健康であるとは、身体だけではなく、心の状態も大きく関係することは周知の事実ですよね。
身体的にはなんの問題もなくても、悲しみや辛い感情を抱えていたり、強いストレスを感じていると、やる気が出ずにただ寝ていたいと感じたり、本当に身体が動かなくなること経験された方も少なくないはずです。
そうなるのは、私たち人間だけではなく動物も同じです。特に、私たち人間にとって良きパートナーともなってくれる犬はデリケートな心を持っているので、愛犬の心が健康な状態であるかを常に確認することは、飼い主が果たすべき責任の一つと言えるでしょう。
実際、ストレスが多いと言われている現代で、人間の感情を伺い、愛情を注ぎ、忠義を尽くしてくれる犬たちの心はどんな状態なのでしょうか?どんな時に心を痛めたり、ストレスを感じるのでしょうか?
また、犬の心の状態はどんな行動に現れるのでしょうか?どうしたら愛犬の心の健康を守ってあげられるのでしょうか?これから一緒に考えていきたいと思います。
まず初めに、犬がストレスを感じる5つの状況を見ていきましょう。
犬がストレスを感じること

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ストレスを感じる環境は、愛犬の心の健康に最も悪影響を及ぼします。飼い主さんはなんとも感じていないことであっても、犬にとっては大きなストレスとなることもあります。
愛犬のことをどんなに愛していても、正確な知識がなければ、意図せずに心に負担をかけてしまっていることもありますので、まずは、どんなことに犬がストレスを感じるかを見ていきましょう。
散歩が足りていない

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犬にとって散歩の時間は、最高の楽しみであると同時に、匂いを嗅いだり、縄張りを守るという本能を満たす大事な行為で、心の健康を保つのに欠かせないことです。
しかし最近では、室内で小型犬を飼育することが主流になり、「小型犬の場合は室内を動き回るだけで、必要な運動量が満たされるので散歩に行く必要がなく楽です」などと言われているのを聞きます。
確かに運動量という観点だけで考えればそうなのかもしれません。しかしそれでは、犬にもともと備わっている本能が満たされずに、強いストレスを感じることになってしまいます。
散歩に連れ出して、色々な匂いを嗅いだり、自分の縄張りをチェックして、異常がないかを確認したり、新しい発見をさせてあげる必要があるのです。
飼い主との時間がない

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犬種や個体に関係なく、犬は飼い主のことが大好きで、愛されたいと強く望みます。ですから、一人ぼっちの時間が長すぎたり、他の動物がいたとしても、飼い主が留守のことが続くとやはり強いストレスを感じます。
留守番中に、寂しさや強い不安を感じて、攻撃な態度をとったり、家具などを破壊したり、吠え続けたりしてしまう犬も多いことがそれを裏付けていると言えるでしょう。
それほどまでに、飼い主と一緒に過ごす時間は犬にとっては、心の安らぎに欠かせないものなのです。そんなに自分を愛して、必要としてくれるなんて嬉しいではありませんか!
仕事など、やむを得ない事情で一定の時間離れてしまうことは仕方がないでしょう。しかし、愛犬はご主人様の帰りを首を長くして待っていることを忘れずに、できるだけ早く愛犬の元に帰り、ふれあいの時間をしっかりと取ってあげましょう。
快適なパーソナルゾーンがない

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犬は社交性のある動物ですので、先ほど見たように飼い主と一緒にいる時間を必要としたり、多頭飼いや他の動物との共存も上手にできます。
だからと言って、一匹で過ごす時間や場所が必要ではないということではありません。むしろ縄張り意識がある犬だからこそ、心の健康のためには、快適なパーソナルスペースを確保してあげなければいけないのです。
犬の縄張りは、クレートやサークルの中など「安全な自分だけのスペース」、家などの「他人の侵入を許さない家族と一緒に過ごすスペース」、マーキングをして自分の縄張りだと互いに主張し合っている「散歩コース」、「知らない場所」と段階的になっています。
ですから、家の中に、愛犬だけのスペース、つまりサークルやクレート、またケージなどで囲われたハウスが必要なのです。この自分だけのスペースがないと、心からくつろげる場所がないので心が疲弊してしまいます。
私達もそうですよね。どんなに社交的な人でも、気心のしれた友達に囲まれているとしても、家族だけで過ごす時間や、一人になって気持ちをリセットしたり、ただひたすら心を休める時間が必要ですよね。
さらに、人間と犬では、心地よいと感じる温度や明るさ、匂いが異なります。例えば、人間にとっては良い匂いに感じる芳香剤が、嗅覚が敏感な犬にとってはストレスの原因になってしまうこともあります。
他にも、暗がりを好む犬にとって、私たちが心地よいと感じる照明は明るすぎたり、大きな音ではないから大丈夫だろうと思っている音楽が、犬にとっては騒音となっていることもあります。
ですから、”自分が心地よければ犬も心地よいはず”と安易に考えないで、犬にとって快適な環境は何かをきちんと調べて整えてあげるようにしましょう。
環境の変化

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新しい環境は緊張感を生み出します。引っ越しなど文字どおり場所が変わるだけでなく、飼い主の結婚や出産によって家族構成が変わったり、家に訪ねてくる友達が変わることも犬にとっては大きなストレスになります。
新しい家族を迎えるなど、飼い主さんにとっては喜ばしい変化でも、犬にとっては自分への関心が減ってしまったり、遊ぶ時間が削られてしまう、嬉しくない変化と感じていることがあります。
ですから、自分は幸せな気持ちで満たされていても、もしかしたら愛犬は寂しい思いをしているかもしれないことを意識し、しっかりとフォローしてあげましょう。
家族の不仲や飼い主の落ち込み

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家の中の雰囲気を犬は敏感にキャッチして、心を痛めることもあります。家族間で罵り合っていたり、喧嘩をしたり、冷たい空気が流れていると、仲の悪さを感じ取るのです。
家の仲が重苦しい雰囲気だと、私たちも暗い気分になるように、一緒に住んでいる犬も気分が塞いでしまうのです。イライラして愛犬に八つ当たりをしたり、愚痴をいうなら、どれほど愛犬にとってストレスになるか想像したことがあるでしょうか?
言葉は話しませんが、犬は立派な家族の一員なのです。犬のためにも暖かい家庭環境を築くようにしましょう。
さらに大事な点は、飼い主であるあなたの心の状態です。飼い主さんを愛してやまない犬達は、飼い主の心の動きを感じ取ります。
辛そうだったり、疲れていたり、怒りを溜め込んでいると、その緊張感や不穏な気持ちが愛犬を不安にさせてしまうことを忘れないようにしましょう。
反対に、大好きな飼い主さんがゆったりと落ち着いた精神状態だと、愛犬の心も穏やかでいられるのです。