飼いやすい猫の種類は状況によって異なる
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猫を飼いたいと思っていても、「お世話が大変ではないか?」、「一人暮らしでも猫を飼って大丈夫か?」など、様々なことが心配になり、躊躇している人も少なくありません。
それで、初めて猫を飼おうと考えている人の多くは、初心者でも飼いやすい猫を探すことが多いようです。しかし、一言で「飼いやすい猫」と言っても、その人にとって本当に飼育しやすいかは、生活環境やライフスタイルなどによって大きく異なります。
例えば、大人しい性格でも寂しがり屋の猫の場合、いつも家にいることが可能な人であれば飼育しやすいと感じるかもしれません。しかし、一人暮らしで家を留守にすることが多い人にとっては、飼うことが難しい猫になってしまいます。
このように、ある人にとっては飼育しやすいと感じる猫であっても、別の人にとっては飼うことが難しい場合があります。
この記事では、そうした点を考慮して、いくつかのタイプに分けて、どんな猫が飼いやすいのか、飼いやすい猫の選び方について解説していきたいと思います。
一人暮らしをしている人にとって飼いやすい猫
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一人暮らしをしている人にとって、猫を選ぶ時の重要なポイントは、お留守番ができるかという点です。寂しがり屋の猫ちゃんの場合、一人でお留守番をさせられることが多くなると、ストレスを感じてしまいます。
寂しさやストレスゆえに、おしっこなどをトイレ以外の場所でしていたり、物を噛みちぎるなどのイタズラをする猫ちゃんもいます。
それで、一人暮らしの人にとっては、自立心が強く、一人で過ごすのが平気な猫ちゃんが飼いやすいでしょう。
お留守番が得意な猫ちゃんについて
では、一人でもお留守番ができるおすすめの猫ちゃんをご紹介します。
1.「ブリティッシュショートヘア」
「ブリティッシュショートヘア」は、とても賢くて穏やかな性格をした猫ちゃんです。かつてイギリスにおいて、ネズミ駆除を行うために飼育されていたという歴史があることからも分かるように、狩猟能力の高い猫です。
自立心が非常に高く、あまり飼い主にかまわれることを好みません。そのため、他の種類の猫と比べると、一人で留守番をさせても、ストレスを感じにくい性格をしています。静かな環境を好むタイプなので、大家族で元気な子供たちの多い家庭での飼育は適しません。
2.「エキゾチックショートヘア」
「エキゾチックショートヘア」は、「ペルシャ猫」と「アメリカンショートヘア」を交配してつくられた品種です。
「エキゾチックショートヘア」はおとなしいタイプの猫ちゃんです。「ペルシャ猫」の性格に似ているため、非常にマイペースな性格をしていて、あまり飼い主がかまってあげられなくても問題なく生活できます。
家を清潔に保ちたいタイプの人にとって飼いやすい猫
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ペットを飼うと、家の中が汚れやすくなります。猫ちゃんの場合には、ワンちゃんと比べるとトイレのしつけは簡単なので、トイレの失敗は少ないようです。また、基本的に猫ちゃんは奇麗好きで、清潔な生活環境を好みます。
そのため、犬を飼う場合と比べれば、猫ちゃんを飼うことによって家が汚れることは少ないようです。しかし、抜け毛は別です。
猫ちゃんを飼うと、部屋の中に抜け毛が溜まります。こまめに掃除を行わないと、ハウスダストなどと一緒に、吸い込んでしまう場合があります。結果として、猫の毛が体調に悪影響を及ぼしてしまうという可能性があります。
特に、アレルギーや喘息などの持病を持っている場合、他の人と比べてより清潔な生活環境を維持する必要があります。そうした人にとって、抜け毛が少ない猫の方が飼いやすいでしょう。
また、抜け毛が多いタイプの猫は、被毛の健康を保つために「トリミング」などをしっかり行う必要があります。それで、猫ちゃんのお手入れになれてない人には、飼育が難しくなります。
どんな猫ちゃんが抜け毛が多いのか
一般的に、猫の毛が抜けやすいかどうかは、被毛のタイプによって区別することができます。猫ちゃんには、「シングルコート」と「ダブルコート」という、2種類の被毛のタイプがあります。
「ダブルコート(二重毛)」の猫ちゃんには、「アンダーコート」と「オーバーコート」という二つの毛があります。一方、「シングルコート(単毛)」の猫ちゃんには、片方しかありません。
「アンダーコート」には、冬の時期に体温を守ったり、保湿したりする働きがあります。「オーバーコート」には、皮膚を守る役割があります。
「シングルコート(単毛)」の猫ちゃんには、「アンダーコート」の機能が優れた被毛だけを持っているタイプと、「オーバーコート」の機能に優れた被毛だけを持っているタイプが存在します。
猫ちゃんは季節の変わり目に毛が生え変わるため、抜け毛が多くなります。特に、春になって気温が暖かくなってくると、体温を保っている「アンダーコート」が抜けるので、一年のうちで最も抜け毛が多くなります。
そうして点を考えると、「ダブルコート」の猫ちゃんや、「アンダーコート」の機能が優れた被毛を持っている「シングルコート」の猫ちゃんは、抜け毛が多い猫と言えます。
良くある勘違いとして、長い毛を持っている猫ほど毛が抜けやすいと考えている人もいますが、長毛種の猫が必ずしも抜け毛が多いわけではありません。
抜け毛が少ない猫ちゃんについて
では、抜け毛が少ないおすすめの猫ちゃんをご紹介したいと思います。
1.「オシキャット」
「オシキャット」は、ヒョウ柄模様の「シングルコート」の被毛を持っている猫ちゃんです。サテンのような滑らかな手触りの被毛をしています。短毛種であり、光沢のある細かい毛が特徴です。
性格はとても人懐っこいタイプであり、飼い主について回ることが多いようです。運動量も豊富であり、飼い主と一緒に遊ぶことを好みます。家にいる時間が長く、いつも猫と一緒にいたいという人にピッタリの猫です。
非常に賢い猫で、ワンちゃんのように投げたものを咥えて飼い主のところに持ってきたり、名前を呼ぶと鳴いて返事をしたりすることもあります。見知らぬ人に対しても警戒心が薄く、社交性の高い猫です。
2.「ボンベイ」
「ボンベイ」は光沢のある黒い被毛が特徴です。「ダブルコート」の猫ちゃんですが、比較的抜け毛が少なく、飼いやすい猫ちゃんです。しかし、「ダブルコート」なので、換毛期には抜け毛が多くなります。
短毛種なので、ブラッシングが簡単で、被毛のお手入れがしやすい猫ちゃんです。基本的には黒色の被毛を持っていますが、稀にブラウンの被毛を持っている「ボンベイ」も生まれることがあります。
「ボンベイ」の性格は、非常に親しみやすく、子供たちも含めて家族のみんなと仲良くすることができます。それで、小さいお子さんがいる家庭でも安心して飼育することが可能です。