生後わずか7か月の放浪犬
愛らしいお顔のベア
ベアは3年ほど前にミシガン州フリントの街で放浪犬として保護され、デトロイト・アニマルウェルフェアグループ(DAWG)にやって来ました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/shelter-dog-needs-home
「彼は生後7か月位でとても痩せていたの。最初は預り先で暮らしていたんだけど、家族の事情で預かりができなくなってDAWGのシェルターに来たの」
DAWGの代表者ケリー・ラボンティさんはそう話します。
彼がなぜ放浪していたのかはわかりませんが、生後わずか7か月で一人ぼっちなんてどんなに心細かったことでしょう。
できることなら、預り家族の元でそれまで味わえなかった人の愛に包まれながら、新しい家族に巡り会えることが理想ですが、預り家族側の、どうにもならない事情ということなら仕方ありません。
しかし、ご覧のようにとっても愛らしいお顔をしたベア。
こんなにかわいい子なら、運命の家族に巡り会える日もそう遠くないのでは?と、思ってしまいますが...
人間が大好きなベア
DAWGのスタッフの誰もがすぐに良い家族が見つかるだろうと思っていました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/shelter-dog-needs-home
「ベアは人懐こいの。子供も男性も女性もOKで、お腹を撫でられるのが大好きよ。それに基本的なコマンドも身に着けているの」とケリーさん。
人と上手くやっていけて、しかも子供にも優しいなんて、家族として迎えるのにこんなにピッタリなワンコはかなかいません。
しかも基本のお手やお座りもできるなんて、初めてワンコを飼うという家族でも安心ですよね。
ですが、そんな完璧に近いベアにも、一つだけ問題があったようです。
たった一つの問題とは?
優しい性格のベアですが他の動物とは仲良くできないという問題を抱えていました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/shelter-dog-needs-home
「他にペットを飼っていない家族を見つけてあげたいんだけど、なかなか難しいの。これまで数えきれないほど譲渡会に連れて行ったけど、なぜか誰も興味を持ってくれないの」とケリーさん。
こんなにかわいいベアなのに、シェルターに来て数年もの間、誰にも興味を持ってもらえないなんて信じ難いことですよね。
もしかすると他の動物NGという条件が、里親希望者さんに"扱いづらいのでは?"などの印象を与えていたのでしょうか。
なんだかとっても切ない気持ちになります。
しかしベアの不運はこれだけではなかったようです。
やっと希望者が現れたのに...
「以前、車で一時間もかけてベアに会いに来てくれた女性がいたの。彼女はとてもベアの事が気に入ってくれたわ。広いお庭のある郊外のお宅で、子供もいてベアには完璧な環境だったの」とケリーさん。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/shelter-dog-needs-home
しかしお見合いの当日、予期せぬことが起こりました。
「子供さんがベアじゃなく他の犬がいいと言い出したの」
なんということでしょう。
あともう一歩で幸せを掴みかけていたベアにとって、このドタキャンがどれだけショックだったことか。
「やっと新しい家族できる」
期待に胸を膨らませていたベアは、帰りの車に乗り込むことを拒否するほどだったのだそう。
それにしても、ベアを気に入ってくれたこの女性、きっと悪い方ではないのでしょうが、なぜ事前に子供をベアに会わせなかったのでしょうか?
もしお見合いの場ではなくシェルターで顔合わせをしていれば、ベアにこんな辛い思いをさせることもなかったのではないかと考えてしまいます。
一時的な感情の残酷さ
今年4月、DAWGはベアとその他の犬を連れて「シェルター空っぽ作戦」に参加しました。しかし、一緒に参加した他の犬は全員貰い手がつきましたが、ベアだけが取り残されてしまいました。出典:https://www.thedodo.com/close-to-home/shelter-dog-needs-home
「シェルターに戻ったベアの様子が悲し過ぎて写真を撮ってSNSに投稿したの。するとたくさんの人が『私が引き取ります』って。でもそういう人の99%は口先ばかりだったの」
こちらは、たった一匹取り残され、シェルターに戻った時のベアの様子です。
確かにこんなに悲しい顔をした犬の姿を見れば、誰もが同情するかもしれません。
しかし一時的な感情での盛り上がりは、ベアを更に悲しい目に遭わせるだけになってしまいます。
実際「引き取りたい」とコメントしたほとんどの人が、結果的にはただの「ひやかし」で終わってしまったのだそう。
SNSというものとは便利ですが、時には残酷なものにもなり得ますね。
ベアの悲劇はこれで終わりではなかったようです。
続く不運…ベアは幸せを掴むことは出来るのでしょうか?