ワンちゃんの健康を第一としている飼い主さんたちは多いでしょう。健康を維持するためには毎日の食事にも気を遣っているはずです。
ワンちゃんたちは、食事で十分な栄養を摂取することができていれば、多くの健康上のトラブルを遠ざけることができるでしょう。
ワンちゃんに必要な栄養素はたくさんありますが、「ビタミンが大切」だということを良く耳にすることでしょう。
今回はビタミンB1について特にご紹介したいと思います。ビタミンB1の働きとビタミンB1をサプリメントによってどのように摂取できるかもお伝えしたいと思います。
ワンちゃんとビタミンB1
![Foods rich in vitamin B1(Thiamine)](https://cdn.mofmo.jp/v3/640/imeditor_storage/1/article/1102694807.jpg)
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ビタミンは人にとってもワンちゃんにとっても欠かせない栄養素です。しかし、人間とワンちゃんにとって必要な成分や量は異なります。
ですから、大切なのは、一般的なビタミンB1の働きを知るだけでなく、ワンちゃんにとってのビタミンB1の働きと必要な摂取量を知ることなのです。
ビタミンB1とは?
ビタミンには脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類があります。脂溶性ビタミンは脂に溶けるビタミンで、臓器に蓄えられます。
水溶性ビタミンは水に溶けるビタミンです。ビタミンB1は水溶性ビタミンに属します。
水溶性なので余分に摂取したビタミンはおしっこと一緒に流れ出てしまいます。ビタミンB1は体内で蓄えておくこともできませんから、毎日必要な量を摂取する必要があるのです。
ビタミンB1は酵母や胚芽、豚肉などに多く含まれます。食材に含まれているビタミンB1は加熱によって1/3ほど失われる特徴があります。
おとなのワンちゃんでは体重1㎏あたり1日約20μg摂取する必要があると言われています。成長期のワンちゃんや妊娠・授乳中のワンちゃんはこれよりも多くの量のビタミンB1が必要となります。
ワンちゃんに対してビタミンB1はどのような働きをするの?
![Three working line German shepherd puppies brings one stick](https://cdn.mofmo.jp/v3/640/imeditor_storage/1/article/580168429.jpg)
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ビタミンB1は神経系の機能を正常に保つために欠かせない栄養素であると言われています。
ビタミンB1はアセチルコリンの合成と関係があるとされています。アセチルコリンは神経伝達物質であり、自律神経と関りを持っています。
記憶や血圧、筋肉の収縮などの機能をコントロールしてくれるのです。ビタミンB1はこうした機能が正常に働くために欠かせない栄養素なのです。
また、ビタミンB1は代謝に関わっていてエネルギーの生産には欠かせないビタミンでもあります。ビタミンB1は炭水化物を消化するのをサポートしてくれるのです。
またビタミンB1はエネルギーが生まれるときに発生した乳酸を再びエネルギー源に変える働きがあります。
ですから、ビタミンB1は疲労回復に効果があると言われています。疲れているワンちゃんや運動をよくするワンちゃんにはビタミンB1が効果的なのです。
ビタミンB1のサポートによって身体全体のエネルギーが生み出されるだけでなく、脳に必要なエネルギーも生み出されます。
神経系の機能を正常に保ち、それらが働くためのエネルギーを生み出すサポートもしてくれるビタミンB1は「神経系のビタミン」と呼ばれているのです。
ビタミンB1が不足する原因
基本的なドッグフードを与えているなら、ビタミンB1が不足することはあまりないでしょう。
手作りのごはんを与えている場合、栄養が偏ってしまうことがあります。白米や小麦粉など精製した穀物をたくさん使用したごはんを与えているとビタミンB1が少なくなってしまうことがあります。
また慢性の下痢症状が続くこともビタミンB1欠乏の原因となります。
ビタミンB1が不足するとどうなる?
ビタミンB1が不足してしまうなら、その働きが十分に果たされないことになります。つまり、炭水化物を消化し、糖質を生み出す働きがなくなってしまい、結果としてエネルギー不足となってしまうのです。
糖質をもとに働いている神経組織は栄養不足となってしまい、神経系の障害が起き始めるでしょう。
脚気の症状があらわれるでしょう。歩行や視力に問題が生じたり、疲労感が強くなったり、筋力も低下してしまうかもしれません。放置しておくなら死に至ることもあるのです。
ビタミンB1を過剰摂取するとどうなる?
ビタミンB1は水溶性のビタミンですから、過剰に摂取したものはおしっことなって排出されます。ですから、過剰摂取による問題は今のところ報告されていません。