大阪市教委は、同市住吉区の市立中学校で陸上部の顧問をしていた男性教諭と男性講師を2月23日付けで懲戒処分にしていたそうです。二人の顧問が陸上部の男子生徒を円盤投げの的にしたり首をはねる真似をしたということが発覚し、処分されました。”体罰”に関わるニュースは引きも切らず、次から次へと出てきます。
顧問の言い分によると、生徒がたびたび朝練習に遅刻して来たため、指導の一環として円盤投げの的にしたということです。遅刻することは確かに良くありません。しかし、円盤投げの的にするなどという指導は、まともな指導とはかけ離れていると言わざるを得ません。開いた口が塞がらないというのはこのことです。
この顧問は、自分は教師なのだから”指導という名のもとに何をしても容認される”と考えていたのではないでしょうか。学校という職場は特殊です。教師と職員・生徒で構成される環境において、教師は生徒の将来を考えながら、学習面・生活面を指導していきます。
そのような環境下において、生徒は教師の指導にすべて従うものだと勘違いしている教師がいるのではないでしょうか。教師がおこなう指導というものは、生徒の将来のためにあるもので、教師にとって都合の良い指導ではありません。そこのところを教師は常に意識していなければならないと思うのです。
-この事件は氷山の一角
学校現場における体罰は、年間800件に及ぶそうです。ネット上で”体罰”について検索すると、まだ3月になったばかりだというのに、別の体罰に関する事件も出てきます。筆者は、中学校、高等学校で教師として勤務してきました。また、学童保育についても関わってきました。
”体罰”というものをたくさん見てきました。体罰と考えるか考えないのかの判断は人によって異なるので、筆者が体罰だと感じたものをそうだとは感じない人もいました。教師には、指導・体罰・虐待に関して敏感であって欲しいと考えています。
体罰や虐待が生徒に与える影響は非常に大きく、心に大きな傷を残します。体罰や虐待を見つけたら、教師は一刻も早くそれを解決するように行動を始めなければならないと思います。
-体罰や虐待で受けた心の傷は消えない
ネット上でこんな記事を見つけました。
東京都内に住む男性(43)は、30年以上も前の小学校時代の男性教師から受けた暴力を鮮明に覚えている。「先生への受け答えが生意気だったという罪で、適正な司法手続きもなく、クラス全員の前で頬を2回ひっぱたかれる刑罰とはずかしめを受けました。」当時は教師と児童という特別な権力関係で、体格差もあったため、理不尽と感じても反撃できなかった。定年退職した元担任と再会する機会があれば、必ず「お礼」をしたいと考えているという。
体罰や虐待が決して癒されることのない心の傷をつくってしまうことが伝わってくる文章です。文章の中で、”教師と児童という特別な権力関係”という言葉があります。その通りなのです。児童や生徒は、教師に対してそのように思ってしまうことがあるのです。
児童・生徒にはそのような意識を持たせてはダメだと思うのです。特別な権力関係で言うことを聞かせるのではなく、心の中にしみ込むような指導の結果、児童・生徒が成長していけるような指導方法が望ましいと思うのです。教師は、決して特別な権力を与えられているわけではありません。将来を担っていく児童・生徒を育てるという役目を持っています。
情報元:http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180301/5639761.html
画像掲載元:いらすとや
(秒刊サンデー:わらびもち)