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梅雨入りもして、もう少しすればこの季節がやってきます。肝だめしの季節。夏になると幽霊や化け物に関連したイベントや展覧会が多くなりますが、浮世絵専門美術館・太田記念美術館でも開催されます。
浮世絵展「怖い浮世絵」
太田記念美術館では2016年8月2日(火)~8月28日(木)の期間「怖い浮世絵」というド直球なネーミングの浮世絵展が開催されますよ。これは楽しみ。
「怖い」「恐ろしい」という感情は今も昔も人間が持っている普遍的なもの。しかし肝だめしといった言葉があるように、なぜか強いものや怖ろしいものに人は引き付けられますよね。まさに「怖いもの見たさ」。
歌川国貞(三代豊国) 「見立三十六歌撰之内 藤原敏行朝臣 累の亡魂」(太田記念美術館蔵)
歌川芳幾「百もの語 魂魄」(太田記念美術館蔵)
月岡芳年「西郷隆盛霊幽冥奉書」(太田記念美術館蔵)
江戸時代の大衆娯楽の代表格といったら歌舞伎ですが、歌舞伎においても怪談ものが盛んに演じられていました。また、小説や浮世絵にも怪談、妖怪といったネタは人気のひとつでした。
歌川国芳「大江山酒呑童子」(三枚続、太田記念美術館蔵)
歌川国芳「源頼光公館土蜘作妖怪図」(三枚続、太田記念美術館蔵)
浮世絵展「怖い浮世絵」では江戸の人々が抱いた恐怖のイメージを浮世絵から探る展覧会。累(かさね)、お岩、崇徳院といった生前の恨みをはらす幽霊たちや鬼や海坊主などの化け物系。さらには凄惨な血みどろ絵までをも紹介するボリュームある内容。
歌川国芳「四代目市川小団次の於岩ぼうこん」(太田記念美術館蔵)
展示作品には歌川国貞、歌川国芳、月岡芳年など人気浮世絵師の作品が一堂に会します。太田記念美術館の見どころとして歌川国芳「四代目市川小団次の於岩ぼうこん」が挙げられています。
2016年8月2日(火)~8月28日(木)という肝だめしにはもってこいの期間、肝を冷やしに足を運んでみてはいかがでしょうか。
(ライター: 増田 吉孝)