猫はいつもポーカーフェイス
Happy kitten likes being stroked by woman's hand. The British Shorthair
コミュニケーションをとりたくて触りたいんだけれど、触っても大丈夫?と思ってしまうこともありますよね。
そして大丈夫かと思って触ると怒ってしまったり、その逆で触ったら怒るかな?と恐るおそる触れると、嬉しそうに甘えてきた。
そんな猫のマイペースなところが好き!という猫好きの人もぜひ知ってほしい、猫のポーカーフェイスの理由と、ポーカーフェイスだけれどちゃんと表現している猫の気持ちについてお伝えしたいとお思います。
猫はどうしてポーカーフェイスなの?
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猫のつくことわざに、「猫をかぶる」ということわざがあるように、猫は表情が乏しいように感じますよね。
人間と比べると顔の変化が少ないので、猫をあまり見る機会がない方からすると、何を考えているのかわかないと感じる人もいると思います。
ただ猫もいろいろな感情を持っていて、顔だけではなく、尻尾や声口元などを観察していると、いろいろな感情がわかります。
そんな猫がどうしてポーカーフェイスになったのかを探ってみましょう。
そこで少し猫の歴史について調べてみました。
猫の歴史
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今飼われている猫のイエネコは、もともとは野生の猫たちでした。
そのことを裏づける研究で、世界中のイエネコ979匹をサンプルに、ミトコンドリアDNAの解析した結果、イエネコの祖先は、中東に生息していたリビアヤマネコだとわかったのです。
そのリビアヤマネコは砂漠地帯に住んでたため、なかなか水を飲めなかったことから、ほとんど水を飲まなくてもよい体になっていきました。
水分は食べ物から摂取されていたようです。
この習性が今でも残っていて、猫はあまり水を飲みたがらないのです。
そして砂漠地帯では、昼間暑く餌をとることが難しいため、夜に行動し獲物を探し行動します。
リビアヤマネコは、待ち伏せ型の狩りをするので、獲物が現れるまで忍耐強く獲物を待ち続けます。
体力を消耗さないための工夫ですね。
そして猫が人間と一緒に暮らすようになったのは、5000年ほど前のアフリカのエジプトあたりだというのが定説でした。
その頃の人間は、ナイル川流域で農耕をして暮らしていて、収穫した穀物を倉庫に蓄えられていたのですが、ネズミが穀物を荒らすために、猫を飼い始めたのが始まりだとされています。
エジプトで飼われていた猫は、発掘された骨からリビアヤマネコであることがわかり、初めて人が買った猫は、リビアヤマネコなんだとか。
野生の猫は、もともと単独行動で狩りをしながら生活をしていました。
ですので、自分の縄張りを作り、よその者が縄張りに入ることを嫌がります。自分の安全が侵されると考えるようです。
自分にとって安全な場所である縄張りを持つことが、猫にとっては生きていく上でとても大切なものだったのです。
猫の習性は今も受け継がれ、ポーカーフェイスになった
Blue eyed Cat
猫の歴史をみてみると、猫の習性が作られた理由がわかりますね。
猫は、野生で待ち伏せ型の狩りをすること、そして単独行動を好み縄張りを作るなど、今の猫たちの習性と同じです。
基本的に集団行動を好まない猫は、感情表現をする機会が少なかったのだと考えられます。
野生の猫の場合は、同士が会う機会は生まれて時の母親と交尾の時の猫以外は、あまり接触したがりません。
感情を表すのは、交尾のためやオス猫同士が喧嘩したり、子供を外敵から守る時には、全身で怒ることを表現します。
そういう面の表情は、私たちもたまに見かけますよね。
ポーカーフェイスは自分の身を守るため
そして猫は体調が悪い時にも、あまり表情を変えないのは、猫を飼ったことがある人はよくご存知だと思います。
このことも集団行動を好まない猫ならではの、自分も身を守る手段です。
外敵や他の猫に、怪我をしていることや病気になったことを知られることは、自分の身を危険にさらすことになります。
ですので、骨折をしていてもわからないように普通に歩く猫もいるのです。
このことから、飼い主さんが愛猫の病気に気がつかずにいて、病気が悪化するケースもよくあることなのです。
飼っている猫がそんなことにならないように、飼っている猫のことを毎日よく観察してあげてくださいね。
そして、ちょっとしたサインを見逃さずに、おかしい?と思ったら、すぐに動物病院へいって診察してもらいましょう。
猫のサインを見逃さない!猫の小さな違和感
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猫も人間と同じように、個体差があったり性格も違いますし、生活習慣もそれぞれ異なります。
飼い猫の場合は、飼い主さんしか「猫の今の状態」はわからないものです。
いつも起きている時間に起きてこないとか、今日はやたらと水を飲む?食欲が落ちている?などなど、日常の生活の中でちょっとした違和感を感じることもあると思います。
その違和感って意外に病気につながっていることがあるのです。
違和感がすぐに止むのであれば、あまり問題ないのですが、1日以上続く場合は違和感が不安に変わっていくと思います。
愛猫の「普通」を知ることがとても大切になります。
そこで、猫の観察のポイントをいくつかピックアップしましたので、猫を飼っている方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
観察ポイント1:食事時
猫はとてもデリケートな動物で、ちょっとしたことでも食欲が落ちてしまうことがあります。
繊細な猫の場合は、知らない人が家に来たり大きな音が不意になったりするだけで、食事を摂らないということもあります。
猫にとって一過性のストレスで、猫が大丈夫だと思ったら、食欲が元に戻りますが、食欲が戻らない時には要注意です。
例えば、フードの前で座り込んで、フードを眺めたまま手をつけないという時には、口内炎などの口腔内に疾患があるかもしれません。
食べたくても食べられないという意思表示で、よだれが出るケースもあります。
また、ご飯の時間になっても食べにこないということもあります。
このような状態が1日以上続く場合は、病気の可能性があるので、一度病院を受診しましょう。
そして、部屋が暑いわけでもないのに、いつも以上に水を飲んでいるという場合は、腎臓病や糖尿病の危険性があります。
猫の習性の中で、水をあまり飲まないというのがありましたが、普段飲んでいる水の飲み方と違うなと違和感を感じた時には、病気を疑いましょう。
観察ポイント2:睡眠
猫は昼間よく眠っていることが多いので、睡眠で何がわかるの?と思う人もいるかもしれません。
気持ちよくすやすやと寝ているのかしんどくて寝ているのかという判断は、なかなか難しいですよね。
普段から寝ている猫をちょっと観察してみてください。
寝ている時の様子や、呼吸の速さや深さ、そして寝ている時間など、普通の睡眠を知っていると、ちょっとした異変に気づきやすいものです。
いつも起きている時間でもすやすや寝ていたり、おもちゃで遊ぼうと促しても遊ぼうとせずにずっと寝ているという場合は、どこか調子が悪いのかもしれません。
その時には、食欲やトイレなども注意して観察して、食欲がなくご飯を食べていないなどだと、どこかが痛いのか病気の恐れがあります。
また、寝ている時の呼吸が早いのも注意が必要です。
猫は安静にしている時には、20~30回(一分あたり)の呼吸なんだとか。
肩や首が上下していたりすると、息がしにくかったり、呼吸が荒い可能性があります。
そしていつもと違う場所の暗く冷たい場所で寝ている時には、熱があるのかもしれません。
普段から猫は暗いとこや狭いところが好きな動物です。
このような場所が安心するのですが、暑くないのに寒く暗い場所に行きたがる時には、ちょっと注意をしてあげてください。
最後に、香箱座りで目を閉じている姿をたまに見かけますね。
単にこの姿勢をとって休んでいる時もあるのですが、おやつを見せてもおもちゃを見せても興味を示さない時には、眠たいのに寝れずに香箱座りになっている可能性があります。
観察ポイント3:遊び時間
いつもと同じように遊んでいるのに、ハアハアと息が荒く口で息をしているという時には、危険信号です。
普段猫は、口で息をすることは、全速力で走った後くらいであまり見かけないものです。
ですので、こんな状態が見られた時には疾患を疑いましょう。
観察ポイント4:トイレ
健康のバロメーターが排泄です。健康な状態の排泄物を日頃からチェックしておきましょう。
おしっこやうんちの回数や量などを把握しておくと、何か異常があった時に役立ちます。
一概には言えませんが、猫の一日の排泄の回数を知っておきましょう。
おしっこは1~3回(一日あたり)、うんちは1.2回(一日あたり)です。
しょっちゅうおしっこをしたり、トイレでないところでおしっこをする、そしておしっこの量が普段より多い時には、膀胱炎や糖尿病可能性があります。
またおしっこしたいのにおしっこが出ないという場合は、結石の可能性が考えられます。
そのほかの泌尿器のトラブルかもしれませんので、違和感を感じたら一度動物病院で診察してもらいましょう。
観察ポイント5:体のチェック
猫の目を観察していると、目やにがよく出る猫がいてますね。
目やにが出ている時には、すぐに目やにをとってあげましょう。
そして、涙目だったり目が赤くなってないかチェックしましょう。
そして時間がある時には、体をくまなく触りまくって、体のチェックを行いましょう。
そして普通がどんな体をしているのか、怪我はしていないか、しこりはないかというチェックを行います。
普段から体を触られることに慣れていると、嫌がらずに気持ち良く触らせてくれます。
しこりがある場合は小さくてもすぐに病院へいって検査をし、ガンであるかどうかをはっきりさせましょう。
猫が痛いと思っているときには、明るい場所を避けて暗い場所に丸くなって目を閉じています。
また唸ることもあります。
そんな時は、普通とは違うので、早めに病院へ連れて行きましょう。