誰もが中学英語で習ったbe made of〜とbe made from〜(以下made of、made from)。あなたはこれら二つの違いを明確に理解し、使い分けられていますか?
- made of〜は「〜でできている、〜で作られている」
- made from〜は「〜から作られている」
または「ofは材料」「fromは原料」と覚えている方もおられるかもしれません。
しかし、そのような言葉のあやでなんとなく理解するのは誤解のもととなってしまいます。そこで今回は、両者の決定的な違いをもっと明確に、もっと分かりやすく解説していきます。
“made of”と”made from”の意味の違いと使い方
問題は素材のままか、化学変化を起こしているか
それでは、次のmade of〜とmade from〜を用いた二つの英文を見てみてください。どちらも正しい英語です。
【例】
①Wine is made from grapes.
「ワインはブドウから作られている」
②This table is made of wood.
「このテーブルは木でできている」
実はこの二つの英文には決定的な違いが一つあります。それは、①はブドウからワインになる過程でその質が全く変わってしまっているということ。つまり化学反応を起こしているのです。一方、木でできているテーブルは、例え加工されていても「これは木でできているな」と見ればわかりますよね?
しかしワインは、私たちが知識として「ワインはグレープから作る」という事実を知っているから分かるものの、もしまだ知識の少ない子供がワインを見ても、これがまさかグレープから出来ているということを判断するのはおそらく難しいでしょう。
①の英文はThey make wine from grapesと言い換えることができます。they=peopleだと考えてください。つまり、from grapes to wine(グレープからワインへと質が変わっている=化学変化)を意味します。それに対して②は、見た目にもそれが木で作られている(性質が木に所属している)ことが分かるので、所属の意味を持つ「of」を使って表すのです。
素材がそのままであれば「of」、素材が変化していれば「from」
これまでの話をまとめると、元々の素材がそのまま残っている場合は「of」を使い、素材が変化して質が変わっていれば「from」を用いるのです。では、復習と練習を兼ねて、違う例も見てみましょう。
【例】
Bread is made ( ) wheat.
「パンは小麦から作られる」
この場合は、ofとfromはどちらが適切でしょうか。正解はfromです。なぜならパンになる過程で、小麦の質がまるっきり変わっているからです。見た目にも、もともと小麦であったことは分かりません。よって素材が変化しているのでfromを使います。
【例】
This dish is made ( ) glass.
「このお皿はガラスでできている」
ではこの英文はどうでしょう。もう簡単ですよね。お皿なのでパッと見れば、それが何でできているのか判断ができます。よって正解は、素材がそのままの時に使うofです。
【番外編】合わせて覚えておきたい「made into〜」
made of〜とmade from〜に関連した表現として、made into〜も覚えておきましょう。一見、これら3つは同じようにも見えますが、made into〜の使い方は前の二つと反対になります。次の英文を見てください。
【例】
Milk is made into butter.
「ミルクはバターになる」
勘のいい方はお気づきかもしれませんが、made into〜では「材料が主語」になります。一方、made of〜とmade from〜は「完成型(加工されたもの)が主語」となります。よって上の英文であれば、「Butter is made from milk」としても同じ内容を表すことができます。
まとめると、made of〜とmade from〜では「This table is made of wood」や「Wine is made from grapes」のように、「wine」「this table」という完成された(加工された)ものを主語にとり、反対にmade into〜では「Milk is made into butter」の「milk」のように、加工されて変化が起こる前の材料が主語になるのです。
これらの違いは「〜から作られる(出来ている)」や「〜へと作り変えられる」のよう日本語訳だけを頼りに考えていては、混乱してしまいます。前置詞の持つイメージと共に、感覚で覚えていくのがおすすめです。
頭でイメージしているとサッと使い分けられておすすめ
いかがでしたでしょうか。
今回紹介したmade ofとmade fromの違いは、受験や英検、TOEICでも問われる重要な文法の一つです。中学で習った基礎文法ですが、その区別が曖昧だった人も多かったのではないでしょうか?
テストはなんとか丸暗記で乗り切れても、使える英語は身に付きません。なんとなく理解したような気になって次から次へと新たな知識を詰め込むのではなくて、「シックリこないなあ」と感じたら、その都度、文法書やネットを使って調べるようにしましょう。語学に焦りは禁物です。一歩一歩、着実に前進していきましょう。