猫が突進してくるのはどうして?
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家に帰った時やテレビを見ているときなどに、急に愛猫が突進してくることがあります。突然ぶつかってくるので、「一体何なんだろう?」と思ってしまうことありませんか?
実はこの行動にはちゃんと意味があるようです。猫ちゃんが突進してくるのってどうしてなのでしょうか?猫の突進に隠された理由を探ってみました。
猫の不可解な行動
猫ってたまに不思議な行動をとったりするものです。なぜかこちらを見つめてきたり、鍋の中に入り込んでいたり、本棚のスキマに入っていたりします。
ちょっとびっくりしてしまうような行動もあれば、ふっと笑ってしまうような面白い行動をすることもありますよね。このように猫が不思議な行動をとるのはどうしてなのでしょうか?
猫の行動に隠された心理とは
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私たちからすると「一体何でだろう?」「どうしてそんなことをするんだろう?」と不思議に思えるようなことでも、猫にとってはきちんと理由があるものです。猫の行動とその意味を知れば、もっと猫の気持ちが分かるかもしれません。
猫のとる行動やしぐさで、よくあるものをいくつか例に挙げてみますね。「うちの猫も同じことしてる!」とか「これってそんな意味があったんだ」と思う点もあるかもしれません。ぜひ猫ちゃんの様子を観察してみてください。
①こちらを見つめてくる
猫が人間や動物を見つめるのは、猫特有の感情表現です。相手を見つめる理由は2つあり、威嚇している場合と愛情表現をしている場合があります。真逆の意味がある「見つめる」という行動ですが、猫の様子全体を見ているとどちらの意味なのかが分かってくるでしょう。
ゆっくりとたまに瞬きしながら見つめているときは、飼い主さんへの愛情表現として見つめているようです。猫を観察していると、確かに親子や仲の良い猫同士などはぼんやりと見つめ合っていることがあります。「なぜか猫から見つめられている」と思ったら、猫から好かれているのかもしれませんね。
ぼんやりしているようにも見えますから、「眠いのかな」とか「たまたま目が合っただけかな」とも思えますが、飼い主さんへの愛情表現の表れかもしれないことも覚えておきましょう。
反対に、威嚇している相手をじっと見つめることもあります。その場合は、猫のしっぽの毛が逆立っていたり、左右に大きく振れていたりします。
猫は怒っているときや警戒しているとき、威嚇しているときにしっぽの毛を逆立てたり左右に揺らしたりするようです。そんな仕草をしながら見つめられているときは、威嚇されている可能性が高いです。
その状態のときに触ろうとすると、引っかかれたり噛み付かれたりしてしまいますので離れておきましょう。ただぼんやりしているようにも見える行動ですが、愛情表現もしくは威嚇という意味があるようです。
②虫をくわえてくる
たまに猫が急に虫をくわえて持ってくることもありますね。虫が苦手な飼い主さんだと、「どこから持ってきたの?!」「ちょっとやめて!」とびっくりしてしまうかもしれません。しかし、こんな不思議な行動にもきちんと意味があるようです。
実は虫などの捕まえたものを持って来るのって、飼い主さんへのプレゼントなんだそうです。もともと猫は狩りをして獲物を捕まえる習性があります。子猫の頃は、獲物を捕まえると親猫のところに持って行って見せる習性もあります。これには「ちゃんと獲物を捕れたよ」「見て見て!」という心理があるそうです。
飼い主さんのところに捕まえた虫を持って来るのにも、「虫を捕まえられるなんてすごいでしょ?」「いいものプレゼントするね!」という気持ちがあるのかもしれませんね。
ちょっとびっくりするような行動ですが、キャーと大声を出してしまったり叱ったりすると、猫はしょんぼりしてしまうかもしれません。猫が虫をくわえて持ってきたらありがたく受け取ってあげましょう。
③鍋の中に入る
夏場に見かける行動ですが、猫が鍋の中に入っていることもあります。ちょっと笑ってしまうような面白い行動ですよね。猫を飼っている方は「うちも入ってた!」「他の猫もそんなことするんだ!」と、意外と猫あるあるのようです。
そんな面白い行動ですが、これにもワケがあります。大きく分けて二つの理由があり、一つは「狭い所が落ち着く」から、もう一つは「ひんやりして気持ちいい」からのようです。
猫って狭い所が大好きです。猫が狭い所に入り込むのは落ち着きたいからのようです。野良猫たちが数匹くっついて体を寄せ合っている光景を見かけたりすることがありますね。犬など他のペットに寄りかかっていることもあります。仲間や安心できる相手とくっついていると、安心できるのかもしれません。
同じように、狭い所に入り込むと体がギュッとなりますよね。これが仲間とくっついているような感覚になって、落ち着くらしいです。また、危険から身を守るために狭いところに身を隠すこともあります。どちらにしても、狭い所は猫にとって落ち着ける、安心できるスペースということですね。
そんな理由から、猫は鍋など狭い所に入り込んでいることがあります。本棚やダンボールの中などに入り込んでいるのも同じ理由です。加えて寒がりな猫ちゃんですが、さすがに夏場はひんやりした場所を好むようになります。鍋はひんやりとして気持ちが良いので、夏はダンボール箱や棚の中よりも鍋の中にいることが多いのかもしれません。
鍋の中に入り込んでいるのは「気持ちよくて落ち着くから」ということでしょう。一見不思議に思える行動にも、きちんと理由があるようですね。
じっと見つめられるとか、虫を見せに来るとか、鍋の中に入っているなど不可解な行動でも、意味が分かると納得できるものですよね。同じように猫が突進してくるのにも理由があります。では、猫が突進してくる理由って一体何なのか、6つのパターンから見ていきましょう。
猫が突進してくる6パターンの理由とは
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猫が突進してくる理由は一つだけではありません。その時の状況や猫のしぐさなどを見て、どんな理由で突進してきたのか見分けてみましょう。
猫の気持ちは、猫の仕草や体全体の様子から探ることができます。猫がよく見せる仕草と、その時の気持ちをまとめてみます。今どんな気持ちでいるのか観察してみましょう。
①あいさつ
猫が頭をぶつけるのには、あいさつの意味があるようです。猫同士も頭をぶつけあってあいさつをしていることがあります。
飼い主さんが帰宅したときに頭をぶつけてくる場合は、「おかえり!」とあいさつをしているのかもしれません。毎朝頭をぶつけに来る猫ちゃんもいるようですが、「おはよう!」というあいさつなのでしょうね。
②マーキング
猫が頭をぶつけてくるのには、マーキングの意味もあります。猫があごをこすりつけてきたり、スリスリしてきたりすることもありますが、それはマーキングしているときです。
同じように匂いが出る臭腺は頭にもあるようです。頭をぶつけに来たりこすりつけたりすることで、自分の匂いを飼い主さんにつけようとしています。
飼い主さんは自分のものと主張したいときに、頭突きしにくるようです。猫はそれぞれ自分の匂いがあります。飼い主さんが他の猫を触った後だったり、飼い主さんから慣れない匂いがしていたりすると、自分の匂いを付けなおしに来るようです。
猫は苦手な相手には距離をおきますから、猫に頭突きされる場合は猫から好かれていると思ってください。外から帰宅した時やお風呂上がりの時など、猫の匂いが消えてしまっているときに頭突きされるとしたら、「私のもの」とマーキングし直しされているということでしょう。
③愛情表現
猫は愛情表現の一つとして頭をこすりつけることもあります。猫には親しみを込めて頭や体をこすり合う習性があるようです。人間でいうとハグのような感覚でしょうか。
飼い主さんに突進して行ったり頭をこすりつけたりするのは、仲間意識を持っているからなのでしょうね。
④優位にある人へのあいさつ
猫同士のコミュニケーションを見ていると、子猫が親へ、または新入り猫が年長の猫へ頭突きするなど、優位な相手に対してしていることが多いようです。親猫から子猫にすることってあまり見られません。そのため、この挨拶の頭突きは優位にある人へのあいさつという意味があると言われています。
飼い主さんに対して頭突きしたり突進してくるということは、飼い主さんが優位だと考えているのでしょうね。もしくはよくご飯をあげたり、一緒に眠ったりしている飼い主さんのことを親猫のように慕っているのかもしれません。猫に突進されるという方は、猫から慕われているということでしょう。
⑤お願いがある
猫が頭をぐいぐいと押し付けてくる場合、お願いがあることもあります。ご飯が欲しいとおねだりしているときもあれば、撫でて欲しいとお願いしている場合もあります。猫ちゃんの様子や時間帯を見て、何をしてほしいのか察してみましょう。
飼い主さんへの愛情表現の場合もあれば、お願いがある場合もあります。猫の様子を見て、どんな気持ちなのか探ってみましょう。
⑥遊びたい
飼い主さんと遊びたいときに突進してくることもあります。「遊ぼう遊ぼう」という気持ちで寄ってきているのかもしれませんね。おもちゃで遊んであげた後も突進してくる場合は、遊び足りないのかもしれません。もうちょっと長く遊んであげると猫も満足すると思います。
猫は遊び足りないとか、ちょっと不満げな時にも頭突きしてくることがあります。猫がずっと頭突きしてくる場合は、何をして欲しいのか観察してみましょう。