猫はご飯をだらだら食べることがある
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猫の食事の仕方に困ることってないでしょうか?「なかなかごはんを食べてくれない」「いつもごはんを残す」「だらだらと食べていて、いつも途中でどこかに行ってしまう」などの問題を抱えている飼い主さんもおられるかもしれません。
それら「猫のだらだら食い」はどうして起こるのでしょうか?また、だらだら食いをやめさせるにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は猫のだらだら食いについて、その要因や対処法などをご紹介したいと思います。
猫のだらだら食いって?
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猫にとって食事は1日の中でも楽しみな時間のはずです。大抵の猫たちは食事が好きですし、美味しそうにごはんを食べてくれるものです。
しかし、ある猫たちはあまり美味しそうにごはんを食べてくれません。時間をかけつつ、だらだらと食べ続けるのです。与えたごはんを食べきらずに食事を終えてしまうことも多いのです。猫の中にはやせ細っているのに、だらだら食いして少量しか食べない子もいるのです。
どうしてこのようなだらだら食いをするようになるのでしょうか?基本的な猫の食事スタイルとだらだら食いの違いから原因を探ってみましょう。
猫の一般的な食事スタイルとは?
猫の一般的な食事のスタイルとはどんなものでしょうか?
大抵の猫たちの食事スピードは非常に早いです。「ガツガツ食べる」という表現がピッタリな猫も多いのではないでしょうか?食事のスピードがはやいのは、噛む時間が短いからです。口の中に入れて多少噛んだ後はそのまま飲み込んでしまうことが多いのです。
あまりにも早すぎるのは問題ですが、多少早いくらいであれば気にする必要はありません。食事の時間を楽しんでいる姿は、飼い主さんにとっても幸せな時間ですよね。
猫のだらだら食いとは
通常の猫の食べるスピードは速いものです。しかし、猫のなかにはだらだらと時間をかけて食べる子たちがいます。明らかに食べるスピードが遅いですし、食べる量も多くありません。だらだらと美味しくなさそうにごはんを食べるのです。
猫の中には徐々にだらだら食いになる子もいます。そうなると飼い主さんも心配になってしまいますよね?「最初はあんなにも美味しそうに食べていたのに、どこか悪いのだろうか?」と考えてしまいます。
猫の食事のスタイルがこうも違うのはどうしてでしょうか?猫がだらだら食いするようになるのはどうしてでしょうか?次の項目で考えましょう。
猫がだらだら食いするようになるのはどうして?
猫がだらだら食いするのは、猫の本能と適応力が関係しているのです。
猫は本来、野生動物として狩りをして生活します。野生では、なかなか獲物を捕まえることが出来ません。ですから獲物が捕まるまでお腹を空かせた状況が長く続くことも多々あります。
実際に獲物を仕留めることができたならどうでしょうか?獲物を素早く食べる必要があります。野生の動物は猫だけではありません。自分たちが仕留めた獲物を横取りしようと狙っている肉食動物はたくさんいます。早く食べてしまわないといけないのです。
食べている時は無防備な姿をさらしている時でもあります。出来るだけ食事時間を短くすることで身の安全を守る必要もあるでしょう。
こうした理由から、野生の猫は早食いなのです。猫は誰に教わるでもなく、本能によって野生で生き抜くことが出来ます。早食いは猫の本能に刻まれているのです。
ですから、飼い猫であっても本能的に早食いするものなのです。多くの飼い猫の食事が早いのもこれが理由でしょう。
では、どうしてだらだらと食べるようになることがあるでしょうか?
大きな理由としては、環境の変化と適応力です。飼い猫は野良猫と違い、食事に困ることがありません。誰かにごはんを取られてしまうこともありません。いつでも食事があるので、急いで食べる必要が無いわけです。
この飼い猫特有の状況に慣れてくる(適応してくる)なら、徐々にごはんをゆっくりと食べるようになることがあるのですね。
もちろん、猫のだらだら食いをするからと言って、修正しなければいけないほどの問題ではないかもしれません。しかし、時にはだらだら食いがトラブルの原因となることもあります。次の項目ではだらだら食いのデメリットについて考えます。
猫がだらだら食いにはどんなデメリットがあるの?
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猫のだらだら食いにはどんなデメリットがあるのでしょうか?いくつかご紹介しますので、皆さんの猫がそのようなデメリットを受けていないか考えてみてください。
食欲不振につながる
だらだら食いする猫は食欲不振になることがあります。だらだらと食べているうちに、ごはんを食べる量も少なくなってしまうのです。
ごはんを食べる量が少なくなると、徐々に食事に対する意欲が無くなってきます。食欲不振の猫はさらにだらだらとごはんを食べるようになります。結果、負のスパイラルが生じるのです。
ごはんをしっかりと食べないなら、身体を強く保つことが出来ません。感染病にもかかりやすく、ケガをしたり病気になったりしたときの回復スピードも遅いでしょう。
特に子猫の食欲不振は危険です。子猫は成長する過程で、たくさんの栄養を必要とします。しかし、身体が小さいので1度にたくさん食べることが出来ません。
そんな状況で、だらだらと食べ、食欲不振になってしまうなら、栄養不足となり衰弱してしまうのです。結果亡くなってしまう猫もいるほどです。
キャットフードが不衛生な状態になる
猫がだらだら食いするならキャットフードが長時間放置されるようになります。飼い主さんもあまり食べてくれないので、キャットフードを置いたままにするようになるかもしれません。
キャットフードも放置しておくなら傷んでしまいます。ドライフードであれば長く持ちますが、一度空気に触れたウェットフードは腐ることもあるでしょう。犬や人間の健康に悪影響を与えてしまうのです。
習慣になる
猫のだらだら食いは放っておくことで習慣になってしまうでしょう。最初のうちは、「食べるスピードが遅くなったかな?」程度かもしれません。しかし、徐々にだらだらと食べることが習慣化してしまい、どんどん食べるスピードは落ちていくでしょう。
その過程で食べる量も少なくなっていくことがあります。長期間だらだらと食べることを許していると、それが普通になってしまうことさえあるのです。
もちろん、トラブルの原因となっていない限り、ゆっくり食べることに問題はありません。しかし、習慣化したものを修正するのには時間がかかります。習慣にならないうちにだらだらと食べる癖を修正するほうが良いでしょう。
猫がだらだらと食べてしまう4つの要因
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猫がだらだらと食べているように見えるのはどうしてでしょうか?いくつかの要因を考えてみましょう。
食べるスピードが遅い
ごはんを食べるスピードが遅いのでだらだらと食べていると思えるのでしょう。通常、猫は急いでいるかのようにごはんを食べるものです。食べるスピードがすこしでも遅くなると余計に目立つのです。
食べるスピードが遅いのには複数の動作が関係しています。
咀嚼の回数が多いのかもしれません。また一度に口の中に入れるご飯の量が少ないのかもしれません。ごはんを飲み込んでから、再度口の中にごはんを入れるまでの時間が遅いのかもしれません。それぞれの動作がちょっとずつ長くなるだけでも、全体の食べる時間は遅くなります。
食べ方が悪い
だらだらと食べているように思えるのは、食べ方の問題かもしれません。食べるスピード自体は問題なくとも、食べながらたくさんのものをこぼしてしまっているのかもしれません。フードボウルからこぼれてしまったものを再度食べようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
フードボウルの中のごはんをきれいに食べることが出来ないのかもしれません。それにはフードボウルの形状や愛猫の器用さが関係するでしょう。食欲はあるのに、隅や底のごはんを上手に食べることが出来ないのです。結果、全部食べるのに時間がかかってしまったり、食べ残してしまったりして、だらだら食べているように思えるのです。
食べる量が少ない
食べる量が少ないとだらだらと食べているように思えます。一度の食事でフードボウルの中身を空にすることはできません。猫としてはお腹いっぱいで食事を終えているのでしょう。しかし、飼い主の視点では、猫が途中でごはんに飽きてしまっているように思えるのです。
成猫に必要な1日の食事の量は決まっています。規定値を大きく下回って食べることが出来ないのであれば、注意すべきでしょう。後述しますが、食べる量が少ないからと言って、フードボウルの中身をいつも満たしておこうとするのは逆効果です。
食事に集中しない
猫がだらだらと食べているように思えるのは、猫が食事に集中していないからかもしれません。
食事の途中で食べるのをやめてしまって他の事をすることがあるでしょうか?半分くらいしか食べていないのに、急にどこかに行ってしまうかもしれません。しばらくするとまた戻ってきてごはんを食べ始めます。だらだらと食べているように思えますよね。
最終的にフードボウルの中身を食べきることが出来れば良いですが、習慣化していくうちに、結局途中で食事が終わってしまったり、食べきることが出来なくなったりするものです。