ブリティッシュショートヘアの特徴
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「ショートヘア」の付く猫種ではアメリカンショートヘアが有名ですが、最近ではブリティッシュショートヘアの人気も出てきています。
ペットショップでも見られるようになってきたブリティッシュショートヘアの身体的な特徴、寿命や体型について紹介します。
身体的な特徴
最大の特徴は筋肉質でがっちりとしたたくましい体つきをしていることです。
体重や体高を見ると特に大型の猫というわけではありませんが、その体つきは骨太で厚い筋肉に覆われています。
丸くて大きな顔と頭をしていて、丸くて離れた目はクリクリとしています。
鼻は低めで、少し短くて骨太な足も特徴的です。
名前の通り被毛は短毛タイプですが、密度が高くて厚みがあります。
やや固めで弾力があってなめらかな手触りの被毛はベルベットにも似ています。
目の色は様々で、毛色に準じていますが、ブルー、グリーン、ヘーゼル、ゴールド、カッパー、オッドアイなどがあります。
もともとネズミハンターとして飼われていたためか、とてもスタミナがあって運動神経も抜群です。
被毛は「ブリティッシュブルー」と言われるブルーが定番ですが、今では様々な色のブリティッシュショートヘアがいます。
寿命や体型
一般の猫の平均的な寿命が15歳くらいだと言われていますが、ブリティッシュショートヘアの平均寿命は14歳から17歳となっています。
平均より長く生きることのできる猫だということがわかります。
もちろん飼育環境や食事管理など、様々なことが関係していますが、できるだけ長く愛猫と過ごしたいものです。
厚みのあるがっしりとした体型をしていて中型から大型猫に分類されるセミコビータイプです。
平均体長は40cm~50cmで平均体重はオスが4.5kg~6.4kgでメスが3.4kg~5.5kgとなっています。
アメリカンショートヘアを含めた一般的な猫の平均体重と同じ程度の大きさだということがわかります。
ブリティッシュショートヘアの歴史は?
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ブリティッシュショートヘアは2世紀にローマ帝国がイギリスを攻略した時に連れてきた猫だと考えられていて、イギリスでは最古の猫種のひとつとされています。
運動能力が高い猫として評価を受け、ネズミハンターとして活躍しました。
その後ローマ人が引き上げてからもイギリス国内で繁殖を続け、1871年にはロンドンで開催された世界初のキャットショーで数々の優秀賞を獲得し、世界中で注目されるようになりました。
そして1890年代になるとイギリスにおいてブリティッシュショートヘアの名称で正式な猫の一品種として公認されるようになりました。
第一次世界大戦や第二次世界大戦において、食糧不足などで猫の飼育が難しくなりブリティッシュショートヘアは品種存続の危機に瀕しました。
そこでロシアンブルーやペルシャ猫との交配計画が始まり、これらの繁殖家たちの尽力により、窮地を脱することができました。
ただ交配相手が混乱したため、それまでになかった毛色と体型の個体が誕生するようにもなりました。
1970年代に入ってアメリカに持ち込まれたブリティッシュショートヘアはそこで人気を獲得し、1980年代になるとアメリカにおいても公認を受けるようになりました。
1979年にはキャットショーへの参加資格を得るようになりましたが、前述のように交配相手の混乱が原因で時々ロングヘアのものが産まれるなど品種の確立に手間取るようになりました。
最初は注目されていなかった長毛タイプの子猫は、やがて新たな猫種として確立しようとする愛猫家たちの努力の結果として2009年にアメリカの猫種血統登録団体TICAに「ブリティッシュロングヘア」として公認され、キャットショーにも参加するようになりました。
今日ではアメリカで「ローランダー」、ヨーロッパでは「ブリタニカ」などと呼ばれ人気を拡大しています。
かつては大型の猫種だったブリティッシュショートヘアは交雑の結果、今では中型のセミコビータイプになっています。
1620年代のアメリカへの移民の時にメイフラワー号に乗っていたのはこのブリティッシュショートヘアだとされていて、アメリカンショートヘアの基礎となったと考えられています。