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昨年10月亡くなった、声優の松来未祐さんが闘病していた慢性活動性EBウイルス感染症=CAEBV。何が原因で、どんな症状が見られるのか。9月15日にオンエアされた『AbemaPrime』(AbemaTV)では、東京医科歯科大学講師の新井文子さんをスタジオに迎え、解説が行われた。
「EBウイルスほとんどの人が持っているウイルスで、一度感染すると一生駆除されずに残ります。2つの問題のある機能を獲得することで発症すると考えられていて、必ずしも初期で発見されれば回復するというわけではない。極めて早く進行する人もいます」(新井さん)
感染するとどうなるのか? 元CAEBV患者でプロスノーボーダーの荒井daze善正(あらいだぜよしまさ)さんは、自身の体験として、「最初は倦怠感や微熱があり、風邪だと思った。リンパが腫れたので耳鼻科を受診した」と語る。
dazeさんは、その後症状が緩和せず、競技中に支障が出始め、症状を疑いはじめた矢先に自宅で倒れて緊急搬送。そこで「脳髄膜炎を発症している」と言われたとのこと。その後、いろいろな病院を転々とした結果、3つ目くらいの病院で判明。骨髄移植を経て回復したが、治療はとてもハードなものだったという。
発症する人としない人の違いはあるのか。新井氏は
「まだよくわかっていません。初期においては炎症性疾患などが出て、典型的な『蚊アレルギー』で、蚊にさされた際に異常なほどの炎症があらわれることで発見されることもありますが、神経障害や肝炎などとして診断されることも少なくない。血液内科などではだいぶ周知されてはいるが、すべての科の医師が熟知しているわけではないため、発見されにくい状況にあります」
と述べた。
ここで水曜コメンテーターのお笑い芸人・REINA(セクシーチョコレート)が「私なりにこの病気を調べてみたら、『アジアで多い』って情報を目にしたんですけど、そうなんですか?」と質問。これに新井氏は「報告はほとんど日本を中心にした東アジアから受けています。今でも自分がそう思っているのは事実ですが、8月に海外の研究者と話す機会があったんです。そこでは『(東アジア以外にも)この病気を患う人はいる』という話も。そこのところは詳しくはわかってはいないのが現状ですが…」と世界的にも広がっている可能性があることを説明した。