老猫に補助階段を用意してあげよう
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猫を長年飼育していると、猫の変化には敏感になるものです。いままで身体の様子や行動には変化が表れます。とくに老化は大きな影響を与えるものです。老猫になると身体能力は衰えるため、ちょっとした段差も移動できなくなるかもしれませんね。
そんな老猫の必要に合わせて補助階段を設置するよう検討できるかもしれません。老猫が生活しやすいようにどんな補助階段を選んであげることができるでしょうか。今回は老猫のための補助階段について考えます。
だんだんと身体能力が衰える
猫の平均寿命は15年と言われています。この数字は数年前に比べてもかなり変化してきました。以前はもっと平均寿命は低かったのです。猫の飼育に関する正しい見方が広まったことや、動物医療が一般的になってきたからでしょう。
私たちにとって猫の寿命が延びるのは嬉しいことですね。ギネス記録によると、最長時寿命は38歳とも言われています。そこまで生きることは無くても、20歳越えになる猫は増えてきているのです。
もちろん寿命が延びたからといって、猫の身体が衰えていくことを抑えることはできません。長く生きれば生きるほど、身体能力の低下を上手にフォローしてあげなければいけないでしょう。
愛猫にいつまでも健康でいて欲しいのであれば、どのように身体能力の低下をフォローできるのかを考えていたいものです。例えば、猫の筋力の低下についてはどうでしょうか。
老猫になると筋力が低下します。筋力の低下はいままでの軽やかな動きを奪うものとなります。歩き方も弱々しくなりますし、ひとつひとつの動作に時間がかかってしまいます。当然のようにできていたことも難しくなるでしょう。
具体的にどのようなことができなくなるのでしょうか?
段差を移動できなくなる
老猫は筋力低下や関節の消耗によって、段差を移動できなくなることがあります。
猫たちにはお気に入りの場所があるものです。飼い主のにおいのついたベッドでしょうか?または触り心地のいいソファーかもしれません。または猫専用にしている小さな椅子かもしれません。
いままでは軽やかに、そうしたお気に入りの場所へ飛び乗っていたものです。他の場所に移動する時も軽やかにジャンプして、何事もなく着地してきました。しかし、老猫になってしばらく経つとそのようなことは出来なくなります。
身体が弱ってきた最初のほうは、ただ単に降りるときに少し躊躇するような時間が生まれるだけかもしれません。しかし、徐々にその時間が長くなり、ついには降りることが出来なくなるのです。自分の力ではお気に入りの場所にジャンプすることも、降りることも出来なくなるのです。
お気に入りの場所の前で、飼い主に助けを乞うようにニャーニャーと鳴いている場面を見かけるかもしれません。なんとも寂しい気持ちになるものですね。できるなら最後まで自分の力で上らせてあげたいものです。
老猫にどうにか頑張ってもらう方がよいのでしょうか?筋肉を衰えさせないためにもフォローしないほうが良いのでしょうか?実は、それはとても危険な結果に繋がることがあります。
ケガに繋がる場合もある
老猫が出来なくなったことをフォロー無しで行わせようとするとどうなるでしょうか?老猫は無理をしてしまう可能性があります。安全に着地するための筋力がないにもかかわらず、段差がある場所から飛び降りてしまうことがあるのです。
その結果、老猫はケガをしてしまうかもしれません。老猫になると、筋力だけでなく骨の強度も弱くなっています。若い時には何でもないような衝撃でも、すぐに折れたりヒビが入ってしまったりするのです。
老猫でケガしてしまうと治りも遅く、行動がさらに制限されるようになります。そうなると、弱っている筋力が一気に衰えることにも繋がりかねません。
こうした危険を避けるためにもフォローは必要だと思われるでしょう。
補助階段というフォローは大切
高所から降りたり、高所へ上ったりするときにはフォローが必要です。どのようにそうできますか?
それは「補助階段」を活用することです。「補助階段」とは、猫が段差のある場所に上るための階段の事です。補助階段を設置することで、猫はジャンプすることなく希望の場所へと昇り降りできるのです。
老猫の活動範囲に補助階段を設置してあげるだけで、ケガのリスクは大幅に減らせるでしょう。さらに、お気に入りの場所に自分で好きな時に移動できるので、楽しくて穏やかな老後生活を送ることが出来るのです。皆さんの愛猫が高齢なのであれば、補助階段の設置を考慮してあげてください。
ただ「どんな補助階段がいいのだろう?」という疑問を抱く人も多いはずです。続く項目で、皆さんのそうした疑問にお答えしたいと思います。