わんちゃんが好む臭い匂い
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わんちゃんが好む臭い匂いにはどのようなものがあるでしょうか。まずは散歩に行った時には……。
◆犬や猫の排泄物
◆散歩で出会ったわんちゃんのお尻の匂いを嗅ぎあう
◆干からびたミミズ
また自宅の中では、臭いかどうかは別として……。
◆ゴミ箱
◆飼い主さんが脱ぎ捨てた靴下や洋服、タオルなどなど
わんちゃんとは不思議な動物ですね。私たち人間が鼻をつまみたくなるようなものに積極的に近ずいて『クンクン』といつまでも嗅いでいるわけですから……。一体どのような理由があるのでしょうか。
犬や猫の排泄物
ご存知の通り排尿などの匂いつけの行動をマーキングと言います。マーキングは犬同士の情報交換みたいなものです。確かに「ここは自分の場所!」と縄張りを主張することはありますが、他のわんちゃんを追い出したいという強い意味だけではなく、他のわんちゃんに対する挨拶みたいなものがあります。わんちゃんのオシッコにはたくさんの情報が込められていてその犬の体内ホルモンのバランスを嗅ぎ取り、おおよその年齢や性別、健康状態や精神状態、メスであれば発情周期などもわかるようです。マーキングをするのはオスというイメージですが、メスでもマーキングをするわんちゃんもいるようです。そのような点から、マーキングをするわんちゃんは「通りましたよー」とメッセージを残してくるご挨拶のようなものなのです。
ですから愛犬が他の犬の排泄物の匂いを嗅いでいるのは「あの犬がさっきここ通ったな」、「この匂いは初めてだぞ」、「あいつ体調悪いな」、などと様々な情報を得て分析しているのです。
人間からすると「汚いもの、臭いもの、近づかないで!」と言いたいところですが愛犬からすると近所に住むわんちゃん達の情報を得る貴重な時間なのです。
私たち人間が視覚から入ってくる情報によって頭を使い様々なことを分析するのと同じように、わんちゃんは嗅覚からの情報で様々なことを分析しているのです。もともと嗅覚が優れているため他の犬がマーキングしたところから複雑なニオイの元を嗅ぎ取り、頭を使いつつ好奇心を満たしているのです。
散歩で出会ったわんちゃんのお尻の匂いを嗅ぎあう
わんちゃんはマーキングによって匂いの確認をするだけでなく、散歩中に会ったわんちゃんともお互いのお尻の匂いを嗅ぎ合います。これまた人間には理解不能ですがこの時のわんちゃんの行動は何を現しているのでしょうか。
こちらはわんちゃん同士のコミュニケーションツールの一つで相手のことをもっと知る手段なのです。犬の肛門の左右にひとつずつ校門線というものがあります。ここから出る分泌物は肛門の脇の4時と8時の位置にある肛門嚢に溜まります。この分泌液は一頭一頭個性的な匂いが発生していて、おしっこや便とも違う独特な匂いです。私たち人間の嗅覚ではただ臭いということしかわかりませんが、わんちゃんの嗅覚は人間の100万から1億倍といわれています。相手の匂いを嗅ぐことで上記でも書きましたが性別・性格・強さ・体調までもわかると言われています。それ以上に「機嫌」までわかるという優れものです。
人間同士の名刺交換によって名前や肩書き、住所に電話番号などの情報を知ることができますが、わんちゃんは嗅覚によってそれ以上の情報を相手のお尻の匂いから知ることができるというわけです。
わんちゃんがお互いのお尻の匂いを嗅ぐことによって自分自身の情報を教えるとともに、相手の情報も知ることができる『自己紹介』もしくは『あいさつ』のようなものと考えれば良いようです。
ミミズ
日差しの強い日に愛犬と散歩に行くとアスファルトの上で干からびたミミズの死骸に出くわすことがあります。そしてその干からびたミミズに異常なまでも興味を示す愛犬……。ミミズの死骸の上にスリスリと自分の体をこすりつけミミズの匂いをすり込んでいる様子。一体なぜこのようなことをしているのでしょうか。
匂い付け
野生で暮らしていた時代のわんちゃんは。『自分の匂いを隠すためにほかの匂いを付ける』という行動をとっていました。自分で狩をして獲物を獲らなければならない時、自分自身の匂いが獲物に気づかれてしまうと逃げられてしまいます。また自分自身が獲物になってしまうこともあるため、自分自身の匂いを消す必要があるのです。それで自分自身の匂いよりも強烈な動物のフンや死骸の上で体をこすり付ける行動をとるようです。そのような理由からわんちゃんがミミズに体をこすり付けるのは自分自身の匂いを消すためという野生の名残りのようです。言いかえるとミミズの匂いで自分自身をコーティングしているのです。
ミミズの匂いが大好き
わんちゃんにとってミミズは好みの匂いということです。ミミズの死骸の匂いなど想像もしたくありませんが腐敗臭です。ましてミミズが食べているものは腐敗物が主食で土を生えずり回りながらこうした餌を求めているようです。落ち葉などもその中の一つといわれていますし、土の中の微生物や有機物を食べています。ミミズの食性を考えるだけでも臭いことがわかりますが、わんちゃんはこのような人間的には近寄りたくない腐敗した匂いが好きなのです。
しかし、飼い主さんサイドから考えると地面に体をスリスリしているのは決してそこに「ミミズ」という対象があると気がついていない方もおられるようです。なぜなら愛犬が地面やアスファルトに体をスリスリし始めた時点で飼い主さんがスリスリの下には『ミミズ』がいるということを確認しないでリードを引っ張ってしまうからのようです。そのような飼い主さん、愛犬が地面や、アスファルトでスリスリし始めたらその下に何があるのか試して見てください。もしかしたら『ミミズ』がいるかもしれませんね。
ゴミ箱
まず、ゴミ箱をあさるのは本能といわれています。もともと野生の犬は獲物を探すため小動物の巣穴を探っていました。ゴミ箱の中に頭を突っ込むのはその状況に似ているからだと考えられています。さらにゴミ箱の中に生ゴミが入っていれば獲物と勘違いして大喜びしてしまうことでしょう。
飼い主さんが脱ぎ捨てた靴下や洋服、タオル
飼い主さんが脱ぎ捨てた靴下や洋服、タオルなどなどは臭いかどうかは別としてわんちゃんが好む匂いです。嗅覚の優れたわんちゃんにとっては安心できる匂いのようです。飼い主さんが身につけていたものや使っていたものをサークルの中に持って行ってしまうということがあるのではないでしょうか。また飼い主さんに体をすり寄せて飼い主さんの匂いを自分に刷り込んだりしていることもあるのではないでしょうか。そんなあなたの匂いがわんちゃんにとっては『癒しの香り』なのかもしれません。
ここまででわんちゃんが好む臭い匂いに関して
◆犬や猫の排泄物
◆散歩で出会ったわんちゃんのお尻の匂いを嗅ぎあう
◆干からびたミミズ
◆ゴミ箱
◆飼い主さんが脱ぎ捨てた靴下や洋服、タオル
このような点をあげてきました。飼い主さんの脱ぎ捨てたものは別として、散歩中にこんな臭いものの匂いを嗅がせていいのだろうかと不安になります。