最近最も国民の不安を揺るがしているものは、北朝鮮のミサイルでも巨大地震クルクル詐欺でもなんでもなく「ヒアリ」である。今年に入り突如目撃情報が多発し、ついには被害者も出てしまったという恐ろしい事態になっているわけだが、いかんせん本当に居るのかどうかが分からず、居たという報告があがっても「ヒアリではない」という誤報がよくある。と言うことで本当に居るのか調査してきた。
ー名古屋に到着
名古屋港に到着。報道によりますと、名古屋港の鍋田埠頭のコンテナにヒアリが発見されたという情報があった。ということは名古屋港周辺にすでにヒアリが生息しているかもしれないので、虱潰しに周辺を創作すれば、ヒアリを発見するかもしれない。ということで名古屋港回りにいるアリを調査し、そしてヒアリかどうか判断する。
判断方法としては、ヒアリの画像を見る、ヒアリ警察(Twitterアカウント)などに調査をする。という手法。地道な手法だが、実は後ほど紹介するが最も的確で、費用の掛からない手段だ。
また本当にヒアリであれば、どれぐらいの痛みなのか確認したいと思う。
ということで捜索開始。
この日は気温は33℃以上の真夏日、いや、体感は既に35度の猛暑と言っても過言ではない。あいにく、ハンカチを持ち忘れたので、滴る汗を服に染み込ませ、たっぷりと含んだ汗を時折雑巾のように絞る。
それほどのうだるような暑さ。こんな暑苦しい日に、アリが陸上で活動などするはずが・・・
ー第一アリ発見
第一アリ発見。これはヒアリなのか?
否、見た目も「まっ黒」のアリであり、大きさも1センチ近くある。ヒアリは赤褐色の色をしており、大きさも2.5~6mm。これは日本中どこにでもいる「クロオオアリ」だと思われる。
レアでもなんでもないのでそのまま自然界に放流。
オオクロアリは本来の目的を達するため、どこかへ去っていった。恐らく冬をこすための支度を今のうちにしているのだろう。
キリギリスになってはいけない。そういう道徳がある。
ただ最近判明したことだが、キリギリスの寿命は冬の前に尽きてしまう。
どちらを選ぶかはその人次第だろう。
暫く歩くと港っぽくなってくる。人影も少なく、アリを探しているのは自分ぐらいなものである。ふと右に目をやると、湿った土の土手があったのでそこを探すと今度はいよいよヒアリっぽいのが出てきた。
ー赤褐色アリ発見
写真ではわかりづらいが、角度によっては赤褐色のアリである。
ネットにある文献等を観ると驚くべきことが判明。
大きさは5ミリほど、色も形もヒアリにそっくりである。これはもしかして本当にヒアリではないのか?そんな疑問も湧いてきたが、ここは専門家に聞いてみる必要がありそうだ。ということで「ヒアリ警察」に聞いてみた。
ヒアリではありません。オオズアリです。 https://t.co/8TZZJNg4QG
— ヒアリ警察 (@_Solenopsis) 2017年7月21日
ヒアリではない、オオズアリ。
そう、ヒアリとは似て非なるもの、オオズアリである。
ちなみにヒアリっぽいアリは日本中何処にでも生息している。
似ているからと言って大騒ぎをするとかえって余計なトラブルも発生する。その為、もしヒアリっぽいものをみつけてもSNSを使って無闇に知人等に拡散させず、冷静に有識者に確認するのが良いだろう。
ヒアリの写真と、よく間違われるシリアゲアリ、ケアリの女王アリの画像です。
— ヒアリ警察 (@_Solenopsis) 2017年7月7日
ヒアリの写真は、大阪自然史博物館の松本吏樹郎学芸員が撮影されたものです。
1. ヒアリ 2. シリアゲアリ(女王アリ) 3. シリアゲアリ(ハタラキアリ) 4. ケアリ(女王アリ) pic.twitter.com/eFfuy7LVO4
これだけ似ているアリが居るようだ。
今回のオオズアリはヒアリではなかったので刺されなかっが、このように手で持てば刺される可能性も高まる。
実際に刺された方によると
報道されているよりも全然痛くない
— ユウキ・ザ・モンスター@ヒアリの人 (@yukithemonsters) 2017年7月28日
痛みに耐性があるのかもしれんですが///
痛くはないとはいえ、アレルギー反応をこすという点は注意が必要だ。場所はやはりコンテナ。チクチクとする痛みだという。とはいえ、この刺された方は非常に冷静だった。
ということで、簡単には見つからない「ヒアリ」、探そうと思っても見つからないが、ふとした瞬間に体にくっついているかもしれない。
そういう場合は焦らず、冷静に払い除け、スマホで写真を取って専門家の判断を仰ぐのが良いだろう。
(秒刊サンデー:ユカワ)