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かわいい「寿司桶のミシン刺繍」独創的な作品の世界観に魅了!制作秘話を聞いた


image:ソライロ刺繍(@sorairo_naoko)

名前や文字、オリジナルのデザインなど施すことができる「ミシン刺繍」。そんな刺繍ですが、Twitterにて、ソライロ刺繍(@sorairo_naoko)さんがご投稿された「寿司桶のミシン刺繡作品」が可愛いと注目を集めています。それは、寿司桶の中に醤油入れのランチャームが複数泳いでいたり、バランの影に隠れていたりなど動きもあり、ユニークさもあり、見るものの心を鷲づかみにされる圧倒的存在感の作品なのです。

キュートなミシン刺繍作品!

「金魚とか草とかミシン刺繍で作っています」という一言とともに、作品の写真が掲載されたツイートを発見しました!お弁当によく入っているお魚型の醤油入れ「ランチャーム」を刺繍されるとは!?着眼点も面白く、インパクトのある作品です。寿司桶の黒い背景に、醤油が入っているランチャーム・空のランチャーム・小菊・緑色のバランの一つ一つの刺繍が何だかオシャレさも感じ、映えていますよね。

ツイートのリプ欄には「可愛い」「センスが良い」「ランチャームがお寿司みたい」などの声が寄せられ、熱視線を集めています。

制作者さんインタビュー

image:ソライロ刺繍(@sorairo_naoko)

制作者さんのソライロ刺繍(@sorairo_naoko)さんにお話を伺いました。

■制作歴、ミシン刺繍を始めたきっかけは?

ーーもともと婦人服(プレタポルテ)の仕立ての職人でした。妊娠を機に引退して、6年前に、息子の入園バッグにミシンで刺繍を入れてやりたいと思い、家庭用の刺繍機を中古で買いました。学生時代に趣味で絵を描いていたこともあり、自分のオリジナルの刺繍がしたいと思い、初心者向けの刺繍ソフトも購入し、当時は日本で唯一のミシン刺繍教室だった名古屋の「Eー刺繍工房」に通い、刺繍ソフトの基礎を教わりました。

金魚が好きだったので、金魚の刺繍を作っていたところ、ギャラリーさんから金魚イベントへお誘いいただき、思い切って工業用の8本針の刺繍機を導入、商品として販売することになり、今に至ります。刺繍ソフトも現在はプロ用の刺繍ソフトを導入しています。

■寿司桶の作品のテーマやこだわられた点について教えてください

ーーお魚の醤油差し、実は…もともとは、金魚のグラデーションの練習台として作ったんです(笑)Instagramで発表したところ、いっぱい泳いでるのが欲しい!と嬉しいご依頼がありました。タイトルは「宴のあと」というところでしょうか?出前の桶を囲んでの楽しいひとときの後、残った醤油差しやバランがこんなふうにしてたら楽しいなと。

それぞれにドラマが展開されてまして、草陰でイチャイチャするカップル、それをこっそり覗いてる子、グループでお喋りしてるところになんとか入りたい子、食べ残しのご飯粒を必死でついばんでる子たち…。植物や動物に見たててカットされたバランも魚の醤油さしも、日本料理の細やかな心遣いの産物ですが、とても洗練されていて、身近なアートでもありますよね。お醤油が飛び散らなくて、必要なだけ出せて機能性も最高です。

■糸の種類は?

ーー糸は光沢のあるレーヨン刺繍糸です。直径30㎝ほどあるので、醤油差しやバラン、それぞれの配置にとても気を使いました。寿司桶風にするため、朱塗りの料理盆に、刺繍した黒布を貼り付けて仕上げました。

image:ソライロ刺繍(@sorairo_naoko)

■3月下旬に展示会もあるようですが、意気込みやご来場者様へ向けてのメッセージを一言

ーー「十二月の庭〜散り紅葉」は、AJCクリエイターズコンテスト2023の一次審査を通過し、今月3月26日から30日まで東京都美術館で展示されます。上野にお花見のついでに紅葉も観に来て下さい!なんと入場料無料です。

美術館での展示想定だったので、見栄えがするよう大きな作品を作りました。紅葉狩りの季節はおおよそ11月で、鮮やかな紅葉は誰が見ても見事ですが、私はその後の侘しさが愛おしく、人も訪れなくなった山奥の庵でひっそりと葉を落とす色褪せた紅葉を想像して作りました。

製作期間が1か月しかなかったのですが、疲れ知らずのミシン刺繍の強みを活かして200枚以上のモミジを作ることができました。モチーフはミシンが作ってくれますが、そこからリアリティを出すのはあくまで手仕事で、そこは今まで婦人服の仕立ての仕事で身につけてきた、平面を立体にするアイロンワークやミシンワークが役に立っていると思います。紅葉はもちろん、苔も、石も刺繍で表現しました。

柄杓は本物ですが、それが返って全体を引き締めてリアリティを持たせています。水の表現には、透明度の高いオーガンジーを使い、水底に沈む紅葉の侘しさを表現しています。ミシン刺繍ではだれもやったことのない技法を追求しています。水底は会場でしか見えないので、ぜひ覗きに来てください。

ミシン刺繍って、一般的には服のワンポイントやワッペンに使われる商業的なイメージを持たれている方がほとんどだと思います。なので、「ミシン刺繍ってこんなこともできるの?おもしろい!」と会場で興味を持っていただけたら嬉しいですね。

■いいねやRTされるなど、反響がありますが、 どのような心境でしょうか?

ーーTwitterは素晴らしい才能をお持ちのクリエイターさんが多いので、ミシン刺繍もやってみたいな!って方が増えたらいいなと思います。

最後に、今後制作されたい作品・夢について伺ったところ「最近は植物を作る機会が多かったのですが、これからまた金魚に向き合いたいと思います。金魚は美しい分、とても難しいのですが、まだ観たこともない刺繍にチャレンジしていきたいです。秋には関西で小さな個展をやりたいと思ってますので、ぜひ観にいらしてください!」と語られていたソライロ刺繍さん。

今後も目を見張るほど素晴らしい、ソライロ刺繍さんが織り成す作品をお目にかかれるのを楽しみにしております!

ランチャームといえば、ランチャームにボンドを入れる「木工用ボンド充填機」を自作された方もすごいアイディアですよ!

取材協力:ソライロ刺繍(@sorairo_naoko)

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