誰かあの子を助けてあげて!
発見者の呼びかけでレスキューが動き出した
それは2015年4月のこと。ある女性が顔面が石のようにガチガチに固まっている犬を目撃しました。そして女性は誰かがその犬を救ってくれることを願いFacebookに写真を投稿したのです。出典:https://www.thedodo.com/dog-turned-stone-rescued-1585263044.html
このように遠くから見ても明らかに皮膚に異変が生じているのがわかる状態のこのワンコ。
体のところどころに脱毛もあり、お世辞にも健康とは言えない状態です。
そのガチガチの皮膚の状態からペトラ(ギリシャ語で石という意味)と呼ばれるその犬は、発見当時とても怯えていたのだとか。
果たしてペトラを無事捕獲し助けることはできるのでしょうか?
救いたい!だからなんとしても捕まえる!
ペトラはその怯えようから、それまで人と全く関わり無く生きてきたと推測され、近づくことさえ不可能に近い状態でした。そのため彼女の保護は困難を極めましたが、誰一人諦めようとしなかったのです。そしてやっとのことで捕獲されたペトラは、治療とリハビリのためSave Greek Strayのバリラ・オルファニドゥさんの元へと向かったのです。出典:https://www.thedodo.com/dog-turned-stone-rescued-1585263044.html
人慣れしていない犬は非常に注意深いことから捕獲機などで簡単に捕獲とはいきません。
具体的にどのようにして捕獲に成功したのかはわかりませんが、レスキューの諦めない気持ちが捕獲成功に至ったことは言うまでもありません。
さぁ、これから心と体の治療がはじまります。
しかしペトラが患っている病とは一体どんなものなのでしょうか?
ペトラの抱える病気
ペトラの健康状態は酷いもので、全身をを治療する必要がありました。特に彼女の顔周りの疥癬(かいせん)は酷く、まるで顔全体が石で覆われているような状態だったのです。出典:https://www.thedodo.com/dog-turned-stone-rescued-1585263044.html
皆さんは疥癬という病気をご存知でしょうか?
疥癬はあらゆる動物にみられる皮膚病ですが近いところでは犬、猫、たぬきなどによく見られる病気です。
原因はヒゼンダニというダニの寄生によるもので激しい痒みを伴う辛い症状が現れます。
もし治療せず放置されると死に至ることさえある非常に恐ろしい病気です。
治療法としては内服薬としてフィラリア予防薬にも多く用いられるイベルメクチンが有効とされ、外用薬としてはノミ・ダニ駆除薬のフォートレオンなどに含まれるぺルメトリンという成分を用いてダニ(ヒゼンダニ)を駆除していくという方法が一般的のようです。
ペトラの辛そうな顔を見ると一刻も早く治療してあげたいところですが...
苦しみは体だけではなかった
ペトラの治療は開始されましたが、それでも彼女の苦しみは続きました。出典:https://www.thedodo.com/dog-turned-stone-rescued-1585263044.html
「問題はペトラが誰も信用していないということ。自分のケージから出ようとしないし、他の犬が近づくと隠れながら唸るの」とバリラさん。
病気の他にペトラが苦しんでいたこととは、他との触れ合いに馴染めなかったことだったのですね。
それまで野良犬として暮らしてきた彼女にとって、シェルターでの人との暮らしや他の犬との共存など、恐らくそれまで経験すらなかったことづくめだったのでしょう。
それにしてもあまりにも酷い状態のペトラの疥癬。
このゴツゴツした石の仮面の下には、どんな素顔が隠されているのか想像すらつきません。
そんなペトラ、悲しいことに初めてバリラさんが近づいた時は恐怖のあまりにケージの中でオシッコを漏らしてしまったのだそう。
なんだかとても切ないですね。
しかし、これであきらめるバリラさんではなかったのです。
ゆっくりと心の距離を縮めていった結果…