犬がびっくりする音って?
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犬は人間と比べて4倍の聴覚を持っているので、私たちが聞こえていない音にも反応して不快に感じることあります。それで愛犬が安心して暮らすためには、快適な環境を整えてあげる必要があるでしょう。
犬が恐怖に感じたりびっくりしたりする音にはどのようなものがあるのでしょうか。一緒に暮らしていくときに飼い主さんが気を配ることによって愛犬のストレスを軽減することにつながるでしょう。
犬の聴覚
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聴覚と言うのは生物学用語辞典によると「動物の感覚で、音波を刺激として感知できる感覚」と示されています。また世界大百科事典第2版によると、「ある範囲の周波数の音の刺激によって生じる感覚で、視覚が利用できない暗闇や森林・草むらの中で生活する動物にとっては、遠く離れた周囲の状況を知るのに重要な感覚である。例えば動物は、追ってくる危険を避けたり、種内の交信などに聴覚を利用する」とあります。
つまり「聴覚」とは「音の感じる感覚」です。では犬の聴覚を具体的に把握するために、犬が音を感知する「範囲」「距離」「方向」を私たち人間と比較してみましょう。
1.範囲
可聴域とは「音を感知することができる周波数帯域(範囲)」のことです。犬の可聴域は約40~65000ヘルツであり、人間の可聴域は約20~20000ヘルツとなっています。下限の「低音域」は犬が40ヘルツに対して人間は20ヘルツですので、あまり差がありません。
しかし、上限の「高音域」は犬が6万5千ヘルツに対して、人間は2万ヘルツなので大きく異なります。この違いは犬が人間に聞こえない「高周波の音」を聞き取ることができるということです。犬の聴力は人間の約4~6倍優れていますが、人間と大きな違いのある「高音域」では驚くことに人間の16倍もの能力を発揮することができると言われているそうです。
犬が消防車やパトカーなどのサイレンの音によく反応することに気づかれませんか?それは「犬笛(遠吠え)」です。犬笛は自分の意思を伝えるイヌ科の習性で、遠方にいる仲間とのコミュニケーションや群れからはぐれてしまった際の信号(群れの位置と自分の位置を把握するため、遠吠えし合う)として使われてきました。
この「犬笛(遠吠え)」は周波数で言うと3万ヘルツ(超音波は2万ヘルツ以上)位で、消防車やパトカーなどサイレンの音の周波数とほぼ同じなのです。犬がサイレンに反応することが多いのは、本能的にほかの犬の呼びかけに対して答えようとしているからです。
2.距離
犬は音を人間の約400倍の距離で聞き取ることができるそうです。つまり、人間が5m先の音に気づいたとすれば、犬は2㎞先のその音に気づくということになります。
3.方向
聞き取ることができる方向は、人間が16方向に対して犬は32方向を区別することができると言われています。犬の聴覚は人間に比べてはるかに優れているので、いろいろな方向から聞こえてくる様々な音で溢れていることが分かるでしょう。
犬がびっくりする音とは
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音に敏感な犬にとって、驚きびっくりする音にはどのようなものがあるのでしょうか。
自然界に存在しないため、犬が理解できない複雑な音や高い音
犬は日常生活にある機械音を人間以上に不快に感じたり、びっくりして興奮してしまったりすることがあります。掃除機をかけていると吠えて邪魔したりする犬は、掃除機の音が苦手なことを伝えています。ドライヤーやバイクの音も驚く犬が多いです。
原因が理解できない突然の破裂音
私たちは花火の音や雷の音の原因を理解できるので、驚くことがあっても不安が続くことはあまりありませんが、犬にとってはびっくりしてパニックになってしまう子がいるほど苦手な音です。ストレスにつながることがありますのでケアしていくことが大切です。
嫌な経験をした音
知らない人が訪れることを怖がる犬や、姿が見えない知らない人の声に怯える子にとっては、チャイムの音や電話の呼び鈴、電話の相手も声もびっくりしたり驚かせてしまったりする音になります。