中国の女子テニス選手が共産党最高幹部の元副首相から性的関係を求められた問題は、香港や新疆ウイグル自治区の人権弾圧ともからんで、来(2022)年2月の北京冬季オリンピックの開催論議に発展しそうだ。「外交的ボイコットでなく、全面ボイコットの声が出ています」と11月26日、司会の羽鳥慎一が伝えた。
1980年のモスクワ五輪ボイコットを担当したカナダの元外交官エリック・モース氏は、地元紙に対し、外交的ボイコットだけでは「中国が派遣選手を危険にさらしかねない。中国は面目をつぶされると、際限なく報復する」と指摘、全面ボイコットを主張する。選手が人質的に拘束される可能性があるというのだ。選手も派遣しない方がいいとの議論が大っぴらに語られるようになった。
長嶋一茂「選手が行けなかったらかわいそう」
一方、こんな中で、中国外務省の趙立堅副報道局長は「中国は東京オリンピックを全力で支持したのだから、日本は信義を重んじるべきだ」と、怒りの矛先を日本に向けた。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「東京五輪のあとに北京冬季五輪があったからで、べつに信義の問題ではないと思うけどなあ」
廣津留すみれ(バイオリニスト)「アメリカはウイグルや香港の問題をふくめてボイコットを検討している。それが選手まで及ぶとどうなのか。日本が人権問題でどういうポジションをとるかです」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「中国とは政治外交とスポーツ外交を区別しないとつき合えない。選手が行けなかったらかわいそうと思うな」
羽鳥「中国はオリンピックをやる資格があるのかの批判が出ています」
選手の人権も守っていない国でオリンピックを開くのが、本当に選手のためかという問題でもある。単純な感情論だけでは仕切れない。
玉川「以前の冷戦とは経済的結びつきがちがう。全面ボイコットできるのか、舵取りがむずかしい」
(あっちゃん)