言葉なんていらないロバと少女の固い絆
ショックス(Shocks)という名のロバは,アイルランドの牧場で発見されました。出典:https://www.thedodo.com/therapy-donkey-helps-girl-speak-2369029502.html
その時,彼の首にはロープがきつく巻きつけられていたのです。
きつく縛られた首の周りは傷だらけで,痛がっている様子だったのです。
その様子を見た牧場主は,良かれと思い,傷口に消毒液をかけたそうです。
この状況を考えると,このロバが今までどんな人生を送ってきたのか…想像しただけでも心が痛みます。
首にロープを巻きつけられた状況で,誰にも救いを求めることが出来ず…
痛くて仕方がないのに,その声も届かず…頼れるはずの牧場主からは適切な手当ても受けられず…
見えるのは”絶望”だけだったかもしれません。
まさに彼が絶望から抜け出すことが出来た瞬間だったかも知れませんね。救いの手を差し伸べられたことで、ショックスの人生を大きく変えるきっかけとなったのです。出典:https://www.thedodo.com/therapy-donkey-helps-girl-speak-2369029502.html
適切な手当てもしてもらえなかった自分が,世の中の役に立つなんて・・・
ショックスは夢にも思わなかったでしょう。
こんな悲惨な状況から救われたことこれだけでも奇跡だったかも知れません。
とりあえず,この瞬間が彼の人生の全てで,
「これからどんな人生が待ち受けているのだろう…」なんて,考える余裕もなかったかもしれませんね。
ショックスが歩みだした人生
”動物との触れ合いで、人々の心を癒す”ショックスはイギリスのバーミンガムにある”The Donkey Sanctuary in Birmingham”というロバの保護区域で暮らすことになったのです。出典:https://www.thedodo.com/therapy-donkey-helps-girl-speak-2369029502.html
この保護区域では十分な世話を受けていたなかったり,虐待を受けたロバを保護して,セラピーロバになるための訓練を行っているのです。
というのが,”アニマルセラピー”だそうです。
世の中にはそんな私達人間の心の支えとなってくれる動物達が存在しているそうです。
虐待を受けたり,人間に不信感を抱くロバたちが同じ種族である人間を癒すことって可能なのでしょうか?
思い出したくない記憶を思い出したりしないのでしょうか…
アンバーが歩む過酷な人生
そんなショックスがアンバー(Amber)に出会ったのは2013年のことでした。出典:https://www.thedodo.com/therapy-donkey-helps-girl-speak-2369029502.html
その時,アンバーは2歳。言葉を発することが出来ない女の子だったのです。
アンバーは双子で産まれましたが,早産だったこともあり呼吸が出来ない状態でした。
このままでは,彼女の生命が危ないということで,産まれたばかりでしたが,手術を受けなければならなかったのです。
アンバーは緊急気管切開手術を受けたのです。
この手術は,器官にチューブを入れ,気道を確保するものでした。しかし,この手術で声帯からの気流を塞いでしまうことになり全く口が利けない状態になってしまったのです。
この世に生を受けるや,過酷な運命を背負った女の子アンバーちゃん。
赤ちゃんが自分の要求を訴えるときに必要なのは,声…そんな声を失ってしまったようです。
しかし,声が犠牲になることで,命という大切なものは守られ,アンバーちゃんが生きられるんですよね。
自分の要求を伝えられず、言いたいことも言えず…困難な人生を歩むことになったアンバーちゃん。
どんな女の子なんでしょう。
アンバーは脳性小児麻痺を患っていて、なかなか筋肉がつかず運動面で支障をきたしていたのです。出典:https://www.thedodo.com/therapy-donkey-helps-girl-speak-2369029502.html
「アンバーは上体を起こすことが難しそうだったし,なかなかはいはいする気配を見せなかったんだ。」と父親は語ってくれました。
そんな時,アンバーの母親であるトレイシー(Tracy)さんは,特別な配慮が必要な子どもたちを支えてくれるロバの存在を友人から教えてもらったのです。
不安で悲しむ表情アンバーちゃん…心が痛みます。
首に装着された装置が痛々しそうです。
そんな彼女にしっかりと腕を回しているアンバーちゃんのお母さん、
彼女にとって心の支えとなる存在ですよね。
どんな生活が待っているのか