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「ブルーピリオド」アニメ版 主人公・八虎の声、「イメ―ジ通り」で安心


TBSサイトの番組表「スーパーアニメイズム」より

<スーパーアニメイズム「ブルーピリオド」(MBS・TBS系)> 漫画好きの麒麟・川島がオススメ漫画として紹介していた山口つばさ「ブルーピリオド」(講談社アフタヌーンKC)が気になったのですぐに読んだら、たしかに面白かった。2017年8月号から「月刊アフタヌーン」に連載され、2020年にはマンガ大賞にも選ばれている。

主人公の高校生・矢口八虎は、スクールカースト上位の充実した日々を送りつつも、どこか空疎な焦燥感を抱えていたが、ある日、一枚の絵に心を奪われ、その衝撃が彼を駆り立て、美術部、予備校と学ぶなかで成長を遂げ、藝大受験を志すストーリー。

八虎のモノローグが多く...

初心者の八虎が上達していくとともに、見ているこちらにも自然と美術の知識や技術的なことが入ってくるところ。学ぼうとしなくても漫画を読むだけでなんとなく絵が巧くなったような気にさせてくれるからありがたい。作者自身が東京藝術大学卒ということもあり、描かれる世界はとてもリアル。美術をテーマにしたスポコン漫画という声もある。

10月(2021年)スタートのアニメ版も、原作漫画に沿ったかたちで、世界観を繋ぐ。八虎役の声優・峯田大夢もイメージどおりで悪くない。この物語はとにかく八虎のモノローグが多く、声に違和感があると辛いので、初回を見て安心した。藝大受験生は個性的で、一種、学園モノの要素もありながら、ベタベタした友情物語にならないところもいい。

11月20日未明(金曜深夜枠)放送の第8話「脳汁プシャー」では、いよいよ藝大の第1次試験。与えられたテーマ「自画像」をどう描こうかと葛藤するところが見せ場。鏡を見ながら、自分の中の二面性をどう表現するか、悩んでいたところ、前の受験者がぶつかり、八虎の鏡を割ってしまい、割れた鏡を前にある表現を思いつく。極限まで追い詰められた主人公があることをきっかけに開眼。「脳汁プシャ―」する感じがまさにスポ根だ。

主人公のモノローグが多いということはラジオドラマにも近い。おとなも落ち着いて見られるアニメとしてオススメしたい。

(子守熊)

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