日本で一番有名と言っても過言ではない童話「桃太郎」。auのCMでも人気ですよね。桃から生まれるという謎の独創性、桃を切ったら中の桃太郎は...?という疑問、キビ団子ぽっちで命を懸けてくれる健気すぎる家来たち、そして強大な敵に立ち向かっていく勇気。沢山のモノを学びました。そんな桃太郎に「続編」があったというのです。桃太郎シーズン2です。
桃太郎の続編
打ち出の小槌で小判を出しまくる桃太郎。インフレ待ったなし。
ずっと小槌を振ってたら腰が痛くなってきたので、タバコでも吸おうかと言っている。ちなみに雉は故郷に帰ることにしたらしい。
子どもに大量の蛇を持ち帰り、蒲焼きにするつもりのようだ。 pic.twitter.com/jVGHTAYObk— terada (@terada50397416) September 20, 2020
鬼を倒した桃太郎は鬼を一匹家来にしようと連れ帰っていたそうです。結構やる事がエグいですね。仮にも親兄弟の仇の家来に大人しくなるなんて、鬼って争いが苦手な種族なのでは。
右の男が元服した鬼七。
誰やねん!
と、読者は一斉にツッコミを入れたことだろう。
それはともかく、猿も元服することになり、頭を剃った。
猿も大人になったもんだ。ちなみに鬼七の左にいる女は「おふく」という女中。 pic.twitter.com/pepkUnZr68
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
そんな桃太郎も大人に。というワケで、大人になった証として月代を剃ります。そして鬼も同時期に元服させるという事で、トレードマークであるツノを剃ります。やる事がいちいち怖いな。そして、家来のサルも何故か元服する事になります。
それもそのはず。実はおふくと鬼七は出来上がっていたのだ。
猿はその現場を見て二人を叱責する。この時代、家来同士が勝手にくつくなど許されなかったのだ。 pic.twitter.com/AqAd3xMmum
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
大人になったサルは「おふく」というファミコンの「いっき」で見たことあるような女性に迫ります。しかしおふくは何と鬼と良い仲だったそうで、サルは怒り、早速おじいさんとおばあさんに報告。めっちゃ陰険。
ただクビにするのでは不憫だということで、桃太郎は打ち出の小槌を使ってガンガン小判を出し、それを退職金にしてやった。
そのついでに猿もクビにした。
猿の退職金は200文。酒一升分くらいの額。
さすがに猿も不満。
猿「その小槌で私をボコってください。何回叩かれてもいいんで!」発想が猿! pic.twitter.com/WZ8yXghiZ3
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サルにバラされてしまった鬼とおふくはクビに。何故かサルもクビに。振れば振るほど小判が出る「打ち出の小槌」で退職金を出すことにしますが、何故かその額は200文。小判は無尽蔵に出てくるんだからもっとあげれば良いのに。キビ団子で命を懸けてくれた家来に「小槌を振る」という事さえ面倒くさがる桃太郎。この判断が後にとんでもない事件を引き起こすことになる...!
そんなある日、鬼女姫という女が鬼ヶ島からやってきた。
なんと、彼女は鬼七の許嫁だという。
鬼女姫「もし、こういう鬼を知りませんか?」
猿「知ってます。その白鬼は今は鬼七という名前でタバコ屋をやってます。女房と一緒に。夫婦仲はいやらしいようで……」行動が猿! pic.twitter.com/oy9alvjWWP
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退職金でタバコ屋をはじめ軌道に乗った鬼とおふく。逆にサルは恨みを募らせるという展開に。ここでやっと犬君もタバコ屋の客として登場。そして唐突な新キャラ、鬼ヶ島から来た、鬼の許嫁。完全に昼ドラみたいになってきました。
だが、おふくは怒りで頭から角が生え、なんと鬼に変わってしまった。
鬼七はというと、鬼女姫が剃り落とした角を見てあれは金になると考えている。思考が鬼!
鬼七は二人の戦いを止めることもできず逃げ出す。
寺まで行き、匿まってくれと頼み込む。
坊主「それなら釣り鐘の中にかくまいましょう」 pic.twitter.com/ZWPjUqYOGP— terada (@terada50397416) September 20, 2020
サルに既に結婚していることをバラされた鬼、大ピンチ。特に悪い事してないのに。ここからは許嫁の鬼とおふくの修羅場です。許嫁が角をそり落とすという「鬼への愛」を見せたのに対し、おふくは人でありながら、怒りに身を任せ鬼に変わってしまう。コレはマズイと逃げた鬼をおふくに追わせるためにサルはまた悪知恵をはたらかせます。コイツいよいよ悪役が堂に入ってきたな。
遅れて登場した桃太郎、鬼となったおふくを殺害。
犬も同時に登場し、猿の首を踏み折って殺した。猿、この世を去る。 pic.twitter.com/4bcknActRf
— terada (@terada50397416) September 20, 2020
ついには、鬼に変わったおふくと、散々卑怯な立ち回りをしてきたサルを桃太郎と犬のコンビが退治して終わり。めでたしめでたし...全然めでたくないですね。一番怖いのは鬼ではなく人間という教訓なのでしょうか。
ちなみにこちらは国立国会図書館デジタルコレクションで読めます。「万物滑稽合戦記」という短編集のようなものの一部だった模様。というか、タイトルに「滑稽」ってついちゃってるけども。
source:国立国会図書館デジタルコレクション
Twitterの反応
江戸のエンタメ煮詰まってるなw https://t.co/nw1CtdlODp
— たなてぃ (@IkaTanat) September 20, 2020
足し算しすぎて設定も何もかもごっちゃごちゃになっていて、カオスで面白いです。
ツィート主さんの解説の仕方も相まってえらい面白い。>RT
鐘に隠れるのは日本の創作の様式美なんだろうか。あと最後に作者登場で平謝りは70〜80年代のマンガ感がある…。
— きじにゃ (@kijinyan) September 21, 2020
ちなみに、この結末の後鬼はどうなったとかの回収は行われず、何故か挿絵に作者が出てきて芝居の評判がどうの...と言ってます、しかも「近年はこういうの流行ってるよね」みたいなメタ発言も。なんというか、あの有名な「くぅー疲れました」的な匂いを感じます。
今も日本人に愛される桃太郎。ちょっとこの続編は人間の汚いところが沢山出ちゃってて童話という感じではないですね。
画像掲載元:写真AC