英語の「読み・書き・聞き取り」はできるのに、「話す」のはちょっと苦手・・・という方は日本人には多いのではないでしょうか。そういう私自身もそうでした。これはなぜでしょうか?
私は、自分自身の経験を踏まえて、日本人が英語を話すのが苦手なのは「英語をうまく話すには高度な知識が必要」という思い込みから来るものだというように考えています。
ネイティブの日常会話は、実はとても少ない単語で成り立っているのをご存知ですか?簡単なコミュニケーションだけであれば、中学レベルの英語だけで十分乗り切ることができると言われています。
「高度な英語が身についてから・・・」と英語を話しだすのを待っていたらもったいない!と思います。なんと言っても、英語上達の一番の近道は、外国人の友達を作ってコミュニケーションを楽しむことなのですから。
この記事では、よく使われる基本の動詞を紹介します。さらに、特に表現能力の高い万能な5つの動詞を簡単に説明しながら用例をご紹介します。使い方を覚えれば、日常会話のほとんどをこれらで乗り切ることができますので、ぜひ覚えてみてください。
超万能な『基本の動詞』5つの意味と使い方
これさえ使えればOK?!基本の16動詞
実は、ネイティブの日常会話を聞いていると、とても少ない単語で成り立っていることがわかります。チャールズ・ケイ・オグデンさんという人は、なんと、たった850語の英単語で日常会話をカバーすることができると提唱したそうです。さらには、850語の単語のうち、動詞は以下のたった16個です。
be, do, have, go, come, take, put, let, keep
get, give, make, see, seem, send, say
どれも中学校で習う動詞ですよね。これらはその動詞自体が持つ意味以外にも、overやawayなどの前置詞と組み合わせて、非常に多様な意味をカバーすることができます。
以下では、この16個の動詞のうち、特に表現の幅が広い have, make, get, give, takeの5つの動詞を一つ一つ簡単に紹介していきたいと思います!
超万能な5つの動詞を使いこなして表現の幅を広げよう!
これぞ万能動詞の”get”の意味
ご存知のように、getには「手に入れる」という意味がありますね。
- I got a car.(車を手に入れました。)
- I got an email.(メールを受け取りました。)
このgetは、もっと厳密には「(ある場所や状態に)達する」という意味を持っています。例えば、「手に入れる」という以外にも、「ある場所に到達する」や「ある状態になる」といったような使い方ができます。以下に例をご紹介します。
- I got home.(家に着きました。)
- I got mad.(怒りました。)
このgetは、副詞や前置詞と組み合わせて、色々な意味を持つ句動詞を成すことができます。
- get away(逃れる)
- get across(理解する)
- get on(バスなどに乗る)
- get in(乗る、中に入る)
- get out(降りる、出て行く)
- get off(バスなどから降りる)
- get over(困難などを乗り越える)
- get up(起きる)
- get together(集まる、会う)
「与える」だけじゃない”give”の意味
giveは、ご存知の通り「与える」という意味を持ちますが、このgiveは、有償・無償に関わらず「AからBへの提供」を幅広く表すことができます。さらには、物だけではなく情報などが人から人へ提供される場合などにも使えます。
- He gave me this ring.(彼がこの指輪をくれました。)
- Can you give me your name?(名前教えてもらえますか?)
上の例文のように、give me your name!と言われたら、文字通り「名前をください!」ということではなく「名前(の情報)をください!」ということなので、驚かずに対応してくださいね。
他にも、
- give up(諦める)
- give away(無料で与える)
- give back(借りていたものなどを返す)
などの句動詞があります。
「持つ」だけじゃない “have”の意味
まず、haveが以下のように「持つ」という意味を持つのはみなさんご存知かと思います。
- I have a car.(私は車を持っている。)
この「持つ」というのは必ずしも「ある物体を所有する」だけではなく、目に見えない感情や疑問など抽象的な概念を持つ場合などにも使えます。例えば、
- I have a question.(質問があります。)
- I had a great time.(とっても良い時間を過ごしたよ。)
- I have an allergy to dogs.(私、犬アレルギーなんです。)
などと言いますね。他にも、主語が無機物の場合でも大丈夫です。主語が人でなくても「(地域/国)に(名産品など)があります。」という場合にもhaveを使えばOKです。以下に例を紹介します。
- This product has a new function.(この商品には新機能がついています。)
- Japan has beautiful mountains.(日本には美しい山々があります。)
「作る」だけじゃない”make”の意味
まず、makeが以下のように「作る」という意味を持つのはご存知かと思います。
- I made cookies.(クッキーを作りました。)
さらに、このmakeは、「あるものの性質や状態を変える」という意味でも使うことができます。例えば、
- This movie made me cry.(この映画泣けました。)
- Do not make me mad!(私を怒らせないで!)
などと言えます。また、make+名詞で「する」という意味でも使うことができます。doと異なるのは、makeは目に見えないものや抽象的なものを「する」場合に使うことです。
- I made a reservation.(予約しました。)
- I made a mistake.(間違えてしまいました。)
- I made a presentation at the meeting.(その会議でプレゼンテーションをしました。)
他にも、
- make up(作り上げる、話をでっち上げるなど)
- make out(うまくやる、男女でイチャイチャする)
などの句動詞があります。
「取る」だけじゃない“take”の意味
takeには、ご存知のように「取る」という意味がありますね。
- I took a call from her.(彼女からの電話を取りました。)
- I took a day off.(一日休みを取りました。)
さらには、「持っていく」や「(人や動物を)連れて行く」という意味もあります。
- I took my umbrella with me.(傘を持って行った.)
- Can you take me to the airport?(空港まで連れて行ってくれる?)
また、上のmakeと同様に、take+名詞で「する」という意味で使うことができます。takeは、自分の身体を使って行う動作を「する」場合に使われます。
- I took a shower.(シャワーを浴びました。)
- I took a break.(休みました。)
- I take a walk everyday.(毎日散歩をします。)
他にも、
- take apart(分解する)
- take back(前言撤回する)
- take down(書き留める)
- take care of(面倒を見る)
- take after(似ている)
- take over(乗っ取る)
などの句動詞があります。
以上、いかがでしたか?一つの動詞がたくさんの意味を持っていて、いろいろなシチュエーションをカバーするということをご紹介いたしました。数が多すぎてご紹介しきれなかった句動詞もまだありますので、またぜひ調べてみてください。