国境の街の悲しい光景
悲しい目をした犬
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ある日ティファナ在住の女性カーラさんは車の下で震えている一匹の犬を発見しました。何度も試みた末にやっとのことで捕獲に成功しましたが、その犬の体は堅い皮膚に覆われ、腰骨が浮き出るほど痩せていました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
こちらは保護されたばかりの犬の様子です。
その目は伏し目がちでとても悲しそうな様子がうかがえます。
そして体中のあちこちに脱毛がみられ、本来どんな容姿の犬なのかがこの状態では見当もつかないほどです。
一体この子の身に何が起こっていたのでしょうか。
ボロボロだった
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獣医師は疥癬の他にエールリヒア症に感染していると診断しました。そのためカーラさんはメキシコからアメリカへ犬を搬送したり医療費を募る活動をするベッキーさんに助けを求めました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
疥癬とはヒゼンダニという目に見えないほど小さなダニが皮膚に寄生し発症する皮膚疾患の一つで不衛生な環境に暮らす放浪犬によく見られる症状ですが、放置するとまるで鎧をまとったように皮膚がカチカチになり激しい痒みも伴います。
更にマダニを介して感染する病気の一つエールリヒア症にかかっていたとは、この子がこれまでどんな暮らしを送って来たのかは容易に想像がつきます。
本来の姿が現れて来た
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絶対に諦めまいとベッキーさんは医療費の半分を自腹で捻出しました。そしてエリオットと名付けられたその犬はカーラさんとベッキーさんの期待に応えるようにみるみると回復し始めたのです。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
こちらが治療をスタートしてしばらくした頃のエリオットです。
保護当初の写真と見比べて見るとその進歩は一目瞭然です。
少しずつ伸び始めて来たレッドの被毛。
この子がこれからどんな犬へと変身して行くのかが楽しみでなりませんね。
いざ、自由の地へ
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数か月後、エリオットの被毛はフワフワになって来ました。そして健康状態が安定し始めた頃、ベッキーさんによって自由の地サンディエゴへと送り出されました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
命の恩人のカーラさんに見送られながらアメリカへと旅立とうとしているエリオット。
その優しい表情がカーラさんの人柄を物語っていますね。
貧しい暮らしを強いられている人々が多いメキシコ。
恐らく誰もがボロボロの犬に構っている心の余裕など無かったことでしょう。
しかしこれから向かう先にはきっと希望に満ちた未来が待っているはずです。
出会いに時間はかからなかった
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渡米後間も無くサンディエゴ在住の女性キムさんがThe Barking Lotのページでエリオットの存在を知りました。忙しいキムさんとパートナーは穏やかな大人の犬を探していたのです。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
「彼に会って散歩に出かけたの。優しくて引っ張らないところが気に入っちゃった。吠えないし人懐こいし、すごくハッピーな子だったわ」とキムさん。
こちらがキムさんカップルとエリオットの初めての出会いの様子です。
怯えて悲しい顔をしていたエリオットの表情はなんだか自信に満ちているように見えます。
そしてみんなが笑顔です。
この様子を見る限り、最高の結末しか思い浮かびませんが...
トラウマを抱え引きこもりがちだった
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エリオットを自宅に連れて帰った二人は彼にアッシャーという新しい名前を授けました。新生活を始めたアッシャーでしたが、まだ過去のトラウマを克服できておらず、家具に飛び乗ることを恐れ、一日のほとんどを静かに過ごしていました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
こちらはクリスマスの時の様子でしょうか。
アッシャーがカーラさんに保護されたのは8月の暑い夏の日だったらしいのですが、4か月経った12月の時点でもこの通り。
決してソファーに飛び乗って陣取ったりすることなく、とても控えめに床に伏せています。
キムさん達と初めて出会った時はとてもハッピーだったというアッシャーですが、彼の心の奥に刻まれていた辛い思い出は短時間で克服できるレベルではなかったのだと思い知らされます。
やがて2年が過ぎ...
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2年という時の流れの中でアッシャーはゆっくりと心を開きやんちゃな一面も見せるようになりました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
「最初はおもちゃにも興味が無くて、音が出るのをあげると変な目で見られたわ。でも次第に彼はぬいぐるみが好きだとわかったの。今では音の出るおもちゃ以外ならなんでも好きになったわ」とキムさん。
あれほど大人しくて家にこもってばかりだったアッシャーですが、今ではデッキのソファーで日向ぼっこをするのが大好きになったり、家族が帰宅すると嬉しくて吠えるようにもなったようです。
彼がここまで変われるまで2年という長い時間がかかったようですが、諦めさえしなければいつかは心の傷も癒えるものなのですね。
それにしても、ボロボロだったアッシャーがここまでフワフワのハンサムに変わるなんて想像できませんでしたね。
恐らくチャウチャウか何かの犬種のミックスだと思われるアッシャー。
キムさん達にとっては自慢の愛犬でしょうね。
アッシャーは人気者!
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お出かけのたびに彼のフワフワな赤毛は人の目を引きます。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
「どこに行っても話しかけられるのよ。こういう注目って嬉しいものよ。だって彼は素敵だもの。彼の犬生の始まりは辛い事ばかりだったから余計に嬉しいの。こんなに素敵な犬はどこを探してもいないわ」とキムさん。
想像した通り、アッシャーのゴージャスな毛並みはすれ違う人の目を釘付けにしてしまうんですね。
確かにこんなにかわいいお顔でフワフワだとついつい飼い主さんに話しかけたくもなりますね。
困難を乗り越えて来たからこそ今のこの喜びがある。
キムさん達は思いっきりアッシャーを自慢すべきですね。
幸せへまっしぐら
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アッシャーが今の暮らしにすっかり馴染んだところで二人は猫を引き取ることを考えていますが、今のところはアッシャーが二人の愛を独り占めしています。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/hairless-chow-dog-asher-rescued-from-mexico
「彼はいいお兄ちゃんになれるはず。でも一人っ子が気に入ってるみたい」とキムさん。
うちの子記念日をハート型のお手製ケーキでお祝いするキムさん一家。
アッシャーが今にもフライングゲットしそうですね。
2人の笑顔からアッシャーとの暮らしがいかに幸せかが伝わって来ます。
国境の街ティファナからアメリカの地へ渡り幸せを掴んだアッシャー。
その道のりは容易いものではありませんが、ここまで本当によくがんばりました。
アッシャー、これから先は幸せまっしぐらだね!
Scared, Bald Puppy Grows Up To Be The Fluffiest Dog