EY Japan は、経済産業省が推進する J-Startup プログラムの地域展開「J-Startup WEST」の協力のもと、持続可能な社会の実現をめざし、地域経済・社会的課題の解決に取り組む地方起業家の育成、その事業の拡大、地方創生に貢献することを目的としたアクセラレータープログラムを中国地方の支援者とプロボノで、2023年11月から2024年3月まで共同開催。
そして3月28日、EY Japan 本社で、中国地方の起業家育成を目的としたアクセラレーター最終ピッチ大会が開かれ、8人の起業家(最終ピッチ者)がピッチ(5分間プレゼン)に挑んだ。
高木 大地 Cone・Xi 代表取締役
三宅 紘一郎 ナオライ 代表取締役
大野 圭司 ジブンノオト 代表取締役
奥原 啓輔 プラチナバイオ 代表取締役 CEO
上田 剛慈 ハイドロヴィーナス 代表取締役
森山 昌幸 バイタルリード 代表取締役
横山 文洋 KG モーターズ 取締役
今井 恵子 patternstorage 代表取締役
この最終ピッチ者の事業ビジョンを聞き、審査したのは、有馬 暁澄 Beyond Next Ventures Partner、谷口 明依 ココナラ Co-founder 兼 ボーンレックス エンジェル投資家、イノベーション 鈴木 積 水化学工業 新事業開発部 イノベーション推進グループ長、曽我 悠平 フェムパートナーズ ゼネラルパートナーの4名。
中国地方の潜在力を持つスタートアップ企業をサポート
今回、プログラムの対象となった中国地方は、人口減少や産業構造の変化がすすむいっぽう、潜在力を持つスタートアップ企業が数多く存在するエリア。
EY Japan のアクセラレータープログラムは、経済産業省の J-Startup WEST 企業をはじめ、中国地方に縁のある起業家に対して、それぞれの企業が抱えるさまざまな課題を個別具体的に解決するため、特性・ニーズに合わせた人材・情報などを多岐にわたる分野の企業と協力してスキルを無償提供し、事業拡大をサポートするもの。
またその活動を通して、中国地方のスタートアップコミュニティーのエコシステム形成に寄与し、持続可能な地域と社会の実現にむけて取り組んでいる。
イノベーション賞はハイドロヴィーナス
そして今回、それぞれがピッチに挑み、イノベーション賞、ソーシャルインパクト賞、アントレプレナー賞を選出。
イノベーション賞は、ハイドロヴィーナス 上田 剛慈 代表取締役に。
ハイドロヴィーナス(Hydrokinetic Vortex Energy Utilization System:流体動学に基づく渦エネルギー活用システム)は、プロペラを回転させる代わりに、頑丈な振り子をゆっくりと振動させて発電し、潮流があれば常に動き続けるので、燃料が不要、天候に左右されない発電機として、安定したエネルギーをつくり出せる。
審査員は、「水関連のホット市場で地産地消の取り組みということで、競合優位性を評価、大学連携などで人材を常備している点もポイント」と評価した。
ソーシャルインパクト賞はプラチナバイオ
ソーシャルインパクト賞は、プラチナバイオ 奥原 啓輔 代表取締役 CEO に。
プラチナバイオは、宗教や文化による思想、アレルギーや健康上の理由で食の制限を持つ人々がそのバリアを感じず、食の楽しみを共有できる取り組みを推進。
事業パートナーと連携し、ゲノム編集により特定アレルゲン物質をノックアウトさせた食料資源を開発している。
審査員は、「世界中で問題を抱えているアレルギーへの課題に取り組み、市場の大きさを評価した」という。
アントレプレナー賞はナオライ
アントレプレナー賞は、ナオライ 三宅 紘一郎 代表取締役に。
ナオライは2020年、低温で純米酒からアルコールを抽出する「浄酎」を特許を取得しリリース。
広島県神石高原町の旧日本酒酒蔵に併設する蔵で浄酎を生産し、瀬戸内の三角島で有機栽培されたレモンを原料にし、隠れていた地域の価値を活かしてまちおこしにつなげることをめざしている。
審査員は、「日本酒業界の課題に取り組むのは多いなか、価格を揚げられないものを、蒸留という技術を用いて価格を上げてかつ、違う領域へ広げ、横展開可能なモデルを構築した」と評価した。
―――表彰式後、女性起業家支援プログラム(EWW)を立上げ、女性起業家アクセラ、地方アクセラなどを手がける EY Japan 藤原 由佳 パートナーは、「心でやっていることが大事。4か月は短いけど、そこでこの【心】が活きてくる」と想いを伝えた。
◆EY Japan
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