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国の重要無形民俗文化財に指定された松前神楽を旭川の上川神社で見ることができた尊敬すべき理由が明らかに!


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旭川市(北海道)にある上川神社で松前神楽を見てきました。松前神楽は、松前藩第6代藩主・矩広が、古くから各神社で行われてきた神楽の演技種目を統一して城内神楽としたもので、1674年に始まりました。道内には4つの保存会(松前・福島・函館・小樽)があり、今年、国の重要無形民俗文化財に指定されました。大雪神楽会(旭川市)では、後志松前神楽会の方々に指導していただき松前神楽の習得に励んでいるそうです。

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5月15日、上川神社の春の講社大祭があり、神賑行事として松前神楽などが奉納されました。およそ2時間の行事でしたが、心の中にいつまでも残る行事となりました。2時間はあっという間に過ぎて、こんなに短かったかなと感じさせられました。上の写真は上川神社の巫女さんが”豊栄(とよさか)の舞”を舞っているところです。


-神賑行事のタイムテーブルは次のように進められました

1 上川神社の巫女さんたちによるお神楽、大黒様の福の種まき
2 獅子舞
3 松前神楽...神楽始 福田舞 神遊舞 太平楽の舞(三条神楽) 兵法舞 〆祓舞 十二の手獅子舞・五方 

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-大黒様の福の種まき

巫女さんの舞の後は、”大黒様の福の種まき”です。面をつけていますが大黒様が動くたびに表情が変わるように思えました。大黒様は、餅や飴を”福の種”としてまいてくれます。


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- 獅子舞(大雪神楽会)

傘や刀を使って獅子舞が披露されました。面をつけたままとは思えない見事な宙返りを披露していました。古くは富山県から伝わってきたものだそうです。獅子舞では、獅子は必ず負けることになっているそうです。しかし、見ている人たちは、獅子が負けるたびに「かわいそう!」という声をあげていました。



-いよいよ松前神楽のはじまりです


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-神楽始(かぐらそめ)

「これから松前神楽を始めます。」と神様にご挨拶をしているのでしょうか。こちらの気持ちも引き締まります。


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-福田舞(ふくだまい)

跡祓舞(あとばらいまい)とも云います。両手に御幣をもち、四方四隅を祓い清める舞です。田畑を踏み固め、護国豊穣を記念する舞です。舞っているのは小学生の女の子です。人の前で舞を披露するようになるまでには、随分と練習を積んだのでしょうね。


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-神遊舞(かんあそびまい)

天皇遊舞(てんのうあそびまい)とも云います。2人の武人が弓矢を持ち、四方にいる悪魔を正しい心に戻してから退散させるという舞です。松前藩の威徳を内外に示し、蝦夷地鎮定と天下泰平を祈願した舞です。舞の中で破魔矢が射られ、幸運な人が矢を受け取りました。舞台上に落ちた矢も、舞の後に配られました。


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-太平楽の舞(たいへいらくのまい) 新潟県三条市に伝わる三条神楽です。

2枚の鏡のうちどちらの鏡を天照御大神に献上したらよいのか思案している様子を舞にしたものです。2枚の鏡は天の金山の鉄で作られたもので、どちらの出来栄えが良いかを確認する様子をユーモラスに表現しています。できばえの良い方が献上されることになります。

この舞は大変難しい舞だそうで、道内でも数名の方しか舞うことができないそうです。手に持っているお盆は鏡に見立てられているのですが、まるで手に張り付いたかのように、手から離れることはありませんでした。見ていてどんどん舞に惹きこまれていきました。


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-兵法舞(へいほうまい)

松前藩の武威を及ぼし天下泰平を祈願する舞です。敵と戦う藩主(黄色の衣をつけています)は、最後に敵を倒し長刀を奪います。敵に勝利した藩主は、歓喜し、勝利を示す長刀をもって舞います。藩主の役を務めているのは小学生の子で、舞台上で元気で礼儀の正しい挨拶をしていました。


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-〆祓舞(しめはらいまい)

七五三切舞(しめきりまい)とも云います。真剣を持ち四方の注蓮縄(しめなわ)を切り払い清めるとう舞です。悪魔退散、千秋万歳を祝福した斎王が舞います。当たり前ですが、真剣は本物で、4本の注連縄が見事に切り払われていきました。神楽始の時と同じように、あたりには心を引き締めるような空気が漂っているような気がしました。


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-十二の手獅子舞・五方(じゅうにのてししまい・ごほう)

獅子舞をする中で十二回手が変わることから十二の手獅子舞という名前がついています。東西南北の神社とその神社の神々を拝し、その土地または人々を噛むことで祓い固める舞です。悪魔退散、蝦夷地鎮定、国土安穏を祈願した舞です。

獅子の動きは本当に生きているかのようでした。ただ舞うだけではなく、その動きに命を吹き込むまでにたゆまぬ練習を重ねているのでしょうね。驚いたことに、この獅子頭は上川神社と旭川神社の方の手作りだそうです。木を切るところから始めたそうです。

新しい獅子頭ができたそうなので、この獅子頭はこの日が使い収めでした。記念すべき日に立ち会うことができました。頭もしっかりと噛んでいただきました。


-民族芸能の大切さを感じました

旭川での松前神楽はまだ保存会とはなっていませんが、どうにか民族芸能を継承していきたいという強い思いをもって取り組んでおられるのだということが伝わってきました。今までは何気なく見ていたお神楽や獅子舞ですが、それぞれに深い意味があることを知りました。新しいものも大切ですが、昔から受け継がれてきたものの上に今があるということも忘れてはいけないと思いました。また、旭川という松前から遠く離れた地で、松前神楽を見せていただいたことに感謝したいと思いました。


(秒刊サンデー:わらびもち)
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