネンは柑橘類に多く含まれる成分ですが、脂肪燃焼に効果があると言われています。大量に摂取すると中毒症状の原因を引き起こす成分ですが、少量与えてダイエットに利用してみるのも良いでしょう。
犬にグレープフルーツを与えるときの注意点
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犬にグレープフルーツを与える際には皮を必ず取り除いてからあげるようにしましょう。グレープフルーツの分厚い皮は、消化不良の原因となりかねません。
また、投薬中の犬に与えてしまうと薬の作用に影響を与えてしまうことがあるので、与える前に必ず獣医師に相談するようにしましょう。
グレープフルーツにアレルギー反応を示す犬もいます。初めて与える時はごく少量からスタートするようにし、もし何らかの体調の変化が見られたならすぐ病院に連れていくようにしてください。
グレープフルーツジュースやグレープフルーツアイスを与えても問題ない?
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市販のグレープフルーツジュースやアイスには、たいていたくさんの砂糖が含まれています。犬にとっては肥満や糖尿病の原因となるので、絶対に与えてはいけません。
100%ジュースであっても砂糖や香料が使用されている場合があります。必ず原材料を確認するようにしてください。