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猫同士に上下関係ってある?意外な関係性や飼い主の責任について解説します


猫同士に上下関係ってある?

キャットタワーで遊んでいる二匹の猫

Africa Studio/shutterstock.com

猫を複数飼育していると、猫同士の関係が気になるものです。時には明確な上下関係が見えることもありますが、そう見えないこともあります。

自由で単独行動の多い猫ですが、猫の世界にも関係性というものがあるのでしょうか?人間には人間社会があって、互いに複雑な関係を築くものです。当然人間と猫の社会は異なっていますから、猫の正しい状態や関係性を知るには、猫社会における上下関係がどのようになっているかを知っておく必要があります。

今回は、猫の上下関係を詳しくご説明します。猫の上下関係を簡単に説明するとともに、上下関係の見分け方や、猫の上下関係は多頭飼いしている飼い主さんにとって必要なものなのかどうかという点についても考察したいと思います。また、猫同士がうまくやっていくために、飼い主さんがどんなスタンスでいるべきかもお伝えします。

猫の間の関係性は様々

猫を観察していると、確かに上下関係のようなものがあると思うのではないでしょうか?多頭飼いしている人であれば、その様子が分かるはずです。2匹飼っているのであれば、明らかに片方の方が強くて、優位に立っているように思えることが多いでしょう。

完全な上下関係があると思えば、そうでない関係を培っているグループもあるので不思議に感じるかもしれません。上下というよりは、家族や兄弟のように非常に仲が良い場合もあります。

また、それ以外の反応もあります。上下関係が互いにはっきりしているものの、通常同じ家で飼っている猫は、同じグループの仲間であることには違いありません。しかし猫によっては、同じグループに属しているとは言えないほど敵対している場合があります。相手に対して明らかに敵意をむき出しにして威嚇したり攻撃したりするのです。

猫の上下関係は人間の上下関係とは全く違いますし、同じペットとしてポピュラーな犬の上下関係とも異なっています。

猫の上下関係はぼんやりしている

では、いったい猫の上下関係とはどんなものなのでしょうか?猫の上下関係はかなりぼんやりとしたものであることを知っておかねばなりません。犬のように明確に上下が分かるものでもありませんし、実際に上下関係が必ずあるわけでもない場合が多いのです。

猫たちは親愛の情を示す「親和行動」を示すわけでもなく、敵に対する「敵対行動」を示すわけでもない相手に対して上下関係を築くことがあるようです。つまり、家族のようにとっても仲が良いわけでもなく、敵として扱うほどでもない相手に対して、なんなくどちらかが上位であるかを示すのです。

なんともぼんやりとした上下関係ですが、自由かつ群れでなく、単独行動を好む猫だからこそ、このような関係性を作るのかもしれませんん。

猫の上下関係の見分け方

ケンカしている二匹の猫

karamysh/shutterstock.com

猫の上下関係の見分け方は簡単です。まずは猫にとって相手が親和関係にあるか、敵対関係にあるかを測るようにしましょう。

親和関係にある猫同士は、お互いに一緒に過ごすことが多いようです。一緒に寝たり、グルーミングをしあったり、身体を擦り付けあったりします。お互いにじゃれ合ったりするなど、見るからに仲が良い関係であることが分かります。

親和関係にあるかどうかは、観察してすぐに分かるものです。親和関係にないことがわかったなら、次は敵対関係にあるかどうか見極めましょう。

敵対関係にある猫同士は、目を合わせるだけで互いに威嚇しあいます

それぞれの猫の様子を観察してみてください。瞳孔を開いて爪をむき出しにするでしょうか?身体を大きく見せて相手を威嚇するでしょうか?喧嘩に発展することもあります。

絡み合って噛みついたりひっかいたりするかもしれません。本気のケンカは相手にケガを負わせるほどのものですから、とてもわかりやすでしょう。多頭飼いしている猫がこのような関係にならないことを願うしかないですね。このように敵対関係もすぐに見て分かります。

親和関係にもなく、敵対関係にもない場合は、お互いがなんとなくの上下関係を築いていることが多いです。行動をよく観察するなら、どちらが上位にいるのか判断出来るでしょう。

猫には上下関係が必要なの?

ここまで考えてくると、猫の上下関係はかなりぼんやりしたもので、その必要性を疑う人も多いのではないでしょうか?犬にははっきりとした上下関係が必要ですが、猫には必要なのでしょうか?

結論から言うと、別に必要ではありません。そもそも猫には上下関係より深い関係である親和関係があります。お互いに家族のように愛し合って気遣い合うような関係です。そこに無理やり上下関係をもってこなくてもいいのです。

上下関係がある場合も、それがどちらかにとって都合が良い場合があるからです。縄張りなどを主張したりするためにそうしているのであって、猫自身がそこまで上下関係にこだわっていないように思えます。

猫の本質はあくまでも「単独・自由」です。小さい頃は家族に守られてグループで生活していたかもしれませんが、大人になると独り立ちして、自分だけで過ごします。

自分の縄張りをもったり、誰かと敵対したり、仲良くなったりしますが、上下関係はぼんやりとした立ち位置にあります。

仮に多頭飼いしている猫たちの間に上下関係がないとしても心配しなくてもいいでしょう。秩序が乱れているのであれば、多少の上下関係を教えてあげても良いかもしれませんが、効果はそこまで高くないと思われます。

もし自然と上下関係を築いている猫たちがいて、それが大きなトラブルに発展したり、どちらかがストレスを抱えているのであれば注意してください。

これから、上下関係にある猫同士に生じる序列行動をご紹介します。優位にある側と劣位にある側では、仕草や行動、態度に大きな違いがみられますから、観察のポイントを抑えていればすぐに見分けられるでしょう。

優位にある猫の序列行動

追いかけっこしている二匹の子猫

Eric Isselee/shutterstock.com

猫の上下関係において、優位にある側は以下のような行動をすることが多いです。劣位にある側に対してそのようにします。

追いかける

劣位にある側を追いかける場面を見たことがあるかもしれません。もちろん、本気で追いかけているわけではないのですが、ちょっかいをかけるような、もしくは脅すかのような仕方で追いかけるのです。

威嚇する

劣位にある猫に対して威嚇することもあるでしょう。猫が近づいてきたときに口を大きく開けて目を見開いて「シャー」と声を上げるのです。相手の猫はビックリしてその場から離れてしまいます。威嚇した側は満足したかのようにその場所に居座っているはずです。

ただこの威嚇は敵対している相手に比べるとかなりソフトです。敵対関係にないことはわかるのですが、明らかな上下関係が見えます。

見つめる

威圧するかのようにジッと見つめることもあります。「近くに寄るなよ」「なんだよ」とでもいいそうな雰囲気を出しながら、相手の猫を見つめます。大抵の場合、見つめられた猫はいたたまれなくなってどこかに逃げていきます。

攻撃する

劣位にある猫に対して軽い攻撃をすることもあります。いわゆる猫パンチのようなものです。本気で噛みついたりひっかいたりするのではなく、あくまでも自分の優位を示すかのようにそうするのです。フェイント攻撃することもあり、攻撃というよりも嫌がらせに近いものかもしれません。

自分優性

優位にある猫はいつも堂々としています。自分が歩きたい場所をとおり、自分が寝たいところで寝ます。劣位の猫がいたとしても、相手がその場を離れるのが当然かのように行動します。自分優性である態度を崩さないのが特徴です。

劣位にある猫の序列行動

ベッドの下に隠れている猫

Africa Studio/shutterstock.com

劣位にある側も上下関係にあるのがはっきりと分かるような態度や行動を示します。飼い主さんは劣位にある側がストレスを感じないか見守る必要があるでしょう。

追いかけられる

優位にある猫から追いかけられます。本気ではないので、ちょっと走り出すとすぐに止めて元の場所に戻ります。

追いかけられた方は、しばらく逃げ続け、部屋の端っこにまで追いやられます。何度かそのような追いかけっこが続くと、劣位にある猫は優位にある猫に近づこうとしなくなります。

同じ空間で過ごせない

上下関係にある態度がかなり目立ってくると、劣位にある猫は優位にある猫を避けて生活するようになります。上下関係がかなりきつくなると、同じ空間で過ごすことも少なくなります。

優位にある猫は飼い主さんに可愛がってもらったり、同じ空間でくつろいでいるのですが、劣位にある猫はその場所に合流できません。いつも違う場所で静かにしていることが多いのです。

目線を合わせない

優位にある猫が劣位にある猫を睨むのですが、睨まれた方は、睨み返すことが出来ません。目線を合わせないように避けるのです。人間でもありそうなほど自然な仕草を見せてくれます。しばらくすると、劣位にある側は目線に耐え切れなくなりその場を離れるでしょう。

攻撃される

ケンカほどではないのですが、いつも攻撃される側は劣位だと言えるでしょう。よく観察していると、追いかけられたり攻撃されたりするのはいつも同じ猫です。

相手優先

優位の猫優先の生活パターンが染みつくようになります。堂々とした優位の猫とは対照的に、優位の猫がいる場所では生活せずに、相手優先で自分の居場所を変えます。全体的におどおどとした雰囲気も醸し出すようになります。


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