最近SNSでも大きな問題となってきております「フェイクニュース」。意図的に悪意を持って拡散させている方々は、著しく社会から反感をくらい、非常に重い罪を追うこととなります。しかしながら、真実だと思って拡散させていた情報が実は嘘だったということもあり、結果的にデマを拡散させることとなります。なぜそんな問題が多発するのか、答えが出たのかもしれません。
デマのケース:あおり運転騒動で「ガラケー女デマ」が拡散した事件
【「ガラケー女」デマ拡散 提訴】https://t.co/UF4sR26REa
常磐道で8月、男性があおり運転を受け殴られた事件をめぐり、加害者の車に同乗していた「ガラケー女」とのデマをネット上で流され名誉を傷つけられたとして、女性が愛知県の市議に慰謝料を求める訴訟を起こした。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) October 26, 2019
記憶に新しいのがこちらのニュース。あおり運転事件をめぐり同乗していた女性、いわゆる「ガラケー女」とネットで名指しされた別の女性が誹謗中傷を受けたという問題。
8月に茨城県の常磐自動車道で起きたあおり殴打事件をめぐり、「同乗していた女」とインターネット上で名指しされ名誉を傷つけられたとして、東京都の会社経営の女性が30日までに、愛知県豊田市の原田隆司市議(57)に損害賠償を求めて東京簡裁へ提訴した。
引用元:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51588470Q9A031C1CN8000/
この市議の投稿をうけ、多くの人が「ガラケー女」として、攻撃をした人は実は全くの別人だったという問題。
しかしこのような問題はこれだけにとどまらず、表面上に出ていないだけで実は多くの無実の人が罪を着せられているのではないかと考えられます。
なぜそのようなことが起こるのか、その理由が今回の研究結果にあるのかもしれません。
人々は意見を裏付けるため事実を誤って覚えてしまう
People wrongly remember facts to support their own views and then spread 'fake news' when talking to other people https://t.co/2hoEOD0DhT
— Daily Mail Online (@MailOnline) December 27, 2019
身もふたもない話ですが、実は人間は人々の意見を裏付けるために、事実と異なった情報を覚えてしまうという性質があり、その結果「嘘のニュース」を拡散させてしまうのだということです。
掲載元であるイギリスの情報誌「DailyMail」によりますと、研究者が被験者に対し4つの社会的なクイズを出題。それぞれにまず正しい事実を提示させ、その上で議論をさせ、他の人にどのように伝聞させるかを調査。
すると、それぞれの被験者は議論に関して、彼らの独自の誤った見解を覚え、伝えてしまうことが発見されました。
「正しい情報」を教えても誤って拡散される
例えば、2007年から2014年の間に米国移民の数が110万人減少したという統計について議論の場合、この統計に対し「本当なのか」と疑問を募らせている被験者は、なんと事実を歪めて拡散。
2014年のメキシコ移民の数は2007年よりも多かったと自分で処理し、伝えてしまったということなのです。
オハイオ州立大学のコミュニケーションの助教授であるジェイソン・コロネル氏いわく
「人々は、自分の誤った情報を自己生成する。つまり情報の全てが外部生成されたものではない」
と述べているようです。更に研究者は、情報が中継されるほど、情報を渡す人の意見に似るようになることを発見。
博士は次のように付け加えております
「覚えていることを精査せず伝えてしまうので、誤った情報として拡散されてしまう。」
と話しております。
確かに聞いた話を、いちいちそれがどのようなもので、どれが正しいものかは曖昧に伝えることが多く、それが伝言ゲームのように伝わり、結果的に誤ったデマとして拡散されてしまうという人間そもそものバグのようなものがあるようです。
こちらではお尻から火が出たというとんでもないデマを通報した女がいましたが
デマがこの世にはびこる原因として、そもそもの人間の本質から来ているという問題があるようです。
つまり、これらを100%防ぐ方法は現時点ではなく、逆に言えば誰でもデマ発信者となってしまうという恐ろしい事実です。
掲載元
https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-7830341/People-wrongly-remember-facts-support-views.html
画像掲載元:pixabay