愛らしいワンちゃんとの生活は飼い主さんたちにとって本当に幸せなものです。しかしながら、いつも楽しいことばかりではありません。
なぜならワンちゃんと生活するということは、「ワンちゃんをお世話する」ということが大きな部分を占めているからです。その中でも怠りがちなものがワンちゃんのお手入れではないでしょうか?
今回はワンちゃんのお手入れ不足がもたらす悪影響と、お手入れの良い方法をお伝えします。
ワンちゃんのお手入れ不足?!
Best dog photo/shutterstock.com
ワンちゃんのお手入れはとても大切です。しかしながら私たちはそれを怠りがちかもしれません。どうしてでしょうか?
なぜなら、お手入れを怠ったとしても、すぐに悪影響が見られるものではないからです。
例えば、ご飯や水をあげなかったり、トイレをきれいにしてあげなかったり、散歩に行かなかったりすると、すぐに悪影響が見られるはずです。
ご飯や水が数日無ければそれは命に係わることですし、トイレも衛生上の問題がすぐに起きてしまいます。さらに散歩に行かなくなるとワンちゃんのストレスが溜まり、無駄吠えしたり、病気になったりするでしょう。
しかし、お手入れに関してはどうでしょうか?歯磨き、シャンプー、ブラッシング、トリミング、爪切りなどのお手入れを怠ったとしても1,2週間で何か問題が起きるわけではありません。
ですから、飼い主の中にはこうしたお手入れを先延ばしにしすぎたり、行なっていなかったりする方が多いかもしれません。
しかしながら、これらのお手入れを怠るなら、悪影響は免れません。長期間をかけて、確実にワンちゃんの身体には良くない影響を与えていくことになります。
では、実際にはどのような悪影響が起こるのでしょうか?また、そうならないためにどのようにお手入れできるでしょうか?面倒だと感じる方のためにどのような対策があるでしょうか?
項目別にご紹介したいと思います。
歯磨き不足
Seregraff/shutterstock.com
ワンちゃんがご飯を食べた後にしっかりと歯を磨いてあげているでしょうか?毎日の事となると、忙しい飼い主さんたちはどうしてもサボりがちになってしまうかもしれませんね。
一度は歯磨きをしてあげようとしたことがあるかもしれません。しかし、ワンちゃんがどうしても歯磨きを嫌がってしまう場合もあるでしょう。
それ故に、私たちとしても歯磨きを習慣化することが難しく感じてしまうかもしれません。
しかし、ワンちゃんにとって口内環境を良い状態に保つことはとても大切です。歯磨きを怠るならどのような悪影響が及ぶでしょうか?
悪影響
歯磨きを怠るなら、歯垢が歯に付着したままになります。この歯垢を放っておくとどうなるでしょうか?硬化します。歯垢は歯石となり取り除くことが困難になってしまいます。
歯垢や歯石は口臭の原因となってしまいます。ワンちゃんが舐めてくるとうれしいですが、その「舐められたあとが臭い」なんてことになってしまうのです。
この口臭は歯垢や歯石に含まれる雑菌から生じています。この雑菌は単に臭いのもととなるだけでなく、ワンちゃんの口内にさらに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
ワンちゃんの歯垢や歯石を放っておくなら、それらと雑菌が原因で歯周病になってしまうかもしれません。
歯周病になってしまうと、歯茎が腫れたり、出血したりします。さらに病状が進行すると歯がグラグラしてきます。これらの症状はひどい口臭や痛みが伴います。ワンちゃんにとって本当に苦痛なのです。
この歯周病をさらに放置しているならどうなってしまうのでしょうか?歯周病が進行すると口内の雑菌が血管内に侵入するようになります。血液によって雑菌は身体全体に運ばれてしまいます。
そうなると、様々な臓器に悪影響を及ぼし、病気になってしまうかもしれません。それらの病気は完治せず、ずっと薬を飲む生活になる場合もあります。
「たかが歯磨きくらい」と考えているなら、考えを改め、その重要性を認識すべきでしょう。
対策
では、実際にどのように歯磨きをしてあげることができるでしょうか?
毎日歯磨きをする習慣をつけましょう。
確かにワンちゃんも最初は嫌がるかもしれません。しかし、毎日続けていくなら次第に慣れていくでしょう。最初は歯を一本一本磨いてあげるようにしましょう。一本磨けたらワンちゃんを褒めてあげることが大切です。
ワンちゃんがどうしても歯ブラシを嫌がるのであれば、布を使って一本一本拭いてあげることができます。
このように頑張ってもなかなか習慣化できない場合はどうすべきですか?
良い方法があります。歯磨きシートや液体歯磨き、またはスプレーを使用するのです。特に液体歯磨きや歯磨きスプレーは使用方法が非常に簡単なので長く続けることができるでしょう。
液体歯磨きは飲み水に入れるだけで良いものが多いです。またスプレーもワンちゃんの口の中に直接スプレーするだけです。さらにこの液体歯磨きやスプレーは歯石までも取ることができるものがあります。
今まで歯磨きを怠っていたワンちゃんの口内には、すでに歯石があるかもしれません。歯石を歯ブラシで取ることはできません。
歯医者さんに行くことも良いですが、まずはそのようなケア用品を使用してみることができるでしょう。
シャンプー不足
kc.bangkaew/shutterstock.com
飼い主の皆さんは、シャンプーに対して様々な意見を持っている方がおられると思います。もともと外で生活している動物なので、そもそもシャンプーする必要がないという考えもあるかもしれません。
しかしながら、多くの飼い主さんはシャンプーは大切だと感じておられるでしょう。確かに、ワンちゃんに対してのシャンプーは確かなメリットがあります。では定期的なシャンプーができないのはなぜでしょうか?
大抵の場合は1回1回非常に手間がかかり、時間がとられるからでしょう。また、シャンプー嫌いなワンちゃんも多いでしょう。
嫌がるワンちゃんを無理やり洗ってあげると、毎回飼い主さんはびしょ濡れになってしまう、なんてこともありますよね。では、実際のところ、シャンプーしないならどのような悪影響が起こるのでしょうか?
悪影響
シャンプーを全くしないワンちゃんは汚れが付いたままとなって、衛生的な問題を抱えるようになります。余分な皮脂や古い角質が皮膚に溜まっていくと、それが原因で痒みが生じます。
ワンちゃんがひっかきすぎて、炎症を起こしたり、皮膚病になったりするかもしれません。またノミやダニが繁殖してしまうことで、それらが原因の皮膚病になってしまうかもしれません。
それらの中にはワンちゃんの皮膚の下へ寄生して卵を産んでさらに繁殖していくものもあるため、ノミやダニは定期的にシャンプーで洗い流すようにしましょう。
またワンちゃんがアレルギー持ちであれば、外部からのアレルゲンを洗い流すことで、症状を抑えることができるでしょう。
対策
月に、1度~2度シャンプーを行なってあげましょう。高頻度のシャンプーは逆にワンちゃんに必要な皮脂を洗い流してしまい、皮膚の乾燥の原因となります。
ワンちゃんの皮膚は薄く弱いので、必要な皮脂が無くなってしまうなら保水できません。乾燥肌によってさまざまな皮膚トラブルが起きてしまいますので、シャンプーしすぎには要注意です。
シャンプー後は、自然乾燥させないようにしましょう。ドライヤーでしっかりと乾燥させるなら、余計な皮膚トラブルの発生を避けることができます。
シャンプーのコツをご紹介しましょう。まずシャンプーは犬用を用いましょう。お湯の温度は人肌程度にします。まず頭から遠い場所から流し始めます。そうするならワンちゃんも慣れていくでしょう。
おしりから頭のほうへと徐々に濡らしていきます。顔を濡らす時には、頭頂部にシャワーを持ってきましょう。自然に流れるお湯で顔を濡らすようにできます。
直接顔にシャワーを向けるならびっくりしてしまい、シャンプーを嫌がる原因となるでしょう。耳にもお湯が入らないよう注意できます。
シャンプーを泡立てたら、指の腹を使ってマッサージするように当たってあげましょう。この時に皮膚を傷つけないように注意できます。
泡を洗い流す時には、目や耳に入らないよう抑えながら、十分注意してシャワーを向けるようにしましょう。
このようにしっかりと気を遣ってあげるなら、ワンちゃんも次第にシャンプーを怖がらなくなるかもしれません。
また飼い主も月に1、2度で十分であることを知っているなら負担にもならず、続けていくことができるのではないでしょうか。
ブラッシング不足
Dmytro Zinkevych/shutterstock.com
ブラッシングもワンちゃんにとって大切なお手入れだと言えます。ブラッシングがしっかりと定着するならワンちゃんも喜んで受け入れてくれるようになるでしょう。
ブラッシングは、そこまで時間がかからないかもしれません。ただワンちゃんの被毛も毎日抜けるので、飼い主が面倒になってしまうことがあるかもしれませんね。
しかし実際のところ、毎日の定期的なブラッシングはワンちゃんのお世話をより簡略化するものなのです。
悪影響
ワンちゃんのブラッシングを怠るとどのような悪影響が及びますか?
ブラッシングによって自然に抜ける毛を減らすことができます。ブラッシングした後はブラシにたくさんの被毛が詰まっていますよね。確かにブラシに詰まった被毛を取り除くのは少し手間で嫌かもしれません。
しかし、「ブラッシングをしない」ということはそれらの被毛がワンちゃんの活動範囲で自然に落ちていくことになるのです。それらのお掃除はとても大変ですよね。
ブラッシングは、お手入れ、お掃除の簡略化に寄与するものなのです。家中にワンチャンの被毛が散らばってしまうなら、それだけノミやダニも広範囲に広がることになります。
そこから飼い主の家族や衣服などについてしまうこともあり得ます。その点でもブラッシングが有用であることが分かりますね。
さらにブラッシングはフケやホコリなどの汚れを落とす役目もありますから、月に1,2度のシャンプーの間を十分に清潔に保つ助けとなります。
対策
ブラッシングを習慣化すると同時に、その機会にワンちゃんを観察するようにしましょう。ワンちゃんの全身をブラッシングしながら、どこかに良くない兆候が出ていないか調べることができます。
肌荒れ、口臭、目やになどの症状が出ていないかを観察して、病気や問題の早期発見できる機会としましょう。
そうするなら、結果的にワンちゃんのお世話をする手間を減らすことができますし、それがワンちゃんの健康に繋がります。
ブラッシングはワンちゃんと飼い主のコミュニケーションの手段ともすることができます。この機会に愛情をしっかりと表現してあげることができますね。