バリニーズの基礎知識
メジャーな猫種だけでも45種類ほど、マイナーなものまで含めると100種をゆうに超えるほど存在していると言われていますので、全ての猫種の名前と姿を結びつけて覚えるのは猫が大好きな方でも簡単ではありません。
しかし、その猫種の特徴や性格などをよく知るなら、個性が浮き出て印象が強くなり、覚える助けにもなりますよね。
バリニーズについても、知れば知るほど好きになってもらえると思いますので、歴史・身体的特徴・性格などの基礎知識をまずはご紹介いたします。
歴史
1920年代には、時々突然変異によって生まれる、シャム猫のセミロングもしくはロングの長毛タイプは、シャム猫として認められることはなく、出来損ないという扱いで安価な値段で一般家庭に売り払われていました。
しかし、1940年~1950年に入り、長毛のシャム猫の可愛らしさに魅了されたアメリカのブリーダー、マリオン・ドーシーとヘレン・スミスが品種確立のために奮闘し、1970年にCFAによって公認されました。
当初の品種名は「ロングヘアー・シャム」と登録されていましたが、シャム猫のブリーダーからの反対にあい、名前を変更する必要が生じました。
そこでヘレン・スミスが、”立ち振る舞いがバリ島のダンサーのように優雅である”という理由から「バリニーズ」と名付け、正式名として登録されました。
この経緯からわかるように、名前にバリとついてもバリ島やインドネシアとはなんの繋がりもない猫で、血統はシャム猫と同じアメリカを原産国としています。
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身体的特徴
シャム猫の長毛種が品種として独立したのがバリニーズですので、被毛の長さがセミロングで尻尾は特に長めの毛が生えていること以外、身体的特徴はシャム猫とほぼ同じです。
顔・耳・四肢・尻尾などに色がついているポインテッドで、カラーは黒っぽい茶色の「シール」、赤っぽい茶色の「チョコ」、グレーっぽい茶色の「ブルー」、ピンクっぽい茶色の「ライラック」の4色が認められています。
このように、部分的に被毛に色がついているのが最大の特徴で、特に尻尾の毛はボリュームがあり、シャム猫とは違うバリニーズならではの美しさを感じることができるでしょう。
長毛種でも、アンダーコートのないシングルコートですので、一日一回のブラッシングとコーミングで十分なのでお手入れも楽ですし、抜け毛も少ないです。
被毛は非常に柔らかく、シルクのようの滑らかで、撫でていて気持ちが良いですし、見た目にもふわふわしたエレガントさが漂います。
瞳の色は、サファイアブルーのみが認められています。
アーモンド型の綺麗なフォルムで、透き通るようなブルーの瞳をしているので見ていて吸い込まれそうなほど美しいです。
逆三角形の輪郭でサイズも小さく、顎が尖って、耳も大きく張りのある耳の形をしているのでシャープな印象の顔立ちになっています。
体格は、オスで3~5kg、メスで2~5kgと、猫の中では小柄な方ですが、シャム猫よりは少し大きめになります。
オリエンタルタイプと言われる、胴体は丸い筒状で四肢はスラリと長いスタイルをしています。
筋肉質ではありますが、全体的にはほっそりとしたボディと言えるでしょう。
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性格
バリニーズを飼っておられる方が口を揃えて言われるのが「甘えん坊」ということです。
飼い主さんと遊ぶのが大好きで、成猫になってもずっと甘えてくれるので本当の子供のように感じる方が多いようです。
社交的ではありますが、警戒心が強く、安全を確認できるまでは一定の距離を保つ神経質な一面もありますので、みんなに愛想を振りまくのではなく慣れている人だけというのがまた可愛さを倍増させますよね。
甘えん坊で非常に活発なので、猫と一緒にたくさん遊びたい方には向いている性格でしょう。
ただ、一人でいる時間が長いと寂しがったり、辛く感じるので長時間家を空けなければいけない方などには向いていません。
子供や他の猫や犬などとも仲良くなれるので、遊び相手がいる環境を作ってあげると喜ぶでしょう。
寂しがりやで活発、好奇心旺盛となると、いたずらの天才でもあります。
カーテンをよじ登ったり、窓や扉を開けたり、いたずら防止の対策はしっかり取る必要があります。
特に家を留守をするときには様々な状況をシュミレーションして、猫ちゃんが危険な目に遭わないよう、大事なものを破壊されないように気を配りましょう。