またたびの正体は媚薬!その理由とは?
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まずまたたびとは、つるになって木に絡みつく植物で、人間にも身近な漢方薬として昔から使われてきました。
前提として、毒素があるような植物ではなく、漢方薬では煎じて利尿薬や血行促進のために使われたり、強壮作用、つまりは元気の源として、民間治療で使われてきたものです。
しかも花は、おひたしで食べたり、山菜としてわりとポピュラーな食材としても有名なんですよ。
またたびの名は、江戸時代はその昔の人が、長旅の途中で疲れてしまっても、またたびの実を食べれば強壮剤となって元気になることから、「また旅ができる」ということから名づけられています。
人間にはちょうど良い活力剤でも猫は若干効きすぎる場合もあるので、そこがちょっと注意することなんですね。
なんで猫はまたたびで喜ぶの?
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またたびは危険なのでしょうか?
「またたびを与えると、呼吸困難になって死ぬ」というのは根拠のないデマだと思いますが、恐らくそれはまたたびの生の実を与えたのではないでしょうか?
猫に効くのは、マタタビの葉や茎、果実に含まれる、2つの成分で、大脳と、脊髄、延髄を麻痺させ、全身が麻酔を受けた状態と同じになり、一種の陶酔効果があるからです。
それもずいぶん最近になって、日本の学者がその成分を突き止めました。
この主成分は、アルコールに近いといっても、香りが主成分であり、どちらかといえばエタノールとか、エーテルに近いもので、人間の飲むアルコールとは全く違うものです。
さらに、マタタビに含まれるアクチジンとよばれる物質は、昆虫が出す天然のフェロモンに近く、もう一つの成分は揮発性で、人間でも多量に食べれば嘔吐などの副作用があります。
フェロモンが関係するので、オス猫よりもメス猫のほうが強い反応を示しますが、子猫・去勢した猫には反応が鈍いので、効果のあるのは、去勢前のメスの成猫で去勢していない個体だけということになります。
またたびの与え方:どんな時に与えればよいの?
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またたびの与え方を知っておきましょう。
まず、またたびの木片では大きなものは与えないほうが無難ですね。危険を避けられます。
芳香は皮の周辺にあるため、麻痺が長いと覚醒まで時間がっかってしまいます。
勘違いしないでほしいのはまたたびの効果は「興奮」ではなく、「麻痺」である点です。
痺れて動けなくなるのと、興奮のショックで倒れるとは質が違うものだと理解できるでしょう。
誤解のないように、ご理解していただけたらと思います。
野生のキウイでも効果がある!
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食用として品種改良された市販のキウイは無関係ですが、もともと中国原産のキウイはまたたびに属する植物です。
野生のキウイの木の根は、マタタビと似たような成分が含まれるので、田舎のキウイ畑などは、根を掘り起こす作業になると野良猫がやたらと集まって、ゴロゴロと喉を鳴らしたり、クネクネと陶酔した様子が見られることがあるそうです。
敏感な個体は、市販のキウイの実でも若干反応するそうですが、だからって実を与える必要はありません。
使用頻度
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すべての猫が反応を示すわけではありませんし、芳香で酔うため持続性は低いのです。
したがって、あくまでも”奥の手”として取っておくのが賢明ではないでしょうか?