猫がキュウリを食べても良い?
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夏の野菜と言えばキュウリを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。夏の時期には旬のキュウリがたくさんお店に並ぶことでしょう。リーズナブルでサラダや付け合わせなどで活躍してくれるので、食卓に並ぶことも多いのではないでしょうか?
私たちにとって身近なキュウリは、ネコちゃんたちが食べても大丈夫なのでしょうか?
肉食動物であるネコちゃんたちですが、野菜をまったく食べないわけではありません。キュウリが近くにあれば食べようとすることもあるでしょう。私たち飼い主がネコちゃんとキュウリの関係性を知っておけば、ネコちゃんの健康に悪影響を与えることもありません。
ここではネコちゃんがキュウリを食べることのメリットや注意点をご紹介していきたいと思います。
キュウリってどんな野菜なの?
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キュウリは八百屋やスーパーマーケットなど、色々な場所で見かける野菜です。シャキシャキとして歯ごたえがよく、味も強くないので他の食材の風味を損なうことがありません。生で食べることが出来るので調理も簡単です。
キュウリの原産地はヒマラヤと言われています。日本へは中国を経由して伝わってきました。現在では日本中でキュウリが生産されており、特に宮崎県や群馬県などでたくさん生産されています。
キュウリの旬は夏場です。6月~9月頃にはたくさんのキュウリを収穫することができます。まさに夏野菜の定番ともいえる野菜ですね。
キュウリはわたしたちにとって身近な存在です。キュウリの知識も広く伝わっていますので、あまり知らないこともない食材でしょう。しかし、「キュウリをネコちゃんに食べてもらう」という観点ではあまり話題に上ることはありませんよね。
ネコちゃんとキュウリの関係性については知られていないことも多いでしょう。それで、これからキュウリ自体の情報と、ネコちゃんとの関係性をお伝えしますね。
世界一栄養が無い野菜?
「キュウリにはほとんど栄養が含まれていない」と考えている人は多いでしょう。これは本当なのでしょうか?そもそも、キュウリには栄養が無いという考えはどこから広まったものなのでしょうか?
大きな情報源のひとつとして、ギネス世界記録があります。キュウリの、ある情報がギネス記録として認定されているのですが、ここから影響を受けている人が多いようです。
ある情報というのは、「キュウリは世界一栄養が少ない野菜」としてギネスで認定されているという情報です。しかし実はこの情報は誤りです。
本当のギネス世界記録はこうです。「Least calorific fruit」。つまり「最もカロリーが低い果実」です。キュウリはカロリーの低さでギネス世界記録となっていて、決して栄養の低さでギネス登録されているわけではありません。
またそのカロリーの低さも「果実の中で」です。キュウリは植物学上、野菜ではなく果菜、つまり果実に含まれています。
ですから、キュウリを食べることで栄養を摂取することはできます。(もちろん、たくさんの栄養が含まれているわけではありません)。また、カロリーが最も低いからこそ有益な使い方もあるのです。
これらの正しい情報を知っているなら、ネコちゃんとキュウリの関係性もより正しく把握することができるでしょう。
猫はキュウリを食べても大丈夫?
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ネコちゃんたちはキュウリを食べても問題ないのでしょうか?
結論から言うと、問題ありません。キュウリにはネコちゃんたちにとって有害となる成分は含まれておらず、食べても問題ありません。キュウリの成分のうちのほとんどは水です。キュウリを食べるなら、いくらかの栄養素と共に水分を補給することもできます。
しかしネコちゃんに必ず与えるべきもの、というわけでもありません。なぜならネコちゃんたちは肉食動物だからです。雑食の人間とは異なり、ネコちゃんは野菜をあえて食べる必要はありません。
だからといって、ネコちゃんは「キュウリを食べてはいけない」とか「キュウリを食べても意味がない」と言うわけでもありません。ネコちゃんには野菜を消化する力があまりありませんが、少量であれば大丈夫です。食べ過ぎなければ十分食材としての役割を果たしてくれるでしょう。
キュウリの栄養価
キュウリは「世界一栄養が無い野菜である」という情報は誤解であることをお伝えすることができました。だからといって栄養が豊富と言えるわけでもないのですが、栄養素を見比べた時に必ずしも少ないわけではないことが分かるでしょう。
ネコちゃんに必要な栄養をしっかりと把握して、与えるかどうかを判断してあげましょう。
βカロテン
緑黄色野菜に多く含まれているβカロテン。キュウリは淡色野菜ですが、表皮のグリーンにはβカロテンが含まれています。βカロテンには抗酸化作用があり、主に細胞の中で免疫賦活剤としての効果を発揮してくれます。そのためガンや心臓病の予防に効果があるとされています。
ワンちゃんたちはβカロテンからビタミンAを作り出すことができます。しかし、ネコちゃんには酵素がないために体内で変換してビタミンAを作り出すことができません。ビタミンAを作り出すことができるならより有用な効果を期待できますが、ネコちゃんはβカロテン単体の効果のみです。
カリウム
様々な食材に含まれているカリウムですが、キュウリにもカリウムが含まれています。その含有量は豊富で、ナスの約1.4倍の含有量があります。
カリウムは、ネコちゃんの身体の機能を正常に保つために必要不可欠なミネラルの1つです。キュウリにはカリウムがたくさん含まれているので、与えることでナトリウム(塩分)を排泄する効果があります。
それゆえに高血圧にも効果を発揮してくれます。また利尿作用があるので、体内の水分量を調整し、むくみなどの解消にも効果的です。
ビタミンC
キュウリにはビタミンCも含まれています。非常にたくさん含まれているわけではありませんが、含有量はトマトの約1.2倍です。ひとつひとつの栄養素を見た時に、決して栄養が少ないわけではないのです。
ネコちゃんは体内でビタミンCを合成することができるので、外部から摂取する必要はあまりありません。
しかし、ビタミンCの合成量は年齢と共に少なくなっていきます。そうした時には食べ物で補充する必要があります。その際キュウリも上手に活用することが出来るでしょう。
食物繊維
キュウリには豊富な食物繊維が含まれています。含有量はキャベツと同等です。しかし、ネコちゃんたちは食物繊維の取りすぎには気を付けなければいけません。取り過ぎるとお腹の調子が良くなるどころか、悪くなることがあるからです。
ですから、食物繊維が豊富な野菜を与える場合には、その後の様子をしっかりと観察してあげる必要があります。キュウリを食べてくれるからと言って、ついつい食べさせすぎることが無いようにしましょう。
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