黒柴の特徴
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「黒柴」は被毛の色で呼び方が分かれているだけで、犬種としては「柴犬」になります。
柴犬は大きく分けて4種類(赤茶、黒、白、胡麻)に分類されます。
このうち、赤茶が8割、黒と白がそれぞれ1割、胡麻はそれ以下で非常に希少です。
黒柴も全体の約1割ですから、希少性が高いですね。
黒柴の外見的特徴
黒柴は、「墨色」「鉄さび色」と呼ばれる黒っぽい被毛が、頭からしっぽまで覆っています。
あごの下や腹、胸、しっぽの下は白色で「裏白」(うらじろ)と呼ばれています。
足は靴下を履いているように白模様が入っており、黒柴は全体的に色のバランスが良いことも人気のひとつです。
そして両目の上に、茶や白の斑点がまゆげのようにあり、「四ツ目」(よつめ)と言われ、黒柴の最大の特徴です。
この「四ツ目」は、よく見ると赤柴にもあることがわかりますが、黒柴は黒い被毛に対して茶や白で模様がはいっているため、はっきりと浮き出すように見えます。
そのため外敵から目を守るためのカモフラージュと言われ、「4つの目」の意で「四ツ目」と名付けられているわけです。
マロ眉のようで愛らしく、この眉模様により表情が豊かに見えるので、さらに笑顔をかわいく愛嬌たっぷりに魅せています。
小さめの立ち耳で、目は三角形気味で目尻が切れ上がっていますが、黒目がちでつぶらな瞳をしています。
黒く体格のしっかりした格好良さと、マロ眉とつぶらな瞳に口角があがった愛らしい笑顔のギャップに惹かれる方も多いですね。
ふさふさな毛の巻き尾も特徴的で、個体によって右巻・左巻・さし尾など巻き方が異なっています。
黒柴の寿命・体型
体型や寿命は、「黒柴」としての特筆事項はなく、一般的に呼ばれる「柴犬」と同じになります。
オスのほうがメスより大きめで、オスの平均体高は38~41㎝、平均体重は9~11㎏です。
メスの平均体高は35~38㎝で、平均体重は7~9㎏となります。
足と胴のバランスがよく、犬全体の中でも大きさ、骨格、筋肉量のバランスはとても良いとされている犬種です。
分類上は小型犬ですが、中型犬として扱われることも多いそうです。
ペットサロン等で小型犬と中型犬で値段設定が異なる場合や、「小型犬のみ可」とされているマンションやお店など、サイズ表記が曖昧なため注意が必要ですね。
寿命は、12~15歳と言われており、犬全体の平均寿命が10~13年ですので、長生きする犬種です。
15歳前後まで生きる柴犬が増えていますが、長生きする代わりに認知症になる柴犬も増えています。
高齢になっても、少しの時間、少しの距離でも外へ散歩に行きましょう。
外に行くことは脳を刺激し、認知症の予防になると言われています。
「キツネタイプ」と「タヌキタイプ」
黒柴の顔つきと体型は、「キツネタイプ」と「タヌキタイプ」の2パターンに分かれています。
「キツネタイプ」は、細く面長な顔で、シュッと引き締まった体型をしています。
「タヌキタイプ」は、頬は張っており丸顔で、体型もマッチョで足が太めなところが特徴です。
どちらのタイプがお好きですか?
子犬を選ぶときに、親犬を見るとイメージは沸くかも知れませんね。
また、黒柴や赤柴を見かけたら「どちらのタイプの柴犬かな」と見てみてください。
面白いですよ!
黒柴の歴史
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甲斐犬純粋な日本犬で、「日本人の歴史と密接に関わる犬」と言われています。
日本犬のルーツは古く、1万年以上も前に遡り、世界的に見ても最古の犬種のひとつです。
柴犬の先祖は原始時代に南方から渡ってきたとされており、縄文時代の遺跡として知られる愛媛県の上黒岩岩陰遺跡から、柴犬の祖先といわれる犬の骨が発掘されています。
縄文時代から、人と一緒に狩りに出て、非常に大切に扱われていたため、人間が埋葬されているお墓に柴犬も一緒に埋葬されているケースが多いようです。
主に狩猟犬として、山岳地帯でキジやヤマドリ、ウサギなどの小動物の狩猟をしていました。
島国日本では、混血があまりなくもともとの形を変えないまま存在してきた柴犬も、明治時代に大量に日本に入ってきた洋犬との雑種化の波にのまれます。
そのため、柴犬を含む「日本犬」が絶滅の危機にさらされたため、日本犬の血統を守るために「日本犬保存会」が設立され、昭和11年12月に柴犬は日本の「天然記念物」に指定されました。
「天然記念物」に指定されている日本犬は6犬種で、指定年代順に「秋田犬」「甲斐犬」「紀州犬」「柴犬」「四国犬」「北海道犬」です。
上記の他にも「越の犬」が指定されていましたが、すでに純血種が途絶えてしまっており、現在はこの6犬種になります。
飼育されている日本犬のうち8割超は柴犬です。
生まれる被毛の比率的にも、赤柴がダントツの飼育数ですが、ルックスの良い黒柴の人気が年々あがっており入手するうえでの競争率があがっているそうです。
また、海外とくにアメリカでも柴犬ブームが起きており、色に関係なく「Shiba-inu」や「Shiba-dog」「Shiba」と呼ばれ、SNSを中心に話題を呼んでいます。