「DXがすすまない」「デジタル人材が確保できない」といった企業・人材のほとんどに共通するのが、リスキリングに取り組めていない。
そんな切実な事情・課題を抱える企業に向けて、「経営ビジョンから逆算するリスキリングの第一歩」と開かれたイベントが「生成AI時代のリスキリングサミット 2024」(9/11.12 @東京国際フォーラム)。
内閣府・デジタル庁・厚生労働省・経済産業省・文部科学省・東京都が後援し、生成AI時代のリスキリングを推進する国策のプロフェッショナルファーム KIZASHI(東京都渋谷区)が実行委員会幹事社として開いたイベントで、参加者たちは次のようなメリットを共有した。
◆リスキリングの成功モデルから組織力強化を図る―――産官学金からリスキリング領域の有識者による特別講演・トークセッションを開催。人材開発の戦略設計や、変革に強く競争力を高める組織作りのアイデアを知る。
◆未来のDX戦略を先取り:組織の業務効率最大化を図る―――生成AIをはじめとしたITツールの最先端技術を扱う企業によるトークセッションを開催。業務効率を最大化し、企業の売上アップに繋がるヒントを得る。
◆業界横断ネットワーキングで新ビジネスを発掘―――同業他社や業界リーダーとのつながりを構築し、ベストプラクティスを共有できる機会を提供。最先端のアプローチを導入し、自社の人材戦略を強化すると同時に、新たなビジネスチャンスを発見。
―――そこで、今回の「生成AI時代のリスキリングサミット 2024」(9/11.12 @東京国際フォーラム)で注目を集めた基調講演やクロストークをダイジェストでチェックしていこう。
「8掛け社会のリスキリング〜」
―――基調講演「8掛け社会のリスキリング〜」では、自由⺠主党 小林史明 衆議院議員が、同イベントの冒頭でこう伝えた。
「10 人でやっているいまの仕事を 8人で回せるようにするという考え方が 8掛け社会(人口減少社会)です。
2050年には人口が 1億人を切り、現在と比較して 2割減の社会がやってきます。2040年になるとさらに 2割人手不足になります。
暗い気持ちになる人口減少社会ですが、わたしはこれを前向きにとらえたい。
8掛け社会を回せるようにする。それが明確な目標です。このために、みんなでなにができるのか考えるのがこれからの 20年です」
―――続いてジャパン・リスキリング・イニシアチブ 後藤宗明 代表理事が「生成AI時代のリスキリング 〜1人ひとりが学際的スキル(IDスキル)を持つ重要性〜」についてこう語った。
「現時点で AI が得意なことは「正解を出すこと」「特定タスクを深掘りすること」であるため、生成AI時代を生きる人間に必要なスキルは「AI の不正解を見抜けるレベルの専門性」「問いを立てる力(課題を発見する)」。
これから重要なのは、いまあるものに何を掛け合わせていったら、新しい価値がつくれるのかという学際的スキル(学問の世界で使われる人文科学や自然科学、社会科学といった複数の分野を組み合わせること)やスキルデザインである」
鈴木奈々「人の役に立つキャリコンに」
また、「キャリコングランプリ」に鈴木奈々、kakedas 代表取締役 渋川駿伍 CEOが登場。
優秀なキャリアコンサルタントを表彰する「キャリコングランプリ 2024」には、リスキリングでキャリアコンサルタントの資格取得をめざすと公言している鈴木奈々が「人の役に立つキャリアコンサルタントなります!」と宣言した。
AI時代、ビジネスの現場と人材ニーズは?
2日目は、サイバーエージェント 常務執行役員 曽山哲人 CHO、ジェイック 近藤浩充 常務取締役、エクサウィザーズ はたらく AI&DX 研究所 石原直子 所⻑が登壇し、「AI時代、ビジネスの現場と人材ニーズはどう変わるか?」について議論。
ビジネスの平場に AIが投入されつつあるいま、企業の人材ニーズをどのように変えていくのかを考えた。
「生成AI に対応する企業へ変化させたり、会社全体や社員の意識を変えるにはまず、管理者が率先して勉強し、成功事例を見せるべき。管理者が成功すれば社員は必ず注目します」(曽山 CHO)
「AI の活用によって業務効率が上がれば上がるほどマネジメントとしては部下の強みを活かすことや先輩後輩関係なく、人としての接し方が大事になってきます。トップダウンの時代からダウントップの時代になります」(近藤 常務)
AI時代、変わるスキルと変わらないスキル
そして、デジライズ 茶圓将裕 代表取締役、SHIFT AI 木内翔大 代表取締役、AINOW 編集⻑ / Cinematorico 共同創業者 兼 COO/Cynthialy おざけん CCO は、「AI 時代を生き抜く – 変わるスキルと変わらないスキル」をテーマにトーク。
おなじみの3人らしく、あえて事前に打ち合わせなしでトークが始まり、生成AIまわりの最新トレンドを共有した。
「生成 AI スキルがある人とない人で生涯年収は 10億円変わります。生成AI が人間の仕事を奪うのではなく、生成AI スキルを持つ人間が持たない人間の仕事を奪うようになると考えています」(木内 代表)
そんな木内 代表が最近、瞑想にはまっていることを知った おざけん CCOは「生成AI 時代だからこそ、自分を見つめ直す時間こそが人間らしい大事な行動になってくる」と共感し、自分を広げる・深めるための思考力は、生成AI 時代も変わらず必要なスキルであることを伝えた。
―――この「生成AI時代のリスキリングサミット 2024」(9/11.12 @東京国際フォーラム)の実行委員会幹事社である KIZASHI(東京都渋谷区)は、「国策を企業に実装する。」をミッションに掲げる国策のプロフェッショナルファーム。
経済産業省や厚生労働省をはじめとする官公庁と連携し、国策を深く理解して企業の成長に結びつける事業を展開中。
国策という未来へのヒントを紐解くことで、より多くの企業が兆しに向き合える日本社会をめざしていくという。
https://kizashi-co.jp/